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ドラフト会議まであと少し!!今年のインディゴの注目選手は??

2024年プロ野球ドラフト会議まであと2か月を切った。10月24日(木)、夢追う野球人の運命が決まる。徳島インディゴソックスは昨年、明治大学の14年連続指名に次ぐ、11年連続指名を記録しており、今年は12年連続指名に期待がかかる。これまでNPBへの挑戦権を勝ち取ってきた選手を振り返りながら、12年連続ドラフト指名獲得を目指すチームの注目選手を紹介する。


インディゴから羽ばたいた NPB 戦士たち

昨年のドラフト会議で指名を受けた6選手

昨年は投手4人、野手2人の指名を受けた。
奪三振率の高さとスピードが武器の椎葉剛投手は阪神タイガースから2位指名を受け、球団史上初の左腕投手として期待された藤田淳平投手は福岡ソフトバンクホークスから指名を受けた。8月以降の大活躍で支配下指名を勝ち取った宮澤太成投手、カナダ育ちのシンクレア投手、インディゴ時代は投手起用ながら野手指名を受けた谷口朝陽選手はインディゴOBも多く在籍する埼玉西武ライオンズへ進んだ。横浜DeNAベイスターズから支配下指名された井上絢登選手は早くも一軍デビュー、初ヒットをマークしている。彼らが独立リーグで残した成績をもとに算出したセイバーメトリクスも参考にしながら、今年のドラフト候補選手の注目ポイントを紹介したい。

今回、算出した指標は以下の表の通りだ。

投手、野手共に個人によって差はあるが、パッと見た時に赤色で塗られた割合が多く見えるのが今年の印象だろう。上記8選手の今季の成績と注目ポイントを投手、野手の順にそれぞれ紹介したい。

総合力の高さが魅力 川口冬弥投手

右/右・東海大菅生高(甲)-城西国際大-ハナマウイ

 最速155km/hの伸びのあるストレートを武器に、今年は先発でも抑えでもチームに貢献してきた川口冬弥投手。その総合力の高さは非常に魅力的であり、即戦力としても大いに期待が持てそうだ。特に注目すべきポイントは奪三振率の高さを示すK/9の値であり、12.73という非常に優秀な数字を誇る。
武器であるストレートは空振り率を示すWhiff%が32.13%、ストライクと空振りの合計割合を示すCSW%は33.33%を記録している。被打率はわずか .175であり、打者が簡単に打ち崩せないことを示している。
 また、ストレートだけではなく、変化球の完成度も高い。スライダーはWhiff%が47.62%、CSW%が37.86%、フォークはWhiff%が51.69%に達しており、変化球をうまく組み合わせることでストレートをより活かすことができるだろう。
 川口投手は「爽やかイケメン」と称されることがあり、ピッチングと共に、端正な顔立ちでもインディゴファンを魅了し続けてきた。新たなステージでもその端正な顔立ちと安定感のあるピッチングで打者やファンを翻弄させるに違いない。

自己最速はドラフト候補投手最速タイ!? 工藤泰成投手

右/左・明桜高-東京国際大

先発 工藤 159 km/h !!!!!
 
大ニュースが徳島を駆け巡った。今年8月、大学生ドラフト候補最速と名高い愛知工業大学の中村優斗投手と並ぶ159km/hを記録し、話題となった。大学時代に大きく伸びたというストレートの球速にさらに磨きをかけ、入団時から6km/hも速くなった。スピードのあるストレートを武器に打者と対峙する姿が印象的だ。
 前期では31 1/3回を投げ、防御率5.17、被安打36という結果だったが、後期になると22回を投げ、防御率0.41、被安打12という非常に安定した投球を見せている。後期でのこの安定感は、ストレートだけに頼らず、スライダーやフォークといった変化球を効果的に使いこなしたことに起因している。スライダーは38.83%のWhiff% (空振り率)を記録しており、打者に対する決め球としての信頼性が高まっている。また、フォークも非常に効果的で、46.43%のWhiff%を誇り、試合の中で有効な選択肢となってきた。
 後期での安定感は、試合を組み立てる能力の向上がもたらしたものであろう。ただ速い球を投げるだけではなく、状況に応じて球種を使い分ける術を身につけたことは、彼の成長を象徴するものであり、今後のさらなる活躍を予感させる。
 昨年のドラフトで指名漏れを経験した悔しさを胸に、その圧倒的な球速をさらに磨き、先発として長いイニングを高い出力で投げ切れる存在へと成長しつつある。その力強いストレートと、徳島で磨いてきた投球術で、夢への道を切り拓くだろう。                                                          

