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『物語』 新•おれとお前はハンドインハンド

 おれとお前はハンドインハンド

「民主政なくして富豪なし、富豪なくして民主政なし」
「君主政なくして貴族なし、貴族なくして君主政なし」

( かつてお金の有る無しで、飛行機に乗るときもホテルに泊まるときも上下が決まり、いい所にも住める世界があり、いっぽうで政治権力の地位で社会的にも生活にも規定された世界があり、ともに二つの世界でセレブ化して家柄や名門を形成していった
 元はといえば、貧乏な人の出身や身分の低い連中が大半だった )

 やがてマンネリ化して徳性が失われ、一部の上級化した国民に支配され専制的になり反乱が起きるのはまぬがれなかった

 現在、
アメリカが、覇権を誇った帝国主義の古代ローマ帝国を任じているかのように自負し、
北朝鮮は、近代ヨーロッパの絶対主義国家をもくろんでいるようだった



 ( いつまでもいがみあっちゃいけねえ)



 寸評解説

 フランス革命(市民革命)の後に、他国に植民地しまくりの帝国主義が現われ、
ロシア革命(労働者革命)の後に、周辺国に圧力かけて絶対主義が現れて、
資本主義国と共産主義国に分かれてもやっていることは同じで、外見は違って見えても中味もまったく同じだった

 どちらも国民には、相手を敵国みたいに煽り立てながら
国内では激しく思想統制しているのに、
どちらもトップの1パーセントは第一身分を形成していた
中国の党幹部の子弟がハーバード大学の卒業式で紙面を飾っているのはとても和やかそうで、米国の資産家令嬢とのカップルも生まれそうですね

 なんだか昔のフランス革命前の第一身分を見ているようで、あんなに宗教対立して殺しあいもやっていたのに、いつのまになぜかマリー・アントワネットとルイ16世の結婚式は、まあ素敵と思ってもなんの違和感もなかった
たぶんそこは大人の分別で、
いつまでもいがみあっちゃいけねえとか何とか

 けれど宗教戦争が終わって国内に宗派が決まってから、魔女裁判は本格的に始まっていった
戦争もお互い局地的にやっていた

 なんだか
いま資本主義国家と共産主義国家の関係を見ると、まったくウリふたつで金いっぱい
人間って、時代が変わっても考えていることはほんと同じなんだな
人間だもん、同じさ
この言葉をなん回言っただろう
立派だ!

 テレビ局や新聞社、大手出版社ではコンプライアンスや忖度そんたくでとても言えないだろうから、この場所を借りて言えば、
学校の先生が言うように、また検定教科書で美しい言葉が述べられているように、そして皆さんもうすうす勘づいているように

 人民の、人民による、人民にための、
あるいは労働者のための政治でもなければ、階級闘争の歴史でもなかった

 いままでの歴史は
アダムとイブ以来、表面は変わってもずうっと、少数者支配の歴史だった




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