見出し画像

『続・男はつらいよ』と『ルパン三世』6-1「シャーロック・ホームズ登場」/世文見聞録2

今週も川口世文と木暮林太郎が、彼らの大好物の「ビッグストーリー」である『男はつらいよ』シリーズと『ルパン三世シリーズ』について語ります。

○『続・男はつらいよ』(前半部)

木暮林太郎:「続」がタイトルにつくだけで懐かしいな。

川口世文:今なら「2」になるんだろうけど、『男はつらいよ』シリーズには向かない。

木暮:ネクタイからダボシャツに代わって、スタイルも完成したな。途中でちょっと違う上着も着ていたけど。

川口:夢からはじまるのもそうだよ。この夢に出てくる寅さんの「母親」が完全にミスディレクションなんだ。

木暮:そうそう、それが気になって結局、寅さんが柴又を去ったあともずっと観ちゃったよ。「母親」に会いに行くところまで……あれもまあ、納得できるオチだった。

川口:「母親」は確かもう一回ぐらい出てくるんだよ。そもそも今回は「とらや」を出ていくのが早すぎたな。一年ぶりに帰ってきたのに、満男の顔を確認すると「旅に行かせてくれ」ってあっさり出ていっちゃった。

木暮:だけど、そこからの疾走感はかなりよかった。昔の恩師とその娘のマドンナと再会して、いいもの食べ過ぎて胃痙攣《けいれん》を起こして入院して、脱走して無銭飲食で捕まって……どこまでやるんだって感じ。

川口:山崎努の医者が出てきて寅さんに「おまえ、さしずめインテリだな?」という有名なセリフをいわれる。

木暮:ああ、あれがそうなんだ。それより盲腸の手術をしたばかりの財津一郎が気になってしょうがなかった。笑っちゃいけない患者なのに悶絶させられてさ……あれはかなり毒のあるギャグだった。

川口:そんなこんなで警察でさくらを泣かせて──今回も「一ヶ月後」になる。これも前回と同じ構成だ。

木暮:でも、今回はマドンナが「母親」探しを手伝う。それで二人の心が接近するのかと思いきや、それは一人合点で、実はあの入院のせいで医者とマドンナがくっついていた展開もいい。寅さんに対する「被害者意識」がきっかけになったわけだろう? 実にうまい脚本だな。

○『ルパン三世パート6』第2話

画像1

川口:ようやく「パート6」の本編に入ったみたいだ。今回も連続する話と単独の話を組み合わせるんだろう。

木暮:第2話だけだと「ホームズ三世」って感じだな。

川口:あっちは「三世」じゃないんじゃないか?

木暮:それより、アルベールって誰?

川口:「パート5」に出てきた昔のルパンの相棒。かつて彼と「三世」の座を争って、今はフランス警察にいる。

木暮:ルパンを追う側にいるのか? そいつがいきなりホームズに捕まえられるところからはじまるわけ?

川口:どうなのかな? 話のきっかけは作ってるけど。

木暮:ルパンのライバルを登場させるっていうのが最近のトレンドなのか?

川口:そういわれるとそうかもしれない。だけど、前回のアルベールに比べると、ホームズは善人すぎるというか、「主役」すぎているかも。ルパンにかこつけて本当はホームズを描きたいんじゃないの?──っていう感じ。

木暮:現時点では、ルパンは話の本筋に絡んできてはいない。狂言回しというか、やたらとカーチェイスをして画面のにぎやかしになっているだけだ。だけど、どうせあの女の子を巡って、どんどん接近してくるんだろ?

川口:それは間違いない。しかし、あのリリーって女の子が今回のシリーズのヒロインなのかな? シリーズを重ねるごとに、どんどんヒロインが幼くなっていくな。

木暮:どうせあれはルパンの“隠し子”だろ?

川口:え?──そうなのか?

木暮:違うのか? そういうのが最近のトレンドなのかと思っていたけど。

川口:……確かに、○○○にも娘がいる時代だから。

木暮:ホームズの娘ではなさそうだから。絶対に彼女が「ルパン四世」なんだ。アルベールが「三世」に絡む存在だったなら、今回は「四世」を巡る話になるんだよ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?