【横浜6位】「井上絢登」を知るにはまずこれを読め!
井上絢登 プロフィール
強烈なパンチ力と飛距離で投手を打ち崩す大砲。高校では「久留米商のギータ」大学では「福大のギータ」とその高い打力で注目を集めた。福岡大学では通算10HRを放ち、ベストナイン(2回)・優秀選手・打点王のタイトルを獲得。昨年インディゴソックスに入団し、いきなり最多本塁打(13HR)最多打点(41打点)の2冠を獲得するなど活躍を見せた。調査書も複数枚届いたが、結果は指名漏れ。2年目の今季もチームの主軸打者として躍動し、2季連続で最多本塁打(14HR)最多打点(39打点)の2冠を獲得。今季のシーズン14本塁打は昨年自身が塗り替えた徳島球団のシーズン最多本塁打記録を更新する記録。
昨年はセンターやレフトでのスタメンがメインだったが、今季は後期からサードでの起用を増やしており、守備もそつなくこなしている。プレイヤータイプとしては内外野を守りながら高い打力を誇るという点でソフトバンクの栗原陵矢選手や阪神の佐藤輝明選手などをイメージ。
成績&データ
今季の井上の成績をまとめたものがこちら。「本塁打」「打点」でリーグトップに立ちタイトルを獲得しただけでなく「出塁率」「長打率」「OPS」もリーグトップを叩き出した。さらに打率もわずか「.002」差で2位と3冠の可能性も最後まで残していた強打者。ストレートにも強く「対ストレート打率 .361」としっかりと弾き返すことができる。
昨年も12盗塁を決め、唯一の「2桁本塁打&2桁盗塁」だったが今年も14盗塁を決めており、記録継続。バッティングだけでなくスピードも武器の1つになる。
またバッティングではプルヒッターという特徴がある。今年の14本のホームランのうち13本がライト方向、昨年も13本のホームランのうち12本がライト方向。安打で見ても74本のうち36本がライト方向、昨年は62本のうち38本とかなりの割合で引っ張った打球を放っている。
ゾーン別打率(左右別)
左右別に比較すると、右投手から特にヒットを量産していたことがわかる。右投手には真ん中のコースやインコースに強さを見せている。左投手に対してもインコースや真ん中のコースで高い打率となった。甘い球を逃さず仕留めたときの飛距離は恐ろしいものがある。
塁状況別打率
塁状況別に成績をまとめたものがこちら。1~3番の上位打線を任されていたため、チャンスメイクをする側、チャンスでランナーを返す側どちらもシーズン中では求められた。ランナーがいない場面やランナー1塁という得点圏ではない状況では3割以上の打率を残しており、得点圏でも3割近い打率、4割を超える出塁率を残した。井上が機能することは今季のチームが得点するために非常に重要なポイントだった。
カウント別打率
カウント別に打撃成績をまとめたものがこちら。早いカウントからも仕掛けていき、高打率を残している。「1-0」「2-1」など投手がストライクを取りに行きたいカウントで甘く入ってきたボールをしっかりと捉えられるため、追い込まれる前に決着をつけることができると強い。
月間成績
井上の成績を月別にまとめたものがこちら。1年間で大きな波はなく、月間OPSが「1.000」を超え続けているように大きな活躍を見せていた。
これは昨年の井上の月間成績。ロケットスタートを決めたものの夏場に一気に打率を落とし再浮上しきれなかった。比べて見てみても、今年の打撃の調子の良さに驚く。
年度別成績
井上の昨年の成績と今年の成績を並べたものがこちら。大きく改善されたのが「打率」であり「.066」も良化した。昨年は長打力は間違いないと思わされたが、一方で内容が0か100かのような打席が多く、打率にもそれが表れていた。今季は長打も増やしながら、打率も改善するという大幅な進化を遂げた。その結果、相手投手もより厳しく攻めるようになったことで四死球の増加、出塁率の改善にも影響を与えている。
簡単な指標を見ても昨年からの進化が見える。長打力を測る指標にIsoPがある。長打率から打率を引いたもので.220を超えると優秀、.280を超えると非常に優秀と言われる。今季の成績から計算すると井上のIsoPは「.258」だった。今年のヤクルトの村上宗隆選手のIsoPが「.244」でそれを上回るような数字を四国ILで残した。昨年と比較しても大きく数字を伸ばしている。
選球眼の良さを測る指標にIsoDがある。出塁率から打率を引いたもので、0.1を超えると優秀と言われる。今季の井上のIsoDは「.112」とこちらも優秀と呼ばれるラインを上回った。打力の高いバッターとして注目され続けてきたが、まだまだ打席でのレベルは上昇中だ。
成績&データ、分析ほか
中俊輔(@SNaka99400680)