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【Last Season Essay 2023 #7】WR#4 吉田燎平

「お前って全部中途半端だよな」高3の4月に友達に言われた何気ない一言(悪口すぎるとも思うが)を今でも鮮明に覚えています。高3になってみんなが受験勉強を始める中、自分は野球に没頭していました。正確には野球に集中している、ということを勉強をしない言い訳にしていたのかもしれないです。そんなどっちつかずな自分にモヤモヤ感を抱えていました。そのため冒頭の一言は僕にとって非常に刺さる言葉でした。大好きな野球を言い訳にして自分の弱さに向き合っていないことを見透かされている気がしたからです。そして自分の弱さに向き合うきっかけにもなりました。「そんなことないやろ笑」と受け流しながら、心の中では野球も勉強もやりきって見返してやろうと誓ったのを覚えています。野球では一回戦敗退と結果は残せませんでしたが、東大にはギリギリで合格することができました。それは一つの事に本気で熱中してやりきった初めての経験でした。
東大入学してからも、何かに本気で熱中したいという思いから、日本一を目指しているアメフト部に入りました。
東大アメフト部では再び自分の弱さと向き合う事になりました。定量化しづらいからこそ、アメフトが上手くなるには自分をよく知る必要があります。何で試合に出れないのか、何で活躍できないのか、自分と向き合い、日々の練習で出来ないことに挑戦しなければいけません。
アメフトを通じて、自分の弱さを見つめ続けることのしんどさや重要さ、そして仲間にそれを開示する勇気を学び、少しは出来るようになってきたという実感もあります。
しかし、日本一になるという基準ではまだまだ足りていなかったというのを早稲田戦の敗戦で痛感しました。そしてこのことを日本一が無くなって初めて気づいたことに対して虚しさを感じています。しかし今ここで後悔した所で結果は変わらないし、後悔なんて引退してから死ぬほどすると思います。だからこそ今は次の慶應戦に向けて毎日上手くなることだけを考えています。今年の東大は弱い、ほとんどの人がそう思っていると思います。そんな中で自分達を信じて応援してくれる人の存在はとてもありがたいです。だからこそ2週間後の慶應戦は勝ちます。そして頼もしい同期後輩、お世話になった先輩、応援してくださる方々とその喜びを分かち合います。そのために自分が持てるすべてのリソースをアメフトに注ぎます。それが今自分ができる唯一のことであり、それが自分の覚悟です。「何をやるかではなく、どこまでやるか」そこにゴールはないですが、昨日の自分を超えられるように日々努力していきます。横浜クライマックスで2連勝した時の景色を考えるとドキドキします。楽しみで仕方がないです。みんなでその景色を見にいきましょう!(WR#4 吉田燎平)

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