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想像してみよう

今日はアーカイブ映像を加工したら現れた「想像してみたお話」のお話です。

お話 その1
きっと南極の氷は全部溶けてしまったんだと思います。
足元に水がじわじわとやってきて、それがとうとう頭の上を超え、家の屋根を超え、ビルの屋上まで到達しました。
でもそうなるまで、結局、誰も何も言いませんでした。
水になされるがまま、水のなすがまま。
「仕方がないんだ」
この後に及んでは、押し戻せない水を櫂て暮らすしかないんです。

お話 その2
美しい夕日を眺めながら、僕は東京に近づいている。
風もなく穏やかに凪いだ海にたった一人で引き波を立てて。
東京タワーがオレンジ色に輝いて、ボートの舳先を照らしている。
あと少し進めば、輝くビルにダイブして僕はあの街の一員になる。
僕は東京に近づいている。

お話 その3
どうだったんだっけ?
もう半分くらい忘れちゃいました。
冴え冴えとした記憶と、ぼんやりした記憶がセットになって黄昏の空を映していますよ。
変な自信やつまらない後悔なんか、あれこれたくさん抱えてきたんですが、そのどれもが半分ずつになっては、だんだん混じりだして、どちらが大事なものだったのかもわからなくなってしまいましたよ。
ま、これでよかったんですけどね。

この映像について

● アーカイブ映像の夕暮れを上下反転で並べた映像を作ってみたところ、3つのお話?ができました。● ロールシャッハ・テストというのがありますが、我ながら3つ目はちょっと危ない感じがしますね。(^^ ● 今回はちょっとネタに詰まった感がありますが、まぁお正月の福笑いみたいなものということで… ● みなさんも映像を見て想像を膨らませてみてください。

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