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世文見聞録 第0回(コメンタリー開始の前口上)
○それぞれの定義
〔ビッグストーリー〕
・映画/テレビ、国内/外を問わず、20年以上連続的・断続的に継続している(していた)映像作品であること
・長編作品(90分以上の劇場映画など)の場合は10作品以上、短編作品(30分以上のテレビドラマなど)の場合は100話以上あること
・「作品内時間」が動いていること
・20年以上出演している俳優、または30年以上出演している声優がいること(主演でなくても、断続的でもいいが、同一キャラクターを演じていること。声優の条件はあえて厳しくしている)
〔キャラエイジング〕
・映画/テレビ、俳優/声優、国内/外を問わず、30年以上、同一の演者が演じている(演じていた)キャラクターが登場すること
・作品数は最低2作品あればよい
○「世文見聞録」事始め
川口世文:「ビッグストーリーとキャラエイジングの時代」というのを“卒論”のテーマにして、少しずつ研究しているんだけど、最近忙しくてなかなか進まないんだ。
木暮林太郎:今更、何の“卒論”だよ?
川口:人生の“卒論”(笑)
木暮:そりゃまた大きなテーマだな。
川口:少しずつ書き残していくためにコメンタリーをやりたい。ツイッターも考えたけど、対談方式がいいな。
木暮:具体的には何について語るわけ?
川口:現在進行形のビッグストーリーがいい。具体的な対象作品は4つ──『ウルトラセブン』と『男はつらいよ』と『ルパン三世パート6』と『相棒シーズン20』。
木暮:『ウルトラセブン』と『男はつらいよ』は現在進行形じゃないだろ?
川口:どちらも“4Kリマスター版”の放送なんだよ。『ウルトラセブン』は4月からはじまってもう折り返しまで来ちゃっているけどね。
木暮:それらを全部観て、毎週話し合おうっていうの?
川口:全部が厳しいならいくつか選択してくれていい。
木暮:では、それぞれの特徴を挙げなさい。
川口:『ウルトラセブン』は「ビッグストーリー」の定義には当てはまらないが、その後「平成ウルトラセブン」があったり、新しい時代のウルトラマン映画にモロボシ・ダンがゲスト出演しているので「キャラエイジング」の対象にしている。
木暮:生まれる前だから、きちんと観てはいないなあ。
川口:「欠番」以外で48話あるんだけど、おれは全体を一つの物語として観ている。そのあたりを語りたい。
木暮:それだったら4月からやりたかったな。
川口:『男はつらいよ』ははじまったばかり。これは「ビッグストーリー」だ。すでに一周観ているから、おれも全部観るのはつらい。前半だけ観るというのでもいい。
木暮:どういうこと?
川口:話の構成が二階建てになっていて、最初の30~40分で話が一区切りするんだよ。冒頭で柴又に帰ってきた寅さんがケンカして出ていくまで。大抵はそれから旅先でマドンナと知り合って後半の展開になる。
木暮:なるほど、そういう条件なら多少は気が楽だ。
川口:もちろん気が向いたら最後まで観てほしいけど、必須条件は前半のみってことでどうだろう?
木暮:まあ、一度は観るべきだと思っていたからなあ。
川口:『ルパン三世パート6』は半年間。ここ最近は3年おきに新シリーズをやっているが、今回は次元大介役の小林清志が降板し、ジャケットも「緑」になる。アニメ化50周年の記念作品だから気合いが入っているはず。
木暮:50周年?……どれも息が長い作品ばかりだな。
川口:だから「ビッグストーリー」っていうんだ。それに比べると『相棒シーズン20』は年数的には短く感じるかもしれないけど、毎年放映された1時間ドラマが400本近くになっているからね、これがいちばんの大作。
木暮:それを全部見直そうっていうんじゃないよな?
川口:さすがにそこまではいわないよ。ただし、そろそろシリーズとして終わりが近いはずだから、見逃せない展開がいろいろ仕掛けられているかもしれない。
木暮:なるほど、どれも捨てがたい。
川口:おまえが決めてくれていいよ。
木暮:よし、まず手始めに「寅さんが出ていくまで」と『ルパン三世パート6』にしよう。それで正味1時間。それぐらいなら付き合えそうだ。時間があったらそれ以外も観て、そっちが面白い場合は乗り換えるかも。そういう条件でよければつきあってみてもいい。
川口:助かるよ。とりあえず試しにやってみよう。『ルパン』が先に終わるから、そのときに「次」を考えよう。
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