介護事業者のデジタル化・大規模化は幸せを生むのか?
東京のカフェで朝活!
本日はNEWSシェア会ということで介護関係の記事を色々読んでいました。
その中で気になった記事はこの4つです。
介護業界は人手不足が加速中
まず、一番ショッキングなニュースが介護就労者の減少です。
厚生労働省の分析によると2022年は離職した人が新たに働き始めた人を上回り、就労者が前年より1.6%(実数6万3000人)減ったそうです。
ショッキングではありますが、世間が賃上げ加速する中、介護業界は賃上げが進まなかったので、当然の結果ともいえます。
一応、最低賃金が41円上昇したのに伴い、月6,000円の賃上げが可能になるよう処遇改善を改善する予定と報道されていましたので、少しは良くなると思います。
この6,000円は何を根拠にこの金額を妥当と思ったのかと騒がれていますが
おそらくは 41円 × 8h × 20日 = 6,560円
つまりはフルタイムで勤務している場合、今回の最低賃金上昇により6,560円ほど賃金が上がる見込みの為、それに合わせたんだろうと思います。ちょっと足りないじゃないかと思いますが、介護保険よろしく1割は事業者負担という事なのかもしれません。
この金額じゃ足りない!と叫ばれていますが、私個人としては、あくまで最低賃金上昇により格差が広がったために行った「緊急対応」と考えていますので、今後の改定に期待したいところです。
政府の今後の対応は「大規模化」「デジタル化」
今後の改定に期待したいと書いたばかりですが、さっそく暗雲が立ち込めてきています。
それが、政府が進める介護事業者の「大規模化」「デジタル化」です。
10月23日の記事で、『河野氏は事業者に支払う介護報酬の2024年度の改定に関し「デジタル技術の導入をかなり強力に後押しする改定となるよう対応する」と説明』という記事が出ていましたが、これまでの経緯からすると、「デジタル技術を導入しない介護事業者に対しては介護報酬は増やさないのでは?」と勘ぐってしまいます。
さらには人員配置基準の緩和も検討するそうです。
因みに、人員配置基準というのは介護施設などを運営する場合、お客様1人に対し、何名の介護職員を配置しなさいと定められた基準の事です。
老人ホームは通常1:3以上、つまりはお客様1名に対し、3名の介護職員が最低限必要となります。
これをもっと介護職が少なくても良いようにするという意味です。
これらのニュース記事を並べてみると分かりますが、政府はこう言っているようです。
なお、これらの事を現実的にやろうとした場合、中小規模の施設では対応が難しいのが実情です。
そして、支援する側も大変なので、『介護事業者は統合&大規模化してください』となる訳です。
大規模化もデジタル化も全くメリットがない訳ではありません。
ですが、個人的な意見で言えば、これからもきっと全体的には良い流れにならないだろうと思います。
大規模化すると責任感が保てなくなる
大規模化のデメリットは、なんといっても責任感が持ち辛くなることです。
目の前に困りごとがある。
例えば、設備が故障した。お客様が困っている。
こういう事をやりたい、ああいう事をやりたい。
しかし、現場に権限がない為、出来ない。
大規模化するとこういう事が起こります。
そんなことはない。
権限はしっかり持たせてあるという企業もいると思います。
しかし、そういうところであっても、ほぼほぼ確実に訪れるのが転勤です。
いつかはいなくなるかもしれないと思うとモチベーションは保ち辛いです。
モチベーションが保てたとしても、今自分がいる時だけ良ければという考えになる可能性もあります。
介護事業というのは非常に責任が重大なお仕事です。
その中で、「どうせいつかはここを去るし」という想いが生まれやすくなる。
これはあまり良くない事でしょう。
デジタル化が過ぎると進学校になる
デジタル化に対しては賛否両論あるかもしれませんが、突き進んだ先には「行き過ぎた自立支援」が待っている気がします。
介護は勘と経験に頼ったところがある。
そうではなく、様々なデータを分析し、科学的に介護しようというのが昨今の流れにあります。
一見聞こえは良いですが、それが進んだ先にはデータの奴隷となって動かされるお客様の姿が見えます。
「これまで蓄積したデータが正しい。だから、あなたもこうしてください」
これが若者向けの学校教育ならば良いんですが、「老い」というのは基本的には成長とは真逆の方向へ進んでいきます。
ましてや、そろそろゆっくりさせてくれよと思っている人達に、無理やり目標を定め、その目標に従い行動させるのは如何なものかと私は思います。
私としては、「我が家」が変わるだけなのだから、ゆっくりさせてほしいと思います。
これらはあくまで個人的な見解ですが、段々と自分が進めたい方向性が見えてきたように思えます。
有意義な時間になりました。
ありがとうございます。
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