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ハンマースホイ『背を向けた若い女性のいる室内』〜なぜ女性は向こう側を向いているのか

女性が大皿を持ち、向こうを向いている姿が描かれており、落ち着いたグレーブルーの色調、丁寧に配置された構図、そして光の扱いに対する細やかな配慮。これらの要素が組み合わさることで、穏やかで瞑想的な雰囲気が創り出されています。この作品は、静けさと内省を誘う空間を見事に表現しています。

ヴィルヘルム・ハンマースホイ『背を向けた若い女性のいる室内』1903–04年 ランダース美術館所蔵

描いたヴィルヘルム・ハンマースホイ(1864年-1916年)はデンマークの画家で、そのほとんどを故郷デンマークで過ごし、多岐にわたる主題を扱いましたが、特に室内画でその名を馳せます。

ハンマースホイと描かれているイーダ・イルステズの関係は、アートにおいても個人的な生活においても重要な要素でした。二人は結婚し、イーダはハンマースホイの作品において中心的なモデルとなりました。彼女の姿は彼の室内画に繰り返し登場し、その背後からの姿や半身像はハンマースホイ作品の象徴的なイメージとなりました。

ハンマースホイ夫妻はコペンハーゲンのストランゲーゼ30番地に居住し、このアパートでの生活は彼の芸術活動に大きな影響を与えました。その後引っ越し、彼の生涯の最後の数年間は、ほぼ向かいにあるストランゲーゼ25番地で過ごしました。どちらも、彼の室内風景画における重要な背景として描かれており、穏やかな色調と光の操り方が特徴的で、静謐な雰囲気を演出しています。彼は140〜50の室内画を描きましたが、実に約60点がこのストランゲーゼで描かれました。

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