#中込はガチ でお馴染み(?) 中込陽翔投手

右/右・山梨学院高(甲)-山梨学院大

 奪三振率の高さと与四球率の低さを両立させるスリークォーター右腕。防御率1.75、WHIP1.032と安定感を示し、特に奪三振率を表すK/9の値は11.75と高く、支配的な投球を見せている。与四球率を表すBB/9は1.052と低く、無駄なランナーを出さない制球力も備えている。この両立が中込投手が活躍できる秘訣だ。
 スリークォーターから繰り出される質の高いストレートは、力強さとキレが際立つ。そのストレートを活かし、NPB で中継ぎや抑えとして活躍する姿を容易に想像させる。切れ味鋭いスライダーも空振り率を示すWhiff%が44.21%、見逃しストライクと空振りの合計割合を示すCSW%が42.15%と高水準で、打者を翻弄する大きな武器の一つだ。スライダーでの被打率は .133に抑えており、ストレートと組み合わせた投球術も強みとなっている。また、フォークやチェンジアップ、シンカーなどの変化球も習得しており、これらの球種を磨き上げていくことで、より完成度の高いピッチャーへと成長していくだろう。
 高校・大学時代の同期である北海道日本ハムファイターズの宮崎一樹選手の存在は、中込投手にとって大きな刺激となっているはずだ。共に切磋琢磨した日々を胸に、NPBの舞台で共に戦う日を目指して努力を続けている。その道を切り開くために是が非でも支配下指名を勝ち取りたい。

復活した3年目右腕 石川槙貴投手

右/左・鹿児島城西高-九州共立大

 昨年のシーズンで防御率6.63という悔しい結果に終わり、再起を期して今シーズンに臨んだ石川槙貴投手。結果は一目瞭然で防御率は、1.85と大幅に改善され、ピッチング内容も安定感を増した。特に奪三振率の高さを示すK/9の値は昨年の4.74から今シーズンは11.04と飛躍的に増加した。今シーズンは6勝1敗と結果を残しており、勝率は .857とチームへの貢献度も高い。
 石川投手の特徴であるスライダーは高い威力を誇り、空振り率を示すWhiff%が34.05%、見逃しストライクと空振りの合計割合を示すCSW%が36.82%で、打者を翻弄する力は健在だ。特にフォークの精度が高く、Whiff%が57.14%、CSW%が44.44%と、素晴らしい数字を残している。
 石川投手にとって、この1年での成長は大きい。過去2度のドラフトで指名されなかった悔しさを乗り越え、3度目の挑戦に挑む。大学時代のトミージョン手術からのリハビリを乗り越えた経験は、これから先の野球人生にも生きてくるだろう。今年こそ、その努力が報われる瞬間が訪れるだろうか。一ファンとしても石川投手の挑戦を見守りたい。

結果でも引っ張る!!我らが主将 寺岡丈翔選手

右/右・東福岡高-福岡大

 頼れる主将としてチームを牽引する寺岡丈翔選手。打率.339、OPS.944 と、非常に高い打撃成績を残しており、特に勝負どころでの強さが光る。左右別の成績を見ると、対左投手に対して打率.354 、対右投手に対しても打率.333 を記録しており、左右関係なく安定した打撃を見せられることも魅力の一つだ。
 ストレートに対する打率は.371と非常に高く、特に力強い速球に対しても遅れず対応できる打者であることがわかる。得点圏での打率は驚異の.400とチャンスに強く、ここぞという場面でしっかりと結果を残すことができる選手である。
 リーグトップの7本塁打、56打点を記録している寺岡選手はチームの得点源として非常に頼りになる存在であり、主に四番を務める加藤選手とともに幾度となくチームを勝利へと導いてきた。四死球と三振の比率を示すBB/Kが1.15、三振率を表すK%が.142であることから、選球眼も優れていることがデータから裏付けられる。
 結果でも背中でも引っ張る寺岡選手。新たなステージに進んでも、徳島の主将としての経験が生きるだろう。

エリート街道を走ってきた夢追い人 加藤響選手

右/右・東海大相模高(甲)-東洋大(在学中)

 アマチュア時代からその名を轟かせ、鳴り物入りで入団してきた加藤響選手。小中学生のころからエリート街道を歩んできた加藤選手に魅了されていた野球ファンも多いだろう。
加藤選手の売りは総合力の高さと豊富な経験値だ。東海大相模時代には高校通算35本を記録し、甲子園では満塁ホームランを放つなど、勝負どころでも長打を期待できる。三振も少なく、「加藤に回せば何とかしてくれそう」という気持ちにさせるのも彼の魅力かもしれない。
 打率.299、OPS.847と高い水準を示している。また、四死球と三振の比率を表すBB/Kは 1.842と高く、三振率を表すK%は .084と低いため、三振をせず、四死球を選べる選手であることがデータからも裏付けられる。左右別の成績を見ると、対左投手の打率が .333、対右投手の打率が .288と、どちらに対しても安定した成績を残している。アマチュア時代からチャンスでの一打に定評があったが、徳島で戦った今年の得点圏打率も高く、特にランナーが1、2塁にいる場面での打率は .467で、勝負強さに磨きをかけてきたことが分かる。
 この1年はショートのレギュラーとして経験を積んだが、アマチュア時代にはセカンドやサード、ファーストでも試合に出場してきた。内野のユーティリティ性の高さと持ち前の勝負強さがあれば、次の舞台でも輝けるに違いない。NPBの舞台で次の世代の憧れとなる姿を多くのファンが待ち望んでいる。最後までアピールを続け、運命の10月24日を待つ。

成長した長打力に夢を見たい 柏木寿志選手

右/右・九州文化学園高-兵庫ブレイバーズ

 昨年よりも成長したバッターの一人、柏木寿志選手。積極性と確実性の高さに加え、狙い球をスタンドに運ぶパワーが持ち味だ。昨年は打率.262、OPS.686という成績を残しており、長打率も.365とまずまずの数値だったが、今年は打率が .310に上昇し、OPSも .847と大幅に改善されている。特に注目すべきポイントは、長打力と選球眼の向上だろう。純粋な長打力を示す指標であるIsoPは .102から .155に上昇し、長打を放つ力が向上したことがわかる。四死球を選ぶ率を表すBB%も、昨年の7.34%から9.48%に上昇しており、選球眼も優れてきたことがわかる。これにより、BB/K比も .815と昨年の .356から飛躍的に上昇した。
 また、三振率を表すK%の値も20.63%から11.6%に減少しており、コンタクト率の上昇と、チャンスでの確実性の向上が見られる。左右別の成績を見ても、対左投手に対しては打率.281、長打率.439、対右投手に対しては打率.322、長打率.476と、どちらの投手に対しても長打を狙えるバッティングを披露している。対ストレートにおいては打率.339と優れた成績を残しており、直球に強い打者としての一面も光る。特に長打率は .465で、速球に対する強さが垣間見られる。
 塁状況別の成績では満塁時の打率が .500、ランナーが2、3塁の場面での打率は .308、長打率は .462と、得点圏での勝負強さが際立っており、チャンスで回せば1本出してくれると期待できるバッターだ。1年で大きくステップアップした柏木選手の伸びしろは計り知れない。

次代を担う韋駄天候補!!! 岸本大希選手

右/左・長崎商業高-桐蔭横浜大

 セカンドのレギュラープレイヤーとして研鑽を積む岸本大希選手。桐蔭横浜大学時代は外野手であったが、今年からは高校時代以来の内野守備に挑戦し、ポジションの選択肢を広げてきた。足の速さとコンタクト能力の高さを武器に、攻守ともに更なる飛躍が期待される。
 打撃では、打率.309と安定した成績を残している。特に対右投手に対しては打率.362、長打率.464と圧倒的な強さを誇る。また、ストレートに対しても打率.317と、高い対応力を示している。得点圏での打率は.340、長打率は .440 と、チャンスでの強さが数字に表れている。また、カウント別でも打者有利なカウントではすべて打率.300を超えており、好機を逃さずしっかりと仕留めることができる選手であることが分かる。
 徳島の地で着実に力をつけてきた岸本選手。走攻守ともに伸びしろを残している韋駄天の今後の成長ぶりが期待できる。
 昨年のドラフト1位で東北楽天ゴールデンイーグルスに入団した古謝樹投手は、大学時代の同期。同じステージで戦う日を夢見て、ボールを追いかけている。

 今回紹介した8選手以外にも多くの逸材がひしめく徳島インディゴソックス。運命のドラフトまであと少し、己を信じ、夢に向かってアピールを続ける。
 10 月 24 日、ドラフト会議当日は指名を待つ選手の様子を生中継予定!!夢を叶える選手の姿を一緒に見守りましょう!!

【参考】今回算出したセイバーメトリクス


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