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東大生おすすめのBritish Rock!【リレーブログ2023 #10】MKG 浜地俊輔

こんにちは、曽原さんからバトンをいただきました。マーケティングスタッフ新3年の浜地俊輔です。

僕は中学生のころから親の影響で昔の洋楽が好きです。最近は音楽配信サービスの普及により、好きな曲をつまみ取って聴く方も多いかと思いますが、僕はアルバムを通して聴くことが多いです。特に昔の海外アーティストは、コンセプトアルバムといって、一枚を通して明確にテーマや物語を設定したアルバムを制作しているため、それを意識して聴いてみると、より一層曲を楽しむことができます。
ということで、今回はみなさんに僕の好きなコンセプトアルバムを厳選して3枚、アーティストの紹介なども交えてご紹介します!

Sgt. Lonely Hearts Club Band (1967) - The Beatles

Sgt. Lonely Hearts Club Band

まずはこちら、コンセプトアルバムの原点にして、ロックの金字塔と評される“Sgt. Lonely Hearts Club Band” (サージェントペパーズロンリーハーツクラブバンドと読みます。訳すと「ペパー軍曹の独り者倶楽部バンド」、意味わからん。)です。
作ったのは言わずと知れた伝説のバンドThe Beatles。The Beatlesと聞くと“Let It Be”や“Help”など聞き馴染みの多い曲を思い浮かべるかもしれませんが、このアルバムはメンバーが薬物でキマりまくりながら作ったため、どれも奇想天外というか、聴くと摩訶不思議な印象を受けます。
このアルバムの最大の特徴は、アルバム全体がThe Beatlesではなく架空のバンド“Sgt. Lonely Hearts Club Band” のライブのていで構成されていることです。一曲目では会場の音と観客のざわめきが聞こえたのち、司会が挨拶してバンドが登場。その後はバンドのライブ演奏が続き、12曲目でバンドが拍手喝采の中観客に挨拶をし、最後の曲でアンコールを演奏して幕を閉じる…という、The Beatlesが架空のバンドになりきったライブ、を想定して作られたアルバムになっています。摩訶不思議な曲目ももちろんですが、全体を通してライブになっていると意識して聞いてみるとアルバムを作品としてより一層楽しめます!
King gnuの最新アルバム“Celemony”も似たような構成ですが、源流は間違いなくこれですね。

Outside (1995) - David Bowie

Outside

2枚目はDavid Bowieの“Outside”です。David Bowieはイギリス出身のソロアーティストで、イギリスの世界的なレジェンドです。俳優としても活躍し、日本ではビートたけしや坂本龍一と共演した「戦場のメリークリスマス」で有名です。彼はキャリアの中で多くのコンセプトアルバムを製作していましたが、その中でも僕の一番のお気に入りということで今作を選びました。
Outsideは前提として「ネイサンアドラーの日記」という短編小説(Bowie作)がモチーフになっています。あらすじとしては、14歳の少女ベイビー・グレースがバラバラにされて飾られるという猟奇殺人事件を芸術犯罪専門の探偵ネイサン・アドラーが捜査するというものです。…なんというかおどろおどろしいというか偏屈というか…でも僕はこの手の話が好きなのでハマってしまいました(笑)。
上記の小説がベースにあるため、アルバム自体も陰鬱な雰囲気が漂っています。ベースの設定だけではなく、すべての曲が小説の登場人物によって歌われるていになっていたり、アルバム中にところどころ「セグエ」と呼ばれる、登場人物の語り(これもBowie本人が演技をし、声に加工を施しています。)が入れられていたりと、アルバム内にもストーリー性が盛り込まれています。小説や歌詞和訳を読みながら聴くことで、ダークな世界観も退屈せず楽しめます。

The Wall (1979) - Pink Floyd

The Wall

3枚目はPink Floydの“The Wall”です。Pink Floydは、従来のロックに比べてより演奏・芸術志向であるプログレッシブロック(通称プログレ)の代表的なバンドで、10分, 20分を超える曲やさまざまなコンセプトアルバムなどを世に残しています。
“The Wall”のコンセプトは「ロック・スターと思われる主人公ピンクの人生がストーリー形式で進行していき、そこから人間心理を描き出す」(引用:Wikipedia)ことにあります。第2次世界大戦で父親が戦死すると同時に生まれたピンクは母親からの束縛とも取れる愛情の中で育ち、徐々に学校教育や社会からの抑圧・疎外感を感じるようになり、心の壁を築き上げていく…というものです。このストーリーはバンドの中核を担うベーシストの“Roger Waters”が自身を投影して作り上げたもので、アルバム全体は大きく2部に構成されています。めちゃくちゃざっくりと説明すると、第1部ではピンクが誕生し成長する過程で「壁」が築き上げられるまでが、第2部では「壁」の完成により完全に外界から隔絶されたピンクが最終的に「壁」を取り払うまでが描かれています。物語をコンセプトとしている点は2枚目の“Outside”と同じですが、大きく異なるのは、今作では作中で物語が進んでいくことです。各曲が登場人物のセリフとなり、メドレーとなってストーリーが展開していくため、まさにミュージカルを観ているかのようにアルバムを聴くことができます。ぜひインターネット等で詳しいあらすじや歌詞を調べた上でお聴きください!
ちなみに、ライブでは、「壁」に併せて実際にステージの前方に大きな壁を構築してバンドと観客とを隔絶するという驚くべきパフォーマンスを披露しています。

ライブの様子

コンセプトアルバムの紹介は以上となります!少々長くなってしまいましたが、コンセプトアルバムは曲単体で聴くのとは違った楽しみ方ができるので、このブログを読んで少しでも興味を持っていただけると嬉しいです。

最後になりますが、リレーブログのバトンは、かねてより露出を希望されていた我らが副将、新4年DL髙野修さんにお渡ししたいと思います。(3年 MKG 浜地俊輔)

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