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小金井市CIO×都CIOの座談会を実施しました!

東京都・区市町村CIOフォーラムにおける活動の一環として、都内各自治体CIO等へ「東京都・区市町村CIOフォーラムマガジン」を発行しております。今回は、マガジンに掲載した内容を一部公開します。
第6回は、「小金井市CIO×都CIO座談会」をお届けします!
※CIO(情報統括責任者):組織の情報戦略における最高責任者
※東京都・区市町村CIOフォーラム:都CIOと各区市町村のCIO(主に副首長)等が相互に密接な連携と協力を深め、電子自治体の構築や行政施策へのICT活用等の諸課題に関して、テクノロジー情報や導入ナレッジの共有化を通じて、都及び各区市町村のDX施策推進に寄与することを目的として設置

令和3年10月18日に、「東京都・区市町村CIOフォーラム第6回座談会」として小金井市CIOと都CIOの対談を実施しました。

参加者(敬称略)
小金井市CIO(副市長):住野 英進
小金井市企画財政部情報システム課長:今井 哲也
都CIO:宮坂 学
都デジタルサービス局戦略部長:深井 稔

小金井市のDX推進状況について

システムの共通化を目指して

―本日はよろしくお願いします。早速ですが、小金井市様のDXの取組について、現状を共有いただけますでしょうか。

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小金井市CIO:住野(以下「住野」)
今まで市民サービスについては、DX化はなかなか進んでおらず、いわゆる旧態依然の、来庁が前提のサービスが軸でした。一方で、市としてはDX化を進めていかなければ、仕事の手法に広がりが出てこない、更にこのコロナ禍では対面でのやり取りが減り、ノウハウがうまく継承されて行かない状況にありました。今後はDXを進めていくことで、仕事の手法を見つめなおし、同時に市民の皆様の利便性を高めていきたいと考えております。

―DXがなかなか進んでいないというのは、具体的にどのような場面でしょうか。

住野
例えば、各職員向けにデジタル端末は配布しておりますが、内部システムがあるネットワークとインターネットを切り離していて、結果内部情報の共有にとどまるため、ネットワークを介した積極的な情報取得、情報発信が難しいといったところです。他の自治体との間で、共通プラットフォームのようなものも無いため、今後検討していきたいと考えております。

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都CIO:宮坂(以下「宮坂」)
貴重なお話をいただきましてありがとうございます。市民向けのサービスの部分と、職員の利用環境の両方から改善、特に自治体間のシステム共通化について、取組を進めていくということですね。

住野
遅ればせながら、そのように進めていきたいところです。まずは令和5年度を目標とした、立川市・三鷹市・日野市が進めている次期システムの共同利用について庁内で議論を重ねているところになります。

デジタルネイティブ世代と働く環境について

デジタルの理解と業務の理解の両立を目指して

宮坂
都庁では若手職員からもっとネットワークを利用した仕事がしたいという声が上がっていますが、小金井市様の若手職員の様子はいかがですか。

住野
いわゆるデジタルに詳しい、デジタルネイティブ世代と言われる職員が増えており、仕事の取り組み方もデジタルを用いて工夫しながら進めていきたいという意識は強いと感じています。一方で管理、監督層を中心とした、一世代上の職員とのギャップがあるという感触です。行政改革を進めていく立場もあるため専門知識のある人員を簡単に増やすことはできませんが、その点ではRPAやAIといったデジタル技術をうまく取り入れていけるような仕組みを、両者の意見を踏まえて進めていきたいところです。

宮坂
最近民間企業の方にも、どうやってデジタル化をどうやって進めていますかという話を伺いました。やはり、デジタルネイティブ世代と、デジタルは得意ではないが業務に詳しい世代というのは存在しているそうです。その両者をいかに近づけていくか、チームをどう作るかという悩みだと思うのですが、何か良いアイディアや取組はございますか。

住野
今回、庁内でのDXを進めていく中で、各課において一定レベル業務に精通、経験を積んできた職員たちをDXリーダーという形で任命を考えています。こうすることで、全体的に議論を進めながらボトムアップを図っていきたいと思っています。今までは「ITリーダー」という形で、若手の職員や、システムに詳しい職員を指名していました。その結果、パソコンの不具合や、ネットワーク環境の障害等への対応といった、情報システム課と橋渡し役を担っていました。役割が完全に分離していたため、今回DXリーダーを設けるにあたっては、自分たちの業務の位置づけや、内容を語れるぐらいの世代の人たちで、且つデジタルに明るい人たちを掘り起こすということを意識しています。この取組により、各部局にデジタルについて関心を高めてもらいたいと思っているところです。

宮坂
先発隊として大体何人くらいのDXリーダーを任命想定でしょうか。

住野
今のところ、全庁で50人くらいを考えています。

宮坂
なかなか分厚い陣容ですね!

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情報共有や研修の場について

都デジタルサービス局戦略部長:深井(以下「深井」)
都として区市町村の職員の方向けに、セミナーやオープンにしている研修を実施しています。DXリーダーの方の意識啓発のような取組も実施できればと考えていますが、何か要望はございますか。

住野
情報システム課を中心として様々な情報発信、研修を行っていますが、やはり東京都等の外部の情報資源が重要と考えておりまして、活用させていただけると非常に助かります。

宮坂
公務員にとって業務をデジタル化することは初めてのことになると思いますので、やっぱり正直不安もあると思います。いいこともあれば失敗することもあると思いますが、大事なのはコミュニティ、仲間がいることが大事だと考えます。ちょっとおこがましいですけれど、都が幹事になって、研修で区市町村の皆様と一緒に取り組み、成功や失敗の事例を共有できる場を作る。そうすることで全体のデジタル化のスピードが上がっていくと思います。

住野
事例の共有を通して、市民の皆様との共感を得ることができるような仕事の進め方が重要と考えます。様々な改革を進めていけるようにしたいと思います。

深井
そういう場をご案内していきたいと考えていますので、是非参加いただければと思います。

宮坂
力になれることがあれば、頑張ってサポートいたしますのでよろしくお願いいたします。

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職員の意識改革について

宮坂
その他に、何か意識的に具体的に取り組んでいることはございますか。あれば是非共有いただきたいと思います。

住野
取り組み始めたばかりですが、職員の意識そのものを醸成していくということを重視しています。例えば人が足りないとか、従前の仕事を変えるわけにいかない等、様々な「できない」理由を述べるケースがあると思いますが、どのようにすればその取り組みが「できる」ようになるか、市民の皆さんにとっても有益なサービスの提供になっているか、といったところを意識変革させていくことが必要と感じています。そのためにも、東京都をはじめとした各自治体間の情報共有はとても重要であると思っています。このような対談の機会を経て、いただいた情報を小金井市で広めていきたいと考えております。

宮坂
ありがとうございます。これからも是非よろしくお願いいたします。

―本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。
引き続きいろいろと情報の共有をさせていただければと思いますのでよろしくお願いいたします。

本取組については、今後も継続して実施する予定です。次回もお楽しみに!

執筆者:山田 篤彦(東京都デジタルサービス局戦略部戦略家)
編集:星野 惇(同上)

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