見出し画像

SDSノート_09ギフトプロジェクト 東京2021「アーティストトーク2」

こんにちは。ソーシャルダイブ・スタディーズ(以下 SDS)、コーディネーターの工藤大貴です。前回までのSDSについては下記をご覧ください▼
第9回レクチャーとなる7月21日(水)は、東京ビエンナーレ参加アーティストのダフナ・タルモンさんをゲストに迎え、アーティストトークをおこないました。

画像1

▲ダフナさんとはオンラインでつなぎました

東京を訪れることが叶わなかったダフナさん、イスラエルからオンラインでご登壇いただきました。自身の所有物で不要になったものをラッピングし、道ゆくひとへギフトする取り組みなどをお話しくださいました。

東京ビエンナーレでは、上野松坂屋の一角にギフトコーナーを誕生させています。作家のダフナさんはイスラエルにいますが、ぜひ上野でその思いを感じてみてください。

今回も、SDS第9回レクチャーを聴講されたメンバーにその様子をレポートしてもらいます。それではぜひご覧ください▼


***

どうもこんにちは!SDSメンバーの赤星りきと申します。この春に上京して大学院では「表現活動を通じた出会い・交流の場の創出」を目指してアートプロジェクト的活動に取り組んでいます。社会にダイブしたい!いろんな人とつながりたい!という思いで参加しました。

ソーシャルダイブ・プロジェクト作家のダフナ・タルモンさんはイスラエル出身の女性作家で、作品のギフト・プロジェクトは要らなくなった物を人々から回収し、それを梱包してプレゼントとして別の人々へ渡し返すというものです。

講演はオンライン画面越しかつ翻訳を介しましたがダフナさんはとっても溌剌した人で、お話を聞くだけで私もエネルギーをもらえて制作意欲が湧いてきました。

画像2

今回はダフナさんの作品と人生がどのように紐づいているのかを注目して聴き、その中で興味深かったことと印象に残っていることについて書こうと思います。

ダフナさんは作品について、アメリカ式の消費文化の批判だとステートメントで述べていますが、作家としての人生は愛犬を失うという体験から始まりました。

お話のなかで最も印象深く感じたのは、制作したインスタレーションのなかから作品のテーマ性やモチーフを発見するという内容の言葉でした。私も作品のコンセプトやテーマは制作中もしくは出来上がった成果物を通して見つけることが少なくないので、強く共感を持ちました。

画像3

また、対消費社会をモチーフにしつつも大切な存在を失うという個人の原体験が創作活動が始まるきっかけとなっていたことにも当事者としての切実さを感じます。強い体験が原動力となって形となり、その後に言語化されるというプロセスもあるということを、ダフナさんのお話は指し示しているように思います。

もちろんこれと同じ方法をそのままプロジェクトにあてはめることはできませんが、「計画」や「目標」、「前進」に縛られ過ぎないオープンエンドな取り組み方も大切だと感じます。

講演終了後にはギフト・プロジェクトに参加するためのメッセージカードをスタッフから早速もらい、「ギフト」をアーツ千代田3331の回収ボックスへ入れてきました。

今回はダフナさん本人が来日できないままの企画になりましたが、次の機会には「Gift Car Tour」を日本やアジアで始めることを楽しみにしています。

第9回レクチャーの記録はここまでとなります。それでは、またSDSノートにてお会いしましょう。

画像4


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?