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働きながら無料ツールで宅建を取った話


宅建受験の背景

不動産業界で働く人ならほぼ必須の国家資格「宅地建物取引士」

毎年約20万人が受験し、合格率15-20%とある意味ちょうど良い難易度の資格試験だなと思っていました。
民法の勉強は「貸金業務取扱主任者」で一通りやっていたし、契約書の基本的な知識も活かせるだろうという相乗効果も期待出来たり。

本ブログのテーマでもある投資において必ず挙がる手法のひとつが「不動産投資」。融資を引いて立地の良い物件を入手すれば、入居者が負債の返済をしてくれて、いずれ不動産が残るというサクセスストーリー。
たまに不動産ポータルサイトなんかを眺めていると「市街化調整区域」とか「用途地域」がどうだとかよく出てくるわけです。

本業でも金融関係の仕事や再エネ発電の仕事に関わると、用地の取得や関連税制、不動産用語が度々出てきて打合せの議論に乗り遅れることもしばしば。

将来的な副業の幅も広がるだろうということで、2023年4月ごろに宅建の勉強を始め、2023年10月15日に受験し、無事合格できました。

2023年度の受験者は約23万人、合格者約4万人、合格点36点、合格率17.2%と、今年は簡単だったという感想が聞かれるなか、だいたい良いところに収まるもんですね。

備忘的にやったことを記録しておきます。

宅建の問題は大きく4分野に分かれるのですが、各分野の特徴をまとめると以下の通り。

宅建業法
→いわゆる不動産取引にかかわる業法の分野。試験で最も出題が多い割に範囲は限られているので、最大の得点源。一番時間をかけるところ(勉強時間の6割ぐらい?)

権利関係(民法)
→不動産取引や宅建に関わるところと、一般的な民法に関わるところ。とくに借地借家法や不動産登記法は特有のルールがあったりするので時間をかけるところ。

法令上の制限
→都市計画法と建築基準法の暗記範囲が広く、苦手な方が多い分野。早めに全体像をつかんで、数年の出題傾向からヤマを張って取捨選択も必要。

その他税関係
→覚える項目は多くないので、後半に巻き返しが可能な分野。

多くの方が権利関係と法令上の制限で苦手意識を持たれるのではないかと思います。

掛かった費用と使ったツールと使い方

・受験費用 ¥8,500
・テキスト代 ¥3,300
・過去問題集 ¥2,750
・予想模試 ¥1,300
・勉強カフェ代 ¥500 x 20回ほど ¥10,000
➡勉強時間トータル 150-200時間程度


スマホアプリ

結局はテキストや過去問題集よりもスマホアプリの過去問集を一番よく使いました。移動中やカフェでも省スペースで繰り返しできるので、記憶の定着に一番役立ったツールです。

宅建過去問2023(無料)

スタケン(無料)

YouTube
テキストを読んでも単元の全体像がつかめないときはYouTubeの無料チャンネルを使いました。以前なら有料級の講義動画も、いまや無料で見られる時代なのでコスパ最強です。
動画配信してくださっている講師の皆様に感謝です。

あこ課長の宅建講座が一番お世話になりました。民法の細かいところまでわかりやすく解説されていて、超有料級の無料宅建講座です。要領が良い人はこれだけでも合格できると思います。

要点をかみ砕いて解説されるので、法令上の制限のパートでかなり理解が進みました。基本的に有料ゾーンへ誘導される形ですが、無料部分だけでも十分価値があります。

吉野塾も基本的には有料講座への導入部分が動画で配信されているのですが、無料配布されているテキストなどもありわかりやすかったです。苦手分野などのピンポイントで利用価値があると思います。

勉強の進め方、スケジュール

不動産業に全く関係のない人でも、半年ぐらいあれば合格点に行き着くのではないかと思います。逆に1年もかけると記憶のメンテナンスに時間が取られてしまう気がします。

勉強スケジュール
・最初の2、3ヶ月で全体を2回転
・YouTube視聴 ⇔ 過去問アプリ を往復
・宅建業法→法令上の制限→権利関係→税その他
これでなんとなく自分の得意と苦手がわかってきます

・次の1ヶ月 苦手分野を重点的に復習
これもYouTube →過去問を繰り返すのみ

・最後の2ヶ月 予想問題を解く→復習
試験の感覚と習熟度を測るのに最適
実際の試験時間は2時間ですが、予想問題を解くのはだいたい1時間半でできました。
ただし、見直して解説を読んでを丁寧にやっていると、模試1回あたり週末の4~5時間は費やしていた感覚です。その分、自分の弱点が毎回はっきりしていくので、翌週の学習ポイントが明らかになっていきます。

私が買った予想問題はTACの予想模試ですが、難易度高めでやや自信を無くしました・・・その分鍛えられたことは確かです。
模試以外にも要点をまとめたページや、出題予想、法改正のポイントなどよくまとまっていて、テキストよりもこっちをメインに使っていました。

宅建合格の今後

一応試験には合格しましたが、正式には実務講習を受けて都道府県に届出をしないと宅建士とはなれません。仕事上は宅建士の資格が必要なわけではないので、今のところ宅建士登録の予定はありません。

宅建士登録にかかる費用を調べると下記の通り。
・実務講習 ~22,000円
・資格登録手数料 37,000円
・宅建士証交付申請手数料 4,500円

合計6万円近くかかるうえに、実務講習は自学1ヶ月、スクーリング2日となかなか重たそうです。

もし失業したときに「宅建士合格」の印籠が役に立つかもしれないので、それまで大事に取っておきます。

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