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ダリ『記憶の持続』〜「溶けた時計」は、どこからやってきたのか

『記憶の持続』は、1931年にサルバドール・ダリが描いた絵で、シュルレアリズム運動を代表する作品の一つ。特徴的な「溶けた時計」のイメージで広く認識されており、時には「柔らかい時計」や「溶ける時計」という言葉で表現されることもあります。

油絵サルバドルダリの写し

この絵は、もともとポルト・リガト湾を描いた風景画で、「溶けた時計」はこの後に描き加えられました。

ある晩、友人たちを自宅に招き食事をし、そのあとガラは彼らと外出した。自分は家でひとり、皿の上に残されたカマンベールチーズの「超柔らかさ」について考えていた。そして寝る前にアトリエの小さな風景画を確認し、明かりを消した瞬間に「見えた」のである・・・。
それがこの柔らかい時計で、彼は頭に浮かんだイメージのとおりに、その風景画に時計を描き足しはじめ、2時間後にガラが戻った時には完成していた。

ダリの自伝より

ガラが「この絵をみたら二度と忘れないわ」と言ったことから《記憶の固執》のタイトルがつけられます。

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