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展覧会の雑記帳(2023.1月振り返り)江口寿史展/永井博展/マリークワント/星野道夫展

忘れてしまうので、思ったことをまとめときます。

江口寿史展@千葉県美

ご存知ストップひばりくんで知られる漫画からジャケットやイラストも手がける売れっ子のイラストレーター江口寿史の文字通り画業を振り返る大回顧展。初期から最近まで網羅してました。かわいい女の子で知られる江口寿史ですが、個人的な感想としては、スナップショット的な構えないイラストが気に入りました。本人もリアルな女性像で付き合いたい女の子を描いてるのだとか。。

千葉での回顧展は終了してますが、いま村上隆主宰のkaikaikikiで2/7までno matterという江口寿史の下絵をkaikaikikiのアーティストが仕上げるという展覧会をやってます。
https://gallery-kaikaikiki.com

永井博展@銀座 蔦屋書店

個人的に銀座からほど近い職場なので、よくGINZA SIXはよく立ち寄ります。A LONG VACATIONのジャケットイラストで知られる永井博の個展。ここ2、3年でシティポップが復活しているようですが、それに伴い永井博、鈴木英人なんかもリバイバルしました。初のベスト版作品集『THE JOURNEY BEGINS』刊行を記念した展覧会ですが、キャンバスの上のアクリルで描いた原画だったりが並びます。CDでは気づかなかった筆跡の後などがリアルに見れました。

マリークワント@bunkamura MUSEUM

化粧品で知られるマリークワントのファションデザイナーとしてのデビューから活動を俯瞰する個展。ミニスカートを作り出し、世に広めた功労者だったりします。去年やっていたガブリエルシャネルとかぶるところがあって、世界対戦で男性が戦地に赴くとタイミングでの女性の社会進出。マリーの場合はそれがスインギングロンドンという映画、音楽、ファッションなど若者文化の旗手的なアイコンだったようです。会場にもストーンズの写真も飾られており、60年代のかっこよさ、古いけど、古くない。センスのよさが感じられました。あとシャネルとかぶるところは経営マネージメント能力。シャネルとマリークワント双方が現代にまでブランドとして残っているのにはそのマネージメント能力のおかげなのかなと思いました。

星野道夫展@写美

いきたいと思っていて、やっと最終週の金曜日のナイトミュージアムに滑り込んできた展覧会。ちなみに写美の夜間は木曜日もやっているのでオススメです。さて、展覧会の方に話を戻すと、星野道夫というアラスカを中心にシベリアなど北の自然、動物、そして原住民などをファインダーに収めた自然写真家の星野道夫の回顧展。学生の時に感銘を受け、写真家を目指すきっかけとなったアラスカという本。そして、エスキモーの村長宛にホームステイしたいから受け入れてくれる家族をさがす手紙、村長からの受け入れてもいいよという書簡から展覧会は始まります。42歳の時にヒグマに襲われ志し半ばで亡くなってしまったという話を知っていたので、それをふまえ会場をまわりましたが、はじめのころのグリズリーの親子の愛らしい写真が展示されていて星野道夫の最期を考えたら感慨深かったです。途中で狼にカメラを奪われた話の手記がスリリングでおもしろかったですし、写真の方も、なかなか動物の愛らしさ、かわいいリスでさえも生きるためにハンティングされてしまう自然の厳しさ、被写体としての自然の美しさ。厳しい自然の中で生きる人間たち、それぞれに美しく撮られていました。どの季節が好きですか?とのインタビュアの問いに対してもさんざん迷ったあげくやはり冬って答えるっていっていたのも、いくら厳しくてもアラスカの魅力はやはり冬がなんだなと思いました。

あと、オーバーラップしたのは、さだまさしの極光という曲。オーロラに魅せられて、脱サラ後に写真家になって、不慮の事故でなくなってしまった阿岸充穂を思い出しました。

はじめから最期まで完結している展覧会はなにか伝記を一冊読み終わったような達成感がある展覧会でした。

皆さまのお気持ちは、チケット代、図録代とさせていただきます。