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『男はつらいよ』と『ルパン三世』6-0「EPISODE 0 -時代-」/世文見聞録1
今週も川口世文と木暮林太郎が、彼らの大好物の「ビッグストーリー」である『男はつらいよ』シリーズと『ルパン三世シリーズ』について語ります。
○『男はつらいよ』(前半部)
木暮林太郎:第1作は「白黒映画」なのかと思ったよ。
川口世文:タイトルバックだろ? でも、ちゃんと文字は黄色なんだよ。ある種のテーマカラーだったのかな?
木暮:トレードマークの背広も違うね。ネクタイもしているし。
川口:よくみると「とらや」のセットも奥への上がり口が微妙に違う。まだスタイルの完成には至っていない。
木暮:そのくせ江戸川のゴルフ場でコントみたいなことはもうやっているんだよな。
川口:柴又の地元の「祭り」ではじまるのも象徴的だ。
木暮:前半は家族との再会とさくらのお見合い話だな。さくらも最初はおびえている。倍賞千恵子が若すぎ!
川口:確かにお見合いをぶっ壊しちゃったわけだけど、おいちゃんとあんなに暴力的な喧嘩になるほど悪いことをしたって感じでもなかった。
木暮:さくらもそんなに悪意を持って報告しなかっただろうし、昔の悪ガキのイメージが甦ってしまったんじゃないか? 久しぶりでカルチャーショックだったんだ。
川口:工員のタオルで顔を拭いて真っ黒になるシーンがあって、次にはもう置き手紙。筆跡もまだおとなしい。
木暮:それにしても、どうして“矢切の渡し”で逃げたんだろう? 柴又駅のほうが近いはずなのに。
川口:そりゃ、画《え》になるからだよ。大人30円。
木暮:で、「それから一月」か──確かにこのパターンは1作目から確立されているな。
川口:ラフな上着で、空気で膨らむピンクの鹿の人形を持って、御前様とマドンナと奈良で遊んでいる。
木暮:御前様の「バター」もここからか。
川口:というわけで結局、マドンナたちと平気な顔して柴又に戻ってくるんだ。
木暮:ここまでで全体の3分の1ぐらい? 確かに前半で一区切り──ドラマの第1話って感じだったよ。
○『ルパン三世パート6』第1話
川口:新シリーズの第1話より、50年目の特別編という感じだった──小林清志の「さよなら特番」というか。勝手な予想だけど、今回の「パート6」は「パート1」と同じ23話構成にするんじゃないかな? それとこの「エピソード0」を加えて、放送回数として全24話。
木暮:そこまで徹底すれば面白い。だけど、ジャケットの色こそ「緑」だけど、舞台は日本じゃなくてイギリスらしいから、そこまで考えていないんじゃないかな?
川口:ちなみに第1話はまだジャケットは「青」だけどね……まあ、いずれ答え合わせを楽しみにしておこう。
木暮:それにしても50年間やり続けてきた「役」を降りる感覚は想像もつかないな。作品がつづいていたこともすごいけど。おれが生まれる前からやっていたんだぞ。
川口:今回はAIドローンとかプラスチック銃とか意図的に「時代」の変化を感じさせるアイテムが出てきた。
木暮:それに対抗するのが酒瓶とダイナマイトと拳銃というのがそれっぽい。何となく画作りも「パート1」のようだった。
川口:いつになく仲間たちとの会話も多かった。
木暮:そうだな、確かに「さよなら特番」だった。栗田貫一自身の本音を吐露するようなセリフもあったしな。全般にウェット過ぎではあったけど。
川口:これで声優が全員入れ替わったわけだ。
木暮:本当にそうなんだな。それでもまだまだ『ルパン三世』はつづく。
川口:アニメの強みだね。
木暮:モンキー・パンチも亡くなったのに、それでも登場人物たちが生き続けるって、どんな感覚なんだろう?
川口:おれたちが死んでもまだ『ルパン三世』がつづいているのかどうか、それも気になってきた。
木暮:それっていったい「パートいくつ」なんだよ?
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