『男はつらいよ13 寅次郎恋やつれ』と『ルパン三世』6-13「過去からの招待状」/世文見聞録14
今週も川口世文と木暮林太郎が、彼らの大好物の「ビッグストーリー」である『男はつらいよ』シリーズと『ルパン三世シリーズ』について語ります。
○第13作『男はつらいよ 寅次郎恋やつれ』(前半部)
木暮林太郎:“リリー”より先に再登場したマドンナは吉永小百合だったんだな。
川口世文:評判がよかったんだろうね。後期になると同じ女優が別の役でマドンナをやったりするけど、ここでは同じ歌子役。寅にしてみれば初のリターンマッチだ。
木暮:だけど、前回の結婚が不幸な結末に終わった彼女の心の隙間につけこむのは寅さんらしくない。
川口:そうなんだよ。だから、いわゆる“寅の恋バナ”を珍しく前半でやってしまっているといってもいい。
木暮:“お絹さん”の話? あの人、ちょっとしか出てこないけど、彼女もマドンナにカウントされるのか?
川口:当然カウントできるだろう。前作と今作のあいだに起きた恋のヒロインなんだから。
木暮:なるほどね。そう考えると、まず夢のシーンで寅さんが「嫁」を連れてきて、おいちゃんまでが似たような夢を見るという風に、冒頭から組み上がっているね。
川口:今夜「大事な発表」をするといわれて、とらやの面々が舞い上がる。いきなり“アリア”をやるんだよな。
木暮:相手はきっと旅館の女将だろうと思うと、「リウマチババア」という言葉が出てきて、さくらがガッカリするのがいい。その直後に“お絹さん”の話が出てくる。
川口:例によって彼女とは「まだ何もない」状態で、寅の“岡惚れ”だってはっきりわかっているのに、どうしてさくらに社長までついて行っちゃったのかなあ。もうちょっと学んでほしいよなあ。
木暮:ある意味、これまでにない「大爆死」だったからな。爆笑は生んだだろうけどあまりにやるせない。舎弟の“登”が再登場して慰めてくれればなあと思ったよ。
川口:駅で列車を待っているさくらと社長のところに、学校の明るい吹奏楽が聞こえてくるのが妙に泣かせる。
木暮:“対位法”って呼ばれる演出だな。
○『ルパン三世パート6』第14話
川口:年が明けて早くも後半戦。「ウィッチ・アンド・ジェントルマン」というサブタイトルがついている。
木暮:ダイヤを横取りしたあの赤毛の女性軍団が“ウィッチ”か? 全員同じ顔をしていた気がするけど、クローン人間なのかな? それとも整形しているとか?
川口:ショッカー戦闘員みたいに消耗品扱いだったね。
木暮:ロンドンからニューヨークに舞台が移ったのかと思ったけど、来週の予告を観るとそうじゃないのかも。
川口:ルパンがガキの頃住んでいた屋敷の宝物庫の“お宝”がみんな和風のイメージだったことから考えると、最終的なゴールが日本になるんじゃないのかな?
木暮:なるほど……いよいよ“緑”ジャケットに戻った理由がわかるのか。
川口:それにもちょっと期待したい。正直なところ「ルパンの母親」だという“トモエ”の正体よりもそっちのほうが気になる。
木暮:“トモエ”ってどういう字を書くんだろう。ひょっとすると“巴御前”の“巴”かな?
川口:可能性はあるな。普通に“友恵”じゃないはず。
木暮:花屋の女の子はどうなるんだ?
川口:今回、やけに出番が多かったからね。これだけじゃ終わらないだろう。ヒロインとしてはちょっと存在感が薄いんだけど。TVスペシャルだと大体、あの娘が赤毛の女と姉妹だったりするんだけどな。
木暮:それにしては全然に似てないぞ。
川口:まあ、まだ情報が足りないんだよ。
木暮:それにしても慎重な作戦だった割にはあっけなく裏をかかれたもんだ。
川口:“てんとう虫ドローン”とかジェットパックとか、前半より10年ぐらい未来の技術のような気もするし。
木暮:案外、そこにヒントがあるのかもしれないぞ。
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