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 違いが分かる作家はハードボイルドだど①


 少しばかり、
ボクの外国語の事始めなどを話してみれば
だれでもそうであるように、帰国子女、帰国子供などの特別な人を除いて、義務的に上から押しつけられたように英語から始めます
好き嫌いに関係なく習います
だから英語が嫌い、苦手だとすべての外国語がダメだと烙印をおされます、思いがちです

でも変に英語が得意だと、
昔からの文化的でも対立関係にあるラテン系、とくにフランス語が苦手だと言う人が多いらしい

でもいくら欧米各国、
言葉が違うと言っても、同じアルファベット
アジア人から見たら同じようで、
せっかく高校まで習ったし、受験でも強制的にやらせられたので、ここはまず英語からやりましょう

というわけで
いままであった英文の教科書や身のまわりにせっかくあるものを集めてさらっと読んで、文法も軽くひと通りやったら
日本の文庫本にあたるペイパーバックへ
なんだかカッコよく、大人の気分

( 新しく外国語を習った場合、歴史の事柄などは比較的わかって読みやすいのに文学の小説がいちばんわかりにくく最後になってしまうとは、評論家の鶴見俊輔さんも言っている通りで、心の中を描いているものは語彙はわかってもいろんな意味合いがあるからでしょう

また自然科学とか社会科学の本は比較的意味が特定されているのでわかりやすく、それでなくても文学好きな人は内容を深く読みすぎてはかどりません
それに作家と文学者の違いは語学力に現われ、それ以外しかないようでもあり、文学者が正確に翻訳されていてもどこか情操が欠けたように見られ、情操を持って成りたっている作家は日本語と外国語の違いが分かれば、違いの分かる作家となるだろう

あたかも同じ朗読でも、アナウンサーと俳優の違いのようでもあった

それゆえにむずかしくても読み慣れている専門分野とか、入って行きやすい娯楽的な小説から始めていくのが鉄則です )



 英語の小説で読む場合は
推理小説がとても入りやすいし、短編がよくて、わかりやすい
ポルノ小説が若い人には興味があって、なぜかわかりやすく、入りやすい人もいる

まず事件の内容、誰がどんなふうに殺されたか
最後に誰が犯人で、どんなふうに殺したか

この二つがわかれば最初のうちはいいんじゃないかな
事件と犯人が分からなければ内容がわかっていない証拠だし、事件と犯人が分かれば一応、文章を理解している証拠になってわかりやすい
だから最初の部分と最後の犯人探しのところは、単語が分からなかったら辞書引いたり注意深く読んで

途中の文章がよくわからなくても
ホームズとワトソンがアバウトだけど何かやっているぐらいに思って読んでいって、
そのうち読むのに慣れてきたら、英文を読むのに慣れてきたらなんとなくわかってきます

濁った水はいつしか澄みきって、
どんなに雨が降り続いてもいつかはやむように、
暗闇のなかにいても、こちらのボクの目もいつしか慣れて、いくぶん見えるようになってくる

最初わからなかった英文もよく見ると見たことのある単語だったり、知らない単語でも類推できるようになってきます


なぜか傷んだ木材の机の上によく似合う

 The High Window 高い窓 1942

 薄汚れた大都会の街を行く誇り高き一人称の男、フィリップ•マーロウ 
しかし、やたら殴られるハードな男だ。

“ AS TENSE AS A TIGER SPRINGING INTO ACTION ”  
またペイパーバックの裏表紙にこんなレイモンド•チャンドラーへの文体評がのっていた、なるほど言い得て妙だな。

それに何かの作で、You are who?という文章が出てきて、あれっこれ間違ってるじゃん。
でも考えてみれば Who are you? をなんでもかんでも、どなたですか、誰だお前は、どなたはんですか、と日本人が場面ごとに気を使って訳しても、荒くれの野郎どもに言葉を破格して、You are who? って、マーロウも言ってみたくもなるぜ。


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