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初心者のためのアメフトガイド

Mar 13, 2020-by東京大学運動会アメリカンフットボール部


みなさんこんにちは!
「アメフトって、名前は聞いたことはあるけどルールが難しそう…」「試合を見てみても、どこに注目していいかわからない…」 そんなみなさんのために、アメフトのルールを簡単にご紹介します!また、実際にプレーする選手や、プレーを一番近くで見ているスタッフに、注目ポイントなどを聞いてきました!
☆アメフトのルール きほんのき
アメフトは、いうなれば陣取りゲーム。相手の陣地の一番深いところ(エンドゾーン)にボールを運べば点数が入ります。アメフトのルールにおいて、最も基本となるのは、「4回の攻撃権のうちに10yd進む」こと。オフェンス側にはまず4回の攻撃権が与えられ、4回の攻撃中に10yd進むことができれば、新たにまた4回の攻撃権が与えられます。反対に、4回の攻撃で10yd進むことができなければ、攻撃権はディフェンス側のチームに移ってしまいます。野球における3アウトが、アメフトでは4アウトになっていると考えると、わかりやすいかもしれません。攻撃権を更新しながら相手のエンドゾーンまで運べると「タッチダウン」となり、6点が加算されます。
☆どんなポジションに分かれているの?
アメフトのチームはオフェンス、ディフェンス、スペシャルチームの3つのユニットからなり、8つのポジションが存在します。それぞれのポジションの専門性が高いのが特徴で、練習の内容もポジションによって大きく異なります。それぞれのポジションの詳しい役割は、WARRIORS BLOG内の「ポジション紹介」をご覧ください!

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☆試合の流れは?

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①最初の攻撃。1回目なので1st down。
②4回の攻撃、つまり4th downまでに、10yd以上(約9メートル)前進すると、再び1st downとなる! しかし、4回で10yd以上進めないと攻守交代となってしまう。
③そして、1st downの獲得を繰り返し、見事相手のエンドゾーンにボールを持ち込むと、TD(タッチダウン)!6点をGET!
④TDを狙わずに直接キックでゴールを狙う。 FG(フィールドゴール)は3点が入る。
⑤TDの後にはキックを蹴ってゴールに入れ1点を獲得するか、もう一度TDして2点を狙うかを選択できる。
⑥TDかFGで得点すると、攻守交代となる。
☆ランプレーとパスプレーって?
ランプレー…ランニングバックを中心とする選手たちがクォーターバックからボールを受け取り、ディフェンスをかわしながら前進を試みます。ボールを持たない選手はディフェンスをブロックしながら、ボールを持つ選手の走路を確保します。ボールを持って走る選手がディフェンスに止められた地点から次の攻撃が始まります。
パスプレー…ワイドレシーバーを中心とするレシーバーに向かってクォーターバックがボールを投げます。パスをキャッチした選手がディフェンスに止められた時点で一度プレーが止まり、その地点から次のプレーが始まります。反対にパスが通らなかった場合は、そのプレーが始まった地点からもう一度次の攻撃が始まることになります。
パスプレーの方がボールを長い距離運ぶことはできますが、空中でボールが一度自由になる分リスクが高いとも言えます。その点でランプレーは確実にボールを運べるという利点はありますが、長い距離を運ぶのは難しくなります。場面によってどのプレーを選択するかがそのチームの戦術の要でもあり、注目ポイントです。
☆反則がわからない!
アメフトのルールで厄介なのが反則。アメフトにはさまざまな反則がありますが、ペナルティーは「罰退」、つまり自チームの前線を後ろに下げられてしまうことが基本になります。しかし、アメフトにおける特徴は、相手チームに罰退を与えるか与えないかを、選択できること。罰退によって得る陣地より、ペナルティをされながら獲得した陣地が大きい場合は罰退を与えない、ということもありうるのです。反則の種類は多岐にわたりますが、反則が起こったとき、審判から黄色い旗がフィールドに投げ入れられます。黄色い旗が投げ入れられたときは、なんの反則なんだろう?と気にしながら見ていくと、覚えられるかもしれません。
☆1プレーが終わると毎回集まっているのは何?
アメフトでは、1プレーが終わるとオフェンス、ディフェンスともに選手が集まって作戦会議を行い、これをHuddle(ハドル)と呼んでいます。チーム内であらかじめ決められたさまざまなプレーのパターンの中から、どのプレーを実行するのかがこのHuddleで話し合われるため、試合の中でも重要な時間です。選手同士が激しくぶつかり合う激しいスポーツながら、システマティックな動きが求められるアメフトならではの時間ともいえるでしょう。
続いて、選手とスタッフのみなさんへのインタビューをお送りします!
【OL 内藤南岬 × DB 横川達月】

