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Recruit Blog-WARRIROS2021MGR藤田実優

Mar 22, 2020-by東京大学運動会アメリカンフットボール部


今このブログを読んでいるのはどんな人なのだろうか。大学に入って、周囲の環境が変わって、急に多くの選択肢を与えられて。自分にとってベストな選択肢は何なのか、思い悩んでいる人も多いと思う。2年前の私もその一人だった。
中高は文化部で週1の部活に行って、もちろん部活は楽しかったけど、大学でもそんな風になんとなく過ごすのかな。私が打ち込めるものってなんなんだろう、そもそも東大に入った意味って何…?と考えていくうちに、私は本当にやりたいことがないことに気付かされた。
そんなときに迎えたテント列。運動会のどの部活にも、私の想像をはるかに超える仕事をしているスタッフがいて、みんなキラキラした目で仕事の楽しさややりがいを私に伝える。そこから運動部の新歓イベントに行くようになり、毎回新たな魅力に気付かされた。運動神経の悪い私は一生関わることができないと感じていた、全員で一丸となって勝利を目指すチームへの憧れ。新歓してくださった先輩の生き生きとした表情。4月の中旬には入部を決めていた。
実際部活が始まってみると、先輩に教えてもらう仕事を覚えるのに精一杯。試合でチームが勝つことはもちろん嬉しいけど、自分がその勝利に貢献できていると胸を張って言うことができない。
そんな私にとっての転機は2年生の夏だった。
初めて準備や運営を任された夏合宿。200人を超えるチームで、全員の動きを考えて全員に指示を出す。自分が少しでもミスをすればチーム全体にとっては大きな不利益となってしまう恐怖感。毎日やり忘れていることがあるのでは、という不安に駆られ準備段階を一からチェックする。それまで先輩の指導のもと、受動的に言われた仕事だけをこなしていた私にとって、やるべきことはないか?次何をすべきか?を考えて自ら動かなければならないことに、今までに味わったことのないプレッシャーを感じていた。とにかく全力で挑み続けた夏合宿がなんとか終わり、最初に感じたのは安心。数日経って、心に穴が空いたような感覚。達成感と同時に、自分はこんなに合宿のことばっかり考えて過ごしていたんだな、と思わされた。入部から1年が経ってしまったけれど、自分が大学生活で本気で打ち込みたいもの、自分を成長させてくれるものがこのチームにはあることがわかった。
はたから見れば、たかが大学の部活、たかが5日間の合宿、かもしれない。けれど私にとって合宿は、チームが一つになってアメフトだけに集中できる年に2度の貴重な時間で、スポーツ推薦のない東大だからこそ、普段は勉強やバイトに追われてしまう東大生だからこそ、細部までこだわり質を高める価値がある。楽なことばかりではないけれど、日本一の合宿を作り上げたい。そして合宿から始まるシーズンがチーム全員にとってより良いものになってほしい。そう思うようになってからの秋シーズンは初めて当事者意識のようなものが持てた。自分がフィールドに立つことはできないけど、一つひとつのプレーに鳥肌が立って、心の底から1勝が嬉しいし1敗が悔しい。チームの勝利のために普段からもっと良い練習環境を作ろうという気持ちが強くなった。
同時に、周囲の環境が最高に恵まれていることに気付くこともできた。困ったときに一番に助けてくれるマネージャー。この人たちと日本一を目指したいと思わせてくれる同期。頼りにしてくれる他パートのスタッフや選手。同じ熱量でサポートしてくださる大人の方、保護者の方、OB・OGの方。当たり前に思ってしまうけれど、こんな最高の環境で4年間を過ごせることは珍しいことだ。まだ2年しか携わっていないのに、このチームで多くの感情、成長、仲間を得ることができた。今年、そして来年はさらに新たな景色を見ることができるのだろう。毎日の活動が、今後のチーム、そして自分への期待を膨らませる。だからこそ私は胸を張って、新入生にこのチームを勧めることができる。きっと大学生活において、なくてはならないものはそう多くない。むしろ一つ、4年間打ち込みたいものを見つければ十分だ。
今このブログを読んでいる新入生の前には、たくさんの選択肢があるのだろう。人生で最後の自由な4年間を捧げたいと思えるものを選んでほしい。どうせなら、東大生じゃないと、あなたじゃないと、できないことに挑戦してみてほしい。
私にとっては、それがWARRIORSだった。

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