職員のスキルアップが重要~練馬区CIO×東京都CIO座談会②~
東京都CIOと区市町村CIOの顔が見える関係を構築するべく、東京都・区市町村CIOフォーラムを開催。さらなる都内区市町村CIO等の皆様と都CIOとのフラットなコミュニティ形成を目的とし、個別の座談会の開催に至っております!
第27回は「練馬区CIO×東京都CIO座談会」をお届けします!
令和4年8月22日に、「東京都・区市町村CIOフォーラム第27回座談会」として練馬区CIOと東京都CIOの対談を実施しました。
※この記事は全2回でお届けします。前半はこちら。
議題
① 区のDX推進方針について
② 区からの要望事項
③ デジタル人材の育成
④ 専門人材について
デジタル人材の育成
Officeを使いこなし、業務を劇的に改善
森田
デジタル人材育成という点で、大企業などが一斉にリスキリングに取り組んでいるのを見ると、やはり職員の知識習得・スキルアップの場が重要だと感じます。
直接的にDX推進の担当でなくても、一定程度の知識があり、業務にデジタルが活用できるのではないかということに気付けるぐらいの素養を養うところから、もう少し専門的なスキルアップを目的とした教育など、様々な方法があると思います。
そうしたことを一自治体でやるよりも、東京都で幅広いメニューをご提供いただき、区市町村の職員が必要に応じて学べる環境があるとありがたいなと思います。
宮坂
東京都デジタルアカデミーでは、「Udemy」というオンライン教材を中心に、全職員が見れるようになっています。
例えばこういったもののライセンスをもっと拡大して、全区市町村の方で興味がある方であれば自由に勉強できるようにすると、同じことを知識として持つことになるので、コミュニケーションのレベルが揃ってきて、協働するときにもすごくやりやすいと思います。
あと地味にちょっとやってみたいなと思ってるのが、職員が一番使ってるアプリケーション、例えばOfficeの製品でパワーポイントとかワードとかとかブラウザでほとんど仕事をしてるわけですけど、こういったものをちょっとだけ使い方を覚えるだけで、15分ぐらいオンライン教材を提供するだけで、劇的に生産性上がると思うんですよね。
森田
我々も区役所の職員のベーシックな能力として必要なものはあると思うので、今おっしゃったような、Officeをいかに有効活用していくのかというところは、ぜひ一緒に取り組ませていただければと思います。
専門人材について
激化する人材争奪戦をいかにして乗り越えるか
森田
東京都ではデジタルの専門人材をかなり採用されていますが、練馬区ではまだ道半ばです。
実務的なレベルの人材も必要ですが、一方で、政策判断する段階でもサポートしてもらえるような人材が必要だと感じています。
練馬区ではCIO補佐官業務をコンサルティング会社に委託していますが、どうしても同じ立場というふうにはいかないのが現状です。
できれば職員としての立場でサポートしてもらえる人材が欲しいが、どこにそういう方がいらっしゃって、役所に来て働いてもらうにはどういう条件にすればいいのかなど、色々考えなければならないことがあります。
人材のプール制度のようなものを東京都で作っていただけると大変助かります。
宮坂
東京都では、デジタルサービス局の中に全庁のデジタル人材を真ん中に置いて、その仕事の技術の精選をしてオンデマンドで派遣するような仕組みを最近実施しています。
デジタルシフト推進課長の採用を始めて4年目になるんですが、この4年で世の中がみんなDXになってしまったので、採用の争奪戦が激しく、だんだんと応募の数が減っているのが現状です。
森田
国もそうですし、民間企業も同じ課題に直面していますね。
宮坂
人に関する研修とか採用とか、人材を共通で使うっていう意味ではこの共同化っていうのは本当に伸びしろがすごくあるかなと思います。
森田
これからは、デジタルが得意でない方でもできるようにサポートしていかないといけないと思っています。
東京都のデジタルデバイド対策のスマホ教室は本当に助かっていて、もっと区でも継続的に実施し、定着させていくことも大事だなと思っています。また、システムそのものの使い勝手を良くしていくことも必要だと考えています。
宮坂
そうですね。デジタルデバイドのところはもう本当にやらないといけないことだと思います。その面ではシンガポールが非常に進んでいます。
東京都デジタルサービス局戦略部区市町村DX支援担当部長:小澤
シンガポールでは何千人規模でサポーターを養成し、高齢者が高齢者を教えたり、コロナで失業されている若い方や就職がうまくいかなかった方を臨時で雇用したりするなど、様々な取組を行っています。
森田
今後もこういった人材に関するお話など、ぜひ情報をいただけると大変ありがたいです。
―お時間も来たようですので、今回の座談会はこれで終了します。普段の会議とは違う、ざっくばらんな意見交換ができて非常にありがたく思っています。本日はありがとうございました!
本取組については、今後も継続して実施する予定です。次回もお楽しみに!
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