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Q1. ご自身のポジションはどんなポジションか教えてください。
内藤さん:オフェンシブライン(OL)は全ポジションのなかで一番体が大きいポジションで、目立ちにくいけれどOLの強さがチームの強さを左右するともいわれるポジションです。試合では、ブロッキングによってディフェンスを押し上げてランニングバック(RB)の走路をつくることと、パスプレーの際にパスの相手を探す自チームのクォーターバック(QB)を相手のディフェンスから守ることです。大変なポジションではありますが、だからこそ自分のポジションに誇りをもって取り組んでいます。
横川さん:ディフェンシブバック(DB)は、ディフェンスの最後尾に位置していて、最後の砦とも呼ばれるポジションです。主に、ランオフェンスを止めたり、パスカバーをしたりするセイフティ2人と、ワイドレシーバー(WR)へのパスを阻止するコーナーバック2人の4人で構成されています。
Q2. 自分のポジションや自分のプレーで注目してほしいポイントはどこですか?
内藤さん:OLというのは、いいプレーはほとんど目立たず、反対に、ミスをしたり目の前の相手との勝負に負けてしまったりすると悪目立ちするポジションなので、OLが目立たずに、チームが勝つのが目標なんです。試合中はボールを持っている選手に注目してもらって、ハイライトなどでOLが体を張っているところや相手とのぶつかり合いを見ていただければと思います。
横川さん:DBは、相手レシーバーとのパスの競り合いが勝負になるので、いかに相手レシーバーの手からボールをもぎとるかをの勝負を見ていてほしいです。また、インターセプト(※1)はDBのビックプレーなので必見です!
Q3. そのポジションならではの練習や努力を教えてください。
内藤さん:OLは、まず体を大きくすることと、さらにその大きくした体を最大限活かす動きをすることが大切になります。そのためにOLは筋トレとご飯をたくさん食べることをチームの中で一番高い水準でやらなければなりません。また、大きな体からのパワーを活かすため、ステップや重心の動かし方といった細かいところまで意識した練習をしています。自分はご飯をたくさん食べることが得意ではないので、友人とご飯を食べに行っても、食べ終わるのは一番最後になってしまいます。それでも実家や行きつけのうどん屋さん(※2)などの自分の口に合ったご飯を食べられる環境があるので、少しずつ体を大きくすることができてきています。
横川さん:DBの練習としては、相手のオフェンスを一発で仕留めるためのタックルの練習や、パスをカットする練習、また、後ろ向きに走る練習をしています。自分は足が速いほうではないので、相手のレシーバーの足が速いと、相手レシーバーにどうすれば適切な距離感を保ったままついていけるかを見極めることが難しいです。また、レシーバーが走るルートを見極めるのも難しいので、映像を見て分析することもしています。

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Q4. 選手の目線から見て、アメフトという競技の面白さ、魅力はどんなところですか?
内藤さん:アメフトではオフェンスのプレーは1試合に60プレーほどあり、OLはそのほとんどで相手のDLとぶつかり合っています。そのため、試合中はアドレナリンがたくさん出ていて興奮状態にあるのですが、同時に、相手の隊形や動きを予測しながら頭を使ってプレーしなければならないというのが、他のスポーツにはない魅力なのかなと思います。
横川さん:アメフトは、さまざまなポジションがあって、それぞれの専門性が高く分業制になっているので、それぞれがどこかで自分の役割を果たしながら活躍するチャンスがあるところが魅力だなと思っています。
※1 インターセプト…オフェンス側が投げたパスをディフェンス側がキャッチすること。攻撃権はディフェンス側のチームに移る。
※2 行きつけのうどん屋さん…本郷三丁目にあるTOKYO LIGHT BLUE HONGO-3というお店。お店の大将がWARRIORSファンクラブの会長を務めてくださっており、部活全体としてお世話になっているお店。
【SA 黒木俊輔 × MGR 渡邉結衣】

