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第2回 どのように情報を入手していますか? ー都内在住外国人アンケート結果から

こんにちは。東京iCDCリスコミチームです。

全4回にわたり、在住外国人アンケート調査の結果をお届けしています。第1回では感染防止対策の実態について述べました。第2回では、新型コロナに関する情報源や情報関連の項目について見てみましょう。

まず、新型コロナに関する情報源についてたずねた結果が以下の図です。下の図には、比較のため、今年2月に実施した都民1万人アンケートの結果を並べて示しています。上の青い帯が在住外国人、下の黄色い帯が都民の回答割合です。全体的に、青と黄色では、傾向が異なることが見て取れます。
顕著なのは、一番上の帯、テレビです。在住外国人が情報源としてテレビをあげる割合は35%と、すべての項目のなかではもっとも多いのですが、都民の約65%と比較するとかなり低くなっています。次の項目、行政や専門機関、専門家のサイトの回答割合は約25%で、都民と同程度です。一方、家族・友人との通話やメール、個人ユーザのSNS、家族・友人のSNSとの回答は約2割で、これらの項目は都民の回答割合より高くなっています。

在住外国人のみなさんが、コロナに関する情報収集の際に使う言語についてもたずねました。母語が最も多く約70%、次いで日本語が約45%、やさしい日本語が約40%となっています。

下の図は、外国語対応の仕組みを使って、都の支援制度などを利用した経験について、たずねたものです。多かったものとして「都庁展望室のワクチン接種」、「無料検査キット配布」、「都のコールセンター」が約30%と高くなっています。

次に、新型コロナの情報入手で困ったことについてたずねました。下の図の上段のグラフから、約3割の在住外国人の方が困ったことがあることが分かります。その下の図には、困ったことについてあてはまる内容を示しています。「情報が刻々と変化するためついていけない」が約6割と最も高く、次いで「ウイルスの状況や対策等の情報がわかりにくい」 、「陽性となった場合のその後の措置がわかりづらい」と続いています。

下図の上の段のグラフは、自身が、コロナに感染した疑いがあり、検査・診察・治療の必要があったかをたずねたものです。約45%が「ある」と回答しています。「ある」と答えた人に、そのときに困ったことは何かを聞いたところ、「病院の受付でうまく話せなかった」が約4割、また、「医療保険制度について」、「行くべき病院について」、「病院での手続きについて」分からなかった、と回答した割合もそれぞれ3割見られました。

また、公的機関が発信する情報の入手の際の困りごとと、その対応についてもたずねました。
上段のグラフは、公的機関が発信する情報の入手の際の困りごとの結果です。「多言語での情報発信が少ない」 、「やさしい日本語での情報発信が少ない」が3割程度と、言葉に関する困りごとの割合が高くなっています。
それらへの対処法としては、その下のグラフですが、「日本語のできる家族・親族・友人・知人に聞いた」が約65%ともっとも多くなっています。このことから、日本語のできる人とのつながりを持っておくこと、また、普段から、つながりやすい環境をつくることが大切であると言えそうです。

在住外国人のみなさんが、情報入手に関して困りごとを抱えているということは、新型コロナ対応に限定したことではなく、さらに言えば医療に限定したことでもないと思われます。今後、多言語ややさしい日本語による情報を、アクセスしやすいメディアで発信することが、さらに求められます。また、多言語翻訳アプリの活用にも期待できます。

結果報告の第3回では生活面の影響について、第4回では東京都の施策の評価や行政に望むことについて記載しています。ぜひご覧下さい。


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