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行政の中のデジタル人材~東大和市CIO×東京都CIO座談会①~

東京都CIOと区市町村CIOの顔が見える関係を構築するべく、東京都・区市町村CIOフォーラムを開催。さらなる都内区市町村CIO等の皆様と都CIOとのフラットなコミュニティ形成を目的とし、個別の座談会の開催に至っております!
第25回は「東大和市CIO×東京都CIO座談会」をお届けします!

※CIO(情報統括責任者):組織の情報戦略における最高責任者
※東京都・区市町村CIOフォーラム:都CIOと各区市町村のCIO(主に副首長)等が相互に密接な連携と協力を深め、電子自治体の構築や行政施策へのICT活用等の諸課題に関して、テクノロジー情報や導入ナレッジの共有化を通じて、東京都及び各区市町村のDX施策推進に寄与することを目的として設置

令和4年7月19日に、「東京都・区市町村CIOフォーラム第25回座談会」として東大和市CIOと東京都CIOの対談を実施しました。

※この記事は全2回でお届けします。

参加者(敬称略)
東大和市CIO:東大和市副市長 小島 昇公 
東大和市総務部長:矢吹 勇一
東京都CIO:東京都副知事 宮坂 学
東京都デジタルサービス局戦略部区市町村DX支援担当部長:小澤 洋之
東京都デジタルサービス局戦略部区市町村DX支援課長:橋本 康昭

議題
① デジタル人材育成・確保
② 庁内ネットワーク環境の改善

デジタル人材の育成・確保

行政のこともデジタルのことも両方わかる人材が理想

―東大和市様から取組のご紹介をお願いします

東大和市CIO:小島(以下「小島」)
 東大和市では昨年度、情報化推進計画を作成して行政のデジタル化を加速しているところでありますが、この取組を進めるに当たって課題となっているのがデジタル人材の確保育成です。
 専門のノウハウを持った職員を臨時に雇用をして、引っ張っていって頂くということも考えたのですが、適切な人材を確保できるという見通しが立たず、本年度は業者委託を活用することとなりました。
 加えて、本年度より職員の採用にICT区分を設け、基本的なデジタル知識を持っている若手を採用して、長期的な視点で育成をしていけたらなと考えています。
 今後、東京都さんで実施する研修等に参加をさせていただきまして、ぜひ、資質の向上を図っていきたいと思います。
 デジタル人材の確保をどのように進めていけばよいのか、また、職員の資質をどのような方法で向上していけばよいのか、東京都さんのアドバイスを頂戴したいです。

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東大和市CIO(副市長):小島 昇公 

東京都CIO:宮坂(以下「宮坂」)
 デジタル人材の採用が難しく、企業に委託で協力してもらうなど伺ったが、どのようにデジタル化するか以前に、誰がデジタル化するかが重大な問題で、そこができていないと結局ベンダーに頼むしかないということになってしまいます。
 都庁でもICT職をまず作りましたが、公務員として行政のこともデジタルのことも両方わかる人材を作っていきたいと思っています。
 こういう人材を何十年もかけても作っていくことになりますが、ぜひ区市町村のみなさんと一緒にできることがあれば良いと思っています。
 たとえば、採用するときに自治体間で共同の採用PRをやれば、届く可能性が広がりますよね。
 育成に関しては、今年度から東京デジタルアカデミーがスタートしましたが、将来的には公務員のデジタル化の基盤になればいいなと思っています。   
 今後、区市町村にも広げる方向で検討しているので、一緒にやっていければと思います。
 また、皆さんの方で、デジタルに関する困りごとがあれば、都庁のICT人材を短期的にお助け部隊として派遣していくなど、そういったある種人材シェアリングみたいな考え方もあるのではないかと感じています。

東京都CIO(副知事):宮坂 学

東京都デジタルサービス局戦略部区市町村DX支援担当部長:小澤(以下「小澤」)
 私も人材の話を自治体さんからよく聞いていますが、専門人材と言っても、知識だけだとベンダーさんと変わらないので、行政のことも知っていて、普通の職員との翻訳ができるような人材がいると理想なのだと思います。
 ですが、そういった人材はなかなかいないのが現状なので、最終的にやはり中で育てるしかないのかなというのが自分も感じているところではありますが、短期的には外から来てもらうなどの方法で対処していくこともあるのではないでしょうか。

東京都デジタルサービス局戦略部区市町村DX支援担当部長:小澤 洋之

小島
 庁内の旗振り役となるべき我々がデジタルに疎い世代ということもあり、どうしてもうまく進んでいないのが現状です。
 自分自身がデジタル化に向けての知識・意欲がないと、職員もついてこないと思っています。
 デジタルスキルを持った人材を採用しようとしても、こうした人材はどこでも引っ張りだこなので、うちのような小規模な自治体ではなかなか来てもらうのが難しく、苦戦しているところです。

宮坂
 私は以前民間企業にいましたが、民間でもいい人材はグルーバル企業に行ってしまうなど、小規模なところではなかなか確保が難しいのが実態でした。
 まずは外の人が働きたいと思えるような魅力的な職場を作って、積極的に中に引き入れていくのが大切なのではないでしょうか。
 そのために大事なのが職員からのフィードバックで、たとえばこうしたツールが使いたいなどの意見があれば取り入れるなど、こうした小さなことの積み重ねなのではないかと思います。
 満足度調査など見える化していく取組も有益なのではないでしょうか。

小島
 先頭に立つ人間が元気をもって進めていると、職員もついていくのだろうと感じました。

宮坂
 上の人がやる気を見せるということが大事ですね。

前半は東大和市におけるデジタル人材の育成に関する取組についての意見交換をお届けしました。後半もお楽しみに!


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