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Q1. SA、MGRの目線から見て、アメフトという競技の面白さ、見どころはどんなところですか?
黒木さん:アメフトを見ていて一番面白いのは、コンタクト(選手同士の接触)の激しさ、プレーの激しさですかね。他の競技にはないアメフトの醍醐味、大事なところだと思います。昨今のアメフト界で強いチーム、強い選手というのはコンタクトが強いので、最初のうちは激しくて怖いと思ってしまうかもしれないけれど、見ていくうちにだんだん面白さがわかってくると思います。
渡邉さん:コンタクトの激しさでいうと、MGRはヘルメットやショルダーパッドといった防具の整備をしているので思いっきりぶつかってほしいな、と思いながら見ています。アメフトは自分でやるスポーツとは全く異なるスポーツですし、自分でやることのできないスポーツだからこそ、それを見ることができるのは楽しいですね。MGRの目線からすると、普段ビデオを撮るなどして近くで見ている選手が試合で活躍しているのを見るとすごくうれしいです。あと、ポジションによって体格が違うのも見ていて面白いポイントかなと思います!
Q2. アメフト初心者がアメフトを楽しむために見るとよいポイントを教えてください。
黒木さん:最初に見るならパスがわかりやすいかなと思います。捕れたか捕れなかったかが一目でわかって盛り上がりやすいですし。自分もパスがうまいプレイヤーから覚えました。オフェンスは派手なプレーが多くてわかりやすいので、面白いと思います。
渡邉さん:まずは、タッチダウンやインターセプトなどの大きいプレーに注目すると試合の流れをつかみやすいと思います。私も入部するまでは全然アメフトのことは知らなくて、オフェンスとディフェンスの区別もつかないほどだったのですが、試合の流れをつかめるようになると、面白くみられるようになりました。
Q3. ここまではアメフトという競技についてお聞きしてきましたが、いざWARRIORSの試合を見るときに、特に見てほしいポイントやチームの戦い方の特色はありますか?
黒木さん:チームの戦い方としては、他のチームとの実力差を考えたときに、昨年までは点がたくさん入りやすかったのですが、今年は他のチームのほうが格上ということもあり(※3)ディフェンスがどれだけ粘れるか、が注目ポイントだと思います。昨年の大事な試合も、相手のゴール前4ydくらいから、4回相手の攻撃をしのいでタッチダウンを防ぎ、それが勝ちにつながりました。今シーズンはさらにそのような場面が多くなると思うし、それがないと勝っていけないので、注目してほしいです。
渡邉さん:WARRIORSは選手もスタッフも人数が多いので、サイドライン(※4)の人の流れを見ているだけでも楽しいと思います。また、スタッフの立場からすると、試合は選手がプレーをするのがメインですが、そのそばでスタッフも仕事をしているので、スタッフの仕事にも注目してくださると嬉しいです。
※3 東京大学 WARRIORSは現在関東1部リーグに所属。その中でも2018年までは下位のBIG8に所属していたが、BIG8内で優勝し、2019年から上位のTOP8に昇格した。
※4 サイドライン…フィールドの両サイドに引かれたライン。外側の自陣25ydから敵陣25ydのチームエリアにプレーしていない選手やスタッフが待機している。
選手、スタッフのみなさん、ありがとうございました!やはりプレーしている選手、そしてそのプレーを一番近くで見ているスタッフさんだからこそ、わかるさまざまな見どころがありましたね。
ここでご紹介したアメフトのルールやみどころはほんの一部にすぎません。さらに詳しいルールはWARRIORS公式HPにも載せているので、ぜひチェックしてみてください。そして、みなさんもぜひアメフトの試合を実際にご覧になって、自分なりの楽しみ方を見つけてみてくださいね!
文責:岸

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