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『男はつらいよ5 望郷篇』と『ルパン三世』6-4「ダイナーの殺し屋たち」/世文見聞録5
今週も川口世文と木暮林太郎が、彼らの大好物の「ビッグストーリー」である『男はつらいよ』シリーズと『ルパン三世シリーズ』について語ります。
○『男はつらいよ 望郷篇』(前半部)
木暮林太郎:どこでやめていいかわからなかったよ。
川口世文:まさか……今回は最後まで観ちゃったの?
木暮:いや、浦安でさくらと別れるところまで。そこで区切ったら妙にハッピーに終わっちゃった(笑)
川口:当初はこれを最終作にするつもりだったらしい。
木暮:そうだったのか! まさか……最後に恋愛が成就しちゃったんじゃないよな?
川口:それはないよ。本当に終わっちゃうじゃないか。ちなみに今回のマドンナの長山藍子がテレビ版のさくら役だったって知ってた?
木暮:知らないよ、そんなこと。何だか妙に“メタ”な作りなんだな。じゃあ、あのシーンは“Wさくら”だったのか。寅さんも何か居心地良さそうだったし、あのまま舞台が団子屋から豆腐屋に移って新シリーズになった──そういわれたら信じてしまいそうだ。
川口:今回は話の“積み上げ方”もこれまでになく重層的だ。おいちゃんが死ぬと勘違いして葬式の手配をしてしまう話が15分ぐらいで終わって、さくらの説得でとらやを出ていかない。でも、舎弟の登がやってきて、いっしょに北海道に行くことになる。そこで地道な暮らしをしようと決心して、帰ってきてから就職の話。これがうまく行くはずもなく小舟で江戸川を流れていく……。
木暮:寅さんの“出入り”が何回もあるんだよな。
川口:かといって話がブツ切りではなく、全部有機的につながっている。
木暮:豆腐屋で“油まみれ”で働くっていうのがいい。あと、さくらに金の無心に行って、以前自分が渡した五千円を返してもらうところ。そこまでつながっている。
川口:作り手は本気で終わらせたかったとしても、観客にしたら、まさに脂がのってきたって雰囲気だよな。
木暮:それが運の尽き。ここからあと43本かぁ……。
○『ルパン三世パート6』第5話
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木暮:押井守脚本作品──意外とまともな話だったな。ヘミングウェイの話を持ってくるとはね。
川口:“稀覯本《きこうぼん》”の話は本当なのかな?
木暮:たぶんそうなんじゃないの? 後半は蘊蓄《うんちく》を散々語っていたから、あれが一つも根拠のない話だったらつまらない。
川口:前半もずっと声優が違っていて驚いたよ。明らかにルパンと次元なんだけど、ひょっとしたら違うんじゃないかとずっと気になった。あと、最後までバカ話だけで終わるんじゃないかと心配にもなった(笑)
木暮:おれは、ひょっとすると五エ門とまだ出会っていない時期の話じゃないかとも思ったな。“緑”ジャケットを意識していることは間違いない。
川口:不二子がブローニングじゃなくて、モーゼルを使っていたのもそういうこと? ごていねいにバカでかいホルスターを使っていたけど。
木暮:そういう詳しい設定はよくわからない。何となくそういう気がしただけ。
川口:『ルパン三世』の枠に押し込んだ“何か違うもの”という印象は強かったんだけど、なるほど、ファーストシリーズの第1話以前のルパンという考え方もあるか。
木暮:詳しく調べれば違うと思うけど……とにかく『ルパン三世』シリーズの「懐」の深さは感じられたな。
川口:そういう意味では次の話にも大期待だな。
木暮:そうそう──「黄金仮面」出てくるじゃないか!
川口:予告編を観た限りでは、舞台が日本なのか、現代なのかもわからない。
木暮:“神出鬼没”っていうのはまさにこのことだろう。
川口:さらに“緑”ジャケットの意味が深まっていく気がする。あとは明智小五郎が出てくるかどうかだ。
木暮:ロンドンやホームズはどこに行っちゃったんだ?
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