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浅倉透コミュを読み直す会『10個、光』編

浅倉透のコミュはすべて読んでるけど、もう1度最初から読み直そうと思う。せっかくだから読んでる最中に思ったことなどをメモとしてここに記すことにする。

最初のコミュは『283プロのヒナ』だけどこれは円香との絡みと財布ないだけのなのでとりあえずは飛ばす。基本は時系列順に読んでいくつもり。なので今回は『10個、光』を読んでいく。

第1話:1こめ

「一生のうちにやりたい10のこと」を考える透。ここで「映画観る」とか「ブラウス欲しい」みたいにすぐ叶う欲求を書くところが透らしいと思う。

この段階の透にとって将来の夢や大きな叶えたい目標みたいなものがないのだと思う。この段階のと言いつつも後の段階でもこのスタンスに変化はないような気がする。

透はGRADにおいて頑張りたいという欲求があるように描かれたけど、その時は委員長と比べて頑張れてないと思っていたからそう思っただけなのだと思う。他者(GRADの場合はシャニP)に頑張っていると認められることによって頑張っているんだと自分で認識できればそれだけで透の問題は解決するのかもしれない。

何かで優勝するとかそういった外部から決定される指標ではなく「自分の精神的な姿勢が正しく在れているか」というところが透の問題意識かつ重要視している点なのかもしれない。そういう意味ではこのコミュにおける大きな目標のなさは一貫しているようにも思える。

ただ天塵での「海へ行くこと」やワールプールフールガールズの「返却しに行くこと」みたいな近い将来に叶いそうな目標自体は持つので、長期的な目標を持たないというよりは目の前の問題に集中して取り組むタイプと言ったほうがいいのかもしれない。


宇宙人の話はハウアーUFOとかでも出てくるけど何か元ネタがあるんだろうか?透コミュは実在の映画らしき描写が結構な割合で出てくるので元ネタがあってもおかしくないとは思っているが、宇宙人侵略モノの映画って結構あるのでヒントが少なすぎて探せないというのがある。


シャニPのアイスコーヒーを入れたい論を聞いて正解っぽいと言う透。「アイスコーヒーを入れる」という目標に「透の力になれるように頑張っていきたい」という想いが内包されているという意味合いである。

前に読んだときはここを読み飛ばしていた気がする。ある目標に対して表面上に現れている内容以上の意味合いを包含しているという表現。この後のコミュで透の目標を考える上でこの点は大きな考慮対象だと思う。

第2話:2こめ

降りるバス停がわかんなくなっちゃいそうな透。普段は他のノクチルメンバーと一緒にいるから降りれてるだけで1人だと迷子になりそう。


ここってこのあと透が「あーうん」と同意するようなこと言ってるけど実は若干ディスコミュニケーションな気がする。ディスコミュニケーションと言ってもそれが悪く作用しているわけではなくシャニP側がそれに無自覚なだけで、結果として透は「そういう捉え方もあるのか」という感じで嬉しそうではあるから良い方向に作用しているとは思う。

透はバスから見る街並みがずっと同じ風景に見えどこでも同じ感じだという鬱屈とした感じ(ここってこんなだったんだ)を言っているように思うけど、シャニPはそこの街並みが「こんