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第2回 これからの感染防止対策、どうしますか? -都民アンケート結果から(2)

こんにちは。東京iCDCリスコミチームです。

全5回にわたり、都民アンケート調査の結果をお届けしています。第1回では流行から3年たった時点での感染防止対策の実態について述べました。第2回では、今後の感染防止対策に関する意識について見てみましょう。

都民のみなさんは、「5類」に移行する2023年5月8日以降は、どのような対策を続けようと考えているのでしょうか。下の図をご覧下さい。

都民のみなさんが引き続き取り組むと回答した対策は、いくつかのグループに分かれました。

①多くの人が、「こまめに手を洗う」(75.6%)、「マスクを着用する」(71.3%)、「消毒液を使用する」(56.8%)といった基本的な感染防止対策を続ける意向であることがわかりました。

②「部屋の換気をする」(50.4%)、「3つの密が重なる場を避ける」(48.1%)については、継続する割合が50%程度でした。

③「定期的にワクチンを接種する」(26.5%)、「感染予防策についての情報を得る」(22.6%)、「なるべくテレワークする」(12.3%)は3割に届きませんでした。

これらの項目においても、総じて男性より女性のほうが10-20%高い傾向にありましたが、テレワークについては、男性のほうが女性よりも継続意欲が高い結果になっていました。男性が女性よりもテレワークができる職業についている可能性がうかがえます。

年代別でも同様に、年代が上昇するほど、継続意欲が高い結果になっています。20代と70代の取り組み意向の差を比較すると、「こまめに手を洗う」や「マスクを着用する」において、その差が18%程度ありました。「感染予防策についての情報を得る」ではその差が約28%程度に開き、さらに「3つの密が重なる場を避ける」では約44%程度の差になっていました。

さらにアンケートでは、反対に「もうやめたほうがよいと思う対策」についても尋ねました。

①「もうやめた方がよい」と考えている人が多かったのは、「卒業式、入学式のマスク着用」(38.6 %)や「授業中のマスク着用」(36.9 %)でした。「黙食」(35 %)もあわせると、子どもたちの生活を制限する対策への緩和の声が大きいと考えられます。性別でみると、わずかに男性のほうが「やめたほうがよい」と考える傾向にありました。また、年代別でみると、年代が上昇するほど、「やめたほうがよい」と考える傾向がうかがえました。育児世代の回答者のほうが慎重に考えていることがうかがえます。
※学校でのマスク着用は、2023年4月1日に解除される予定です。

②飲食の場面についてやめた方が良いと考えている項目は、「窓口や飲食店等でのアクリル板やビニールの仕切り設置」(29.1 %)、「飲食店で客同士が対面に座ることの禁止」(27.2 %)、「ビュッフェやサラダバーでのビニール手袋の装着」(21.6 %)となっていました。性別でみると、わずかに男性のほうが「やめたほうがよい」と考える傾向にありました。年代別では、明確な差はみられませんでした。

③「建物の入口での消毒」(13.4 %)や「公共交通機関でのマスク着用」(12.9 %)を「もうやめた方がよい」と考えている人は少なかったようです。「公共交通機関でのマスク着用」については、性別でみると男性のほうが、年代別でみると若い世代ほど「やめたほうがよい」と答える割合が高い結果となりました。
※混雑した公共機関でのマスク着用は引き続き、推奨されています。

④一方で、23.5 %の方が、選択肢に掲げた全ての対策は今後も必要だと回答していました。

ここまでの今回の都民アンケート調査の結果をまとめると、

○ 5月8日以降も続ける対策としては、「こまめに手を洗う」や「マスクの着用」が7割を超えていた反面、「定期的なワクチン接種」や「テレワーク」が2割程度であったこと。総じて女性よりも男性のほうが、また回答者の年代が高いほうが、継続意向を示していたこと

〇 やめてもよい対策の上位は「卒業式、入学式のマスク着用」や「授業中のマスク着用」、「黙食」といった子どもたちの生活に関連する対策であること。ただし、「やめてよい」と考えるかどうかは、性別や年代によってバラつきがみられること

が分かりました。

結果報告の第3回ではマスク着用の考え方について、第4回では医療従事者に負担をかけないための思いについて、第5回では新型コロナへの思いについて記載しています。ぜひご覧下さい。

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