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入園審査もAI導入で効率化!~荒川区CIO×都CIO座談会①~

東京都・区市町村CIOフォーラムにおける活動の一環として、都内各自治体CIO等へ「東京都・区市町村CIOフォーラムマガジン」を発行しております。今回から、マガジンに掲載した内容を一部公開します。
第14回は、「荒川区CIO×都CIO対談」をお届けします!

※CIO(情報統括責任者):組織の情報戦略における最高責任者
※東京都・区市町村CIOフォーラム:都CIOと各区市町村のCIO(主に副首長)等が相互に密接な連携と協力を深め、電子自治体の構築や行政施策へのICT活用等の諸課題に関して、テクノロジー情報や導入ナレッジの共有化を通じて、都及び各区市町村のDX施策推進に寄与することを目的として設置

※この記事は全2回でお届けします。

令和3年11月10日に、「東京都・区市町村CIOフォーラム第14回座談会」として荒川区CIOと都CIOの対談を実施しました。 

参加者(敬称略)
荒川区CIO:管理部長(情報システム所管) 梅原 一彦
荒川区管理部情報システム課課長:小堀 純
荒川区管理部情報システム課管理担当係長:堀口 大輔
都CIO:宮坂 学
都デジタルサービス局戦略部長:深井 稔

AI導入の事例共有

保育園入園審査結果を2週間早く通知可能に

―荒川区様の取組についてご紹介をお願いいたします。

荒川区CIO:梅原(以下「梅原」)
荒川区では、保育園の入園審査でAIを導入したり、職員課の研修等の業務に関してRPAを導入したり、それを土台として、他の部署もRPAが導入できないか検討を進めているところです。
ただ、今一番大きな課題としては、国の進めるシステムの標準化・共通化の問題だと思っております。先日全部長を集めまして、スケジュール感や標準化の内容について説明し、庁内全体として認識の共有を図ったところです。また、今月(11月)中に関係部課長を集めて推進会議をスタートさせる予定があります。そこで具体的な課題について議論していくことを考えています。

都CIO:宮坂(以下「宮坂」)
ありがとうございます。まず伺いたいのが、入園審査にAIを利用されている取組についてです。この事例は他の自治体様でもすごく参考になると思いますので、もう少し教えていただけないでしょうか。

梅原
これまで入園審査は、職員が何日もかけて処理していましたが、そのノウハウと判断基準などをAIに学習させました。これにより入園審査の結果通知を約2週間早く区民の皆様に知らせることができるようになりました。
当初はこれまでの判断と違っていないかチェックが必要で、稼働にこぎつけるまでのところはかなり苦労があったようですが、現在はかなり精度が高くて、ほぼそのまま使えるような状況になっていると聞いています。

宮坂
すごくいいですね!こういった仕組みは他の自治体様でも使える可能性はあるのでしょうか。

梅原
我々も一番手として始めたわけではなく、先行自治体のお話を聞きながら、我々としてどう活用していくかということに取り組んで結果に結びつきました。ですので、様々な自治体で活用できると思います。

宮坂
今後デジタルサービス局で、そういった先端的に取り組まれている自治体様のノウハウや成功事例を共有する仕組みを作りたいと思っております。その節はまた色々な事例を教えていただきたいです。

オンライン申請の受入体制整備

まずはオンライン申請を積極的に受けられる体制を

宮坂
次に行政手続オンライン化についてお話を伺いたいです。荒川区さんはかなり力を入れてらっしゃるということですが、進捗状況や課題点などあれば教えていただけますか。

梅原
実際に手続がオンライン化するところまでは到達しておりませんが、どういった形でオンライン化を進めていくべきかの議論をしております。その中で課題として話が出ておりますのは、行政側からすると、申請だけがオンラインになっても、受け口が一つ増えてしまい、かえって業務が煩雑化するという点です。証明書等を今までどおり郵送にしてしまうと、オンライン申請のメリットが十分発揮できず、かえって業務が煩雑となるという意見が業務主管課からも出ています。そのため、オンラインで全てが完結するようなサービス提供をしていかないと、行政の効率化には結びつかないと思っています。

宮坂
その通りかと思います。他の自治体さんともオンライン申請は話題になるケースが多く、最近は民間のSaaSを入れていくという話がありました。荒川区さんでそのような動きはありますか。

梅原
今のところ民間事業者の活用までは至っておりません。まずはオンライン申請を積極的に受けられる体制を所管の担当が整え、オンライン申請が区民サービスに結び付くのだという理解を十分にしたうえで、どんどんオンライン申請ができる業務を増やしていく必要があると考えています。

宮坂
今からちょうど検討して進めるということですね。ありがとうございます!

ー前半はオンライン申請に関する意見交換をお届けしました。
 後半もお楽しみに!

執筆者:山岸 玲司(デジタルサービス局戦略部戦略課)
編集:星野 惇(同上)

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