#003 お元気じゃない

おとうさんとおかあさんは
その子が『その子らしくいきてくれればいい』と思うことにしました。

その子は(なんだそれは。)と思いましたが、口を慎みました。

そして、微笑んで『ありがとう。』といいました。

頭ごなしに否定されなかっただけマシと思うことにしました。

その子は、ひねくれているところがあって、
『自分らしく』とか
『その人らしく』とか
『個性』とか
『普通』とか
『みんな』とか
全部、ぜーーーんぶ大嫌いでした。

しょせん口だけだからです。

あるロックバンドの曲で『君らしくなくても君は君なんだ』と歌った部分を聞いて、とても救われたのです。

(そとは明るくなりました。
筆者は2時半に目が覚めてしまい、新聞を見に行ったらありませんでした。)


そして、その子はしばらくたってから『お元気ですか?』も大嫌いになりました。

お元気なわけがないからです。

つづく。