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 ぼくたちの世代って、傷つきやすい世代なんだよね



 人はいやなことやつらいことがあったら、とかく世の中を超越して生きていこうとしがちである

政治と文学は、何から何まで正反対

「ぼくたちの世代って、傷つきやすい世代なんだよね」
「えっ、ええ、ですよね」

でもこいつアホやで、といわれて
じっさい政治の世界では、まるでお笑いの世界

文学の世界でナイーブな繊細さを漂わせたら、童貞処女の多い思春期に受けても政治分野でまったく相手にもされない

逆に
「断固たる決断力をお持ちですね」といわれたら、胸にじーんときて
でも文学好きな人からは、「何、それ」と思われる始末
もう一度ダメ押しされて、「何、それ」


ソノとらえ方にも問題があって
たとえば小船に乗って優雅に酒を飲み、詩歌を口ずさんでも、手綱をにぎる船頭さんはそうとばかりとはいられない
いざ何かあったら、もし急流に押し流されるときがあったら、素早く決断して操縦しなければいけない、ぼんやりナイーブで優柔不断ではいられない、いいも悪いもあなたしだいで言い訳できない

あたかも子供を持つ両親の気持ちにも似て
所変われば品変わる、分野変わればとらえ方も変わる

人生を100年として50を中心に30、40、50歳代が花で、もしくは60歳代が政治の働き場所であり

文学の読者は関係者や文学者予備軍を除き、
思春期と老年期が主で、働きざかりの男も女も仕事や育児が忙しくて、ビジネスや趣味の本に行きがちで、読んでも気晴らしな娯楽本になってしまい、仕事も育児もひと段落したら、若い頃読んだ文学でも読んでみようかな

そんなふうに
作家の場合、本人ひとりで責任負えても、政治家はわれわれにも覆いかかって本人だけの問題でないのは、世界の虐げられた民族を見てもいかに政治指導者にかかっているか、身に沁みてわかります

政治家や活動家が、思春期の肖像写真を恥ずかしく未熟に思われて嫌がるのに、作家の人が進んで、ピュアな世間知らずの幼い顔を文学アルバムに見せたがるのは、誰を対象にしているのか察しできるのダッタ
オシメをしている幼少写真の作家もいた
どんな意図があるんや、かっわいいとか
ロックンローラーだったら、きっと恥ずかしーいゾ

また
由緒ある家柄やエリート出身を、そこはかとなく自慢する分野もあれば
世襲だけ、エリート校だけで出世したと思われるよりも、下積みで這いあがってきたと思われることが、なぜかうれしい世界もある

そうはいっても
日本ではそれほどでもなくても、
政治の世界には獰猛どうもうな狼や獅子がたくさんいて、一歩間違えば生死の問題に関わるような中にも文学的感受性は必要で、また愁い顔の多い分野でも足腰のいいフットワークの良さは必要だった

そんな時代の優れた人物を見てみれば、両面を合わせ持っているのがよくわかるというものさ

たとえば和服を着た女性が表面上、か細くてクネっとした面影を漂わせても、内面的にも身体的にも健康である人はなぜだか美しく見えてしまう


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