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チャンが行く!『20周年記念徳島県産杉トレー』製作調査

こんにちは!『チャン』こと、CCOの石井秀典です!
今回は仙台戦から販売される『20周年記念徳島県産杉トレー』について、僕が調査に行ってきました!

徳島ヴォルティスが設立20周年を迎えることは皆さんご存知かと思いますが、海外も含めた様々な場所でお会いするお客様や関係者に向けた記念品を製作する必要がありました。クラブ内で『何か徳島らしいものを製作したい』と考えていたところ、徳島県が木材の伐採及び利用を促進していることを知り、徳島の木材を利用してその良さが目に見える形のものが良いのではないかと、木製トレーを作ることにしました。

そこで、ホームタウン事業(『街を元気に!塗装プロジェクト』)でお世話になっているオフィシャルスポンサーの南海プランナー様(https://nankaiplanner.co.jp/に相談をしたところ、トレーの素材となる木材を加工している建材業者と製品化に取り組んでいただき、トレーが完成しました。
 
このたび木材の加工などに携わっていただいた建材業者の左右内製材様を南海プランナー様の紹介で訪問し、木材の加工現場を見学させていただきました。その際に、トレーの素材となった神山杉について、社長の三辻博良さん、専務の三辻貴弘さんのお2人に話を聞きました。

写真左が専務の三辻貴弘さん、写真中央が社長の三辻博良さん

「徳島杉でも神山で育った杉を神山杉といいます。神山は山が険しく、まっすぐな木が育ちにくい環境です。人も苦労してきた人は本当に強い、木も同じく育ちにくいからこそ強いんです」
と話すように、神山杉の良さは5感で味わうことができるくらい素晴らしいものです。
近年では、節ありの木材が人気のようですが、神山杉のように年輪がしっかり入り、節のないものに大きな価値があるそうです。

節が少なく綺麗な年輪が特徴の神山杉

「樹齢80年までの若い木は建築材等に使われるのですが、80年以上の大径木(だいけいぼく:丸太の直径が30センチメートル以上の素材)は、建築材に中央部分を使うと残りはロスになってしまうので使われにくいのが現状です。
以前は大径木の一番良いところを床の間に使用したりして、よい木を楽しむことができましたが、時代が移り変わり、木の良さを楽しめる家が減っています。また木にクロスを張るのが通常になっているので、むき出しの木を目で見て楽しめる建物が減り、そういった家を好む人も少なくなりました。」

直径50cmを超える大径木

残念ながら、木の需要は減っているそうです。
このまま、木を、杉を使わなくなるとどうなるのか。
 
「木が枯れたり古くなると土壌が弱くなります。反対に、木が多すぎても水を吸い過ぎてしまうため、土地が渇いてしまいます。そうなると雨天の際は川に一気に水が流れてしまい、結果として土砂崩れなどの災害にもつながりますし、環境が維持できなくなります。つまり、徳島が誇る名河川が衰退してしまうことに繋がります。」
 
では、なぜ木を切らないのでしょうか。
そこには林業が抱える問題があるそうです。
 
「個人で木を切るのにも限界があり、切っても使われないなら切ることができません。
林業をする人も減っていて、林業を学ぶ学校を出てもやめてしまう人も多いです。
また、機械で木を切ることが今の主流にはなりますが、以前のように手で1つひとつを切って木を運ぶ道を作りながら伐採すると山の環境も整うなど、様々なことを考えます。杉は木の中でも二酸化炭素の吸収率が高く、中に二酸化炭素を留めることもできます。
正しく杉を切って活用し、新しく杉を植えることが環境改善になります。」

木材を切る社長の三辻博良さん

サスティナビリティが謳われる現代。
徳島の杉に関わる課題を解決することが、持続可能な社会の実現に大きく関わってくると感じました。
 
そして強く口にされて印象に残ったのが、
「いいものをいいものとして世に出したい。」
 
木でできたものは使えば使うほど味が出ます。
また、質のいいものを使うことで環境改善にもつながります。
 
最後になぜこの仕事を続けているか話してくださいました。
「木が好きだから。同じ木はないし、いろいろな顔を見せてくれる木が好きなんです。」

神山杉について話す専務の三辻貴弘さん

今回の見学やお2人のお話を通して、「こんな素晴らしいものが徳島にあるんだ」と改めて感じました。
実際に加工現場を見て、1つの商品製作にはこれだけの人が関わり、こだわりを持って作ってくださっていることを知りました。また、徳島ヴォルティスが徳島のものを活用することで、徳島の課題解決にもつながることも勉強させてもらいました。
スローガンにもある『徳島とともに』。
徳島ヴォルティスはこれからも徳島のいいものを日本に、世界に発信していきたいと思っています。

今回製作した『20周年記念徳島県産杉トレー』は、徳島県産(神山産)の杉を使用しています。80年以上の大径木を活用し、美しい年輪模様が全面に表れた仕上がりとなっています。表面には徳島ヴォルティスのエンブレムを、裏面には徳島ヴォルティス20周年ロゴと、神山杉が使用された証明であるシンボルが刻印されています。仕上げのための塗装は南海プランナー様に施していただきました。自然の植物油をベースに作られた環境にやさしい塗料を使用し、徳島県産の杉の美しい木目をそのままに、耐久性にも優れたクリアカラーで仕上げました。

まっすぐに年輪が入った徳島県産(神山産)の杉を使用
裏面右下には神山杉のシンボルマークを刻印

7月14日(日)仙台戦より、グッズ売り場にて30個限定で販売します。
神山杉を使用した美しい逸品をぜひ手に取ってみてください。

【左右内製材 見学の様子】

杉を加工する様子①
杉を加工する様子②
石井CCOが木材にサインさせていただきました!