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【Last Season Essay 2023 #4】RB#95 伊佐治蓮

自分はWARRIORSの一員になるために東大に入学した。
都立戸山高校でアメフト部出身の自分は、先輩や友人からの熱心な勧誘を受けて入部する人が多いなかで、自らから入部を志願したかなりの少数派だ。

WARRIORSという存在を知ったのは、高校2年生の春だった。戸山高校アメフト部のOBで当時WARRIORSの主将をしていた楊先輩の誘いで東大との合同練習をすることになったのがきっかけだ。初めは合同練習に全く乗り気ではなかったものの、そんな考えは一瞬で覆された。先輩たちの練習に対する取り組み方、素晴らしい施設、何よりも学生日本一という目標はとても魅力的で、自分も仲間になりたいと強く憧れた。ただそのためにはまずは東大に合格する必要があることに気づいた。高校時代もアメフトづけでほとんど勉強ができなかったので、全く合格できるような位置にはいなかったが、WARRIORSに入りたいという思いを胸に部活の引退後必死に勉強してなんとか合格を掴みとることができた。

前途洋洋たるWARRIORS生活のスタートを切るはずだったが、そこに訪れたのがコロナ禍だった。大学にも入れずグラウンドにも入れず、それどころか先輩や同期にも会えず、ひたすら先輩方が企画してくれたオンライン筋トレをする毎日だった。ようやく7月末に待ちに待った御殿下での練習に参加できたときの喜びは今でも忘れられない。
同期も少しずつ増えて、コロナ禍で行動が制限されていたが、一緒にいられることが嬉しかった。例年のように熱心な新歓がなかったのにもかかわらず、入部した同期は貴重な存在だ。出会えたことに感謝しかない。

現役生活が残りわずかになるなか、こうして高校時代ずっと憧れていたWARRIORSで大切な仲間たちとともにプレーできていることは当たり前ではなくてとてもありがたいことなのだと日々実感する。
敵を必死にブロックしてくれるオフェンスの仲間や、サイドラインで伊佐治さんなら行ける、と声をかけてくれる後輩たちに応えるためにも自分が1ヤードでも前にゲインしてチームを勝たせる。今、WARRIORSでプレーできている喜びを忘れずに最後まで悔いのないように全力で戦い抜きたい。最高の仲間たちと笑顔でラストを飾りたい。(RB#95 伊佐治蓮)

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