拡販戦略の考え方

特段事前のリサーチ等はなく、ふと話題に挙がったプロダクトの拡販戦略を持ち合わせた知識を元に30分くらいで話す。そんな時にどのような頭の使い方をすれば相応の議論が出来るかについて言語化することにする。

まず、大枠で意識すべきは以下の4つの流れだ。
Ⅰ.販売数の構成要素を構造化する
Ⅱ.フレームワークに基づき現状を把握する
Ⅲ.打ち手を考える
Ⅳ.インパクトを評価する

多少フェルミ推定の心得があるならⅠについては簡単だが、短時間でアイデアベースでない地に足のついた打ち手を考えるということはかなり難しい。
少し脱線するが、思考のキレがよくない、つまりセンスの良い解が出てこないというのは頭の使い方という回路が発達していないからだと経験則的に思っている。端的に言うと、短時間でしっかりした打ち手を出せるようになりたければ、きっちりと思考の流れを体系化しておく必要があるのだ。
では、さっそくだがⅡから言語化を試みたいと思う。
(Ⅰはフェルミ推定そのものですでに体系化されているので割愛)

Ⅱ.フレームワークに基づき現状を把握する
現状把握の流れとしては、
業界のトレンド⇒マーケットシェアの状況⇒自社の製品・チャネル・価格・宣伝方法⇒特に製品の価値⇒競合・顧客層
の順で考えていけば、拡販しようとしているプロダクトが一体どのような現状に置かれているかが肌感覚で見えてくる。
私は金融機関からIT企業なので、本職マーケターの方からしてみれば3C4Pの使い方に違和感を覚えるかもしれないが、自分としてはこの整理の仕方が一番しっくりくるのでこのような流れで考えるようにしている。
ここでしっかりプロダクトの特長について抑えて競合とのGAPを認識していないと、打ち手を出すのがきつくなるので注意が必要である。

Ⅲ.打ち手を考える
ここが一番重要だ。アイデアベースのふわっとした回答をしてしまいがちになるこのフェーズをどう乗り切るべきか。しかも考える時間など少しもない状況で、だ。
結論から言うと、Ⅱの分析をもとに定石をぶつけるだ。
従って、引き出せる事例を出来るだけたくさん持っておくことがここでは最も重要となる。ケーススタディ本、実業家の自伝、なんでもいい。とにかく読みこんで「こういう状況だから普通はこうする」がさっと出てくるレベルにしておくのだ。
しかし、それでは議論に面白みがかけてしまうので、視点・視座・切り口を意識して定石に独創性を加えてあげたい。
BCGではその行為を"インサイト"と呼んでいるらしいが、詳しいことは御立氏著「戦略脳を鍛える」を一読いただきたい。

Ⅳ.インパクトを評価する
打ち手がするに値するか、つまりそれをしたところでどれだけ販売数に影響を与えるかは必ず最後に検証しなければならない。
これもコンサルティングファームのケース面接でよくある話なので、ここでは割愛する。

以上、短時間でふと話題に挙がった商品の拡販戦略を知的に話すための方法であるが、要点をまとめると、
①思考の流れを頭に入れておく、でないとクリアに打ち手が生まれてこない
②とにかく定石を頭に入れておくことが"短時間で"を考えたときに重要
であるということだ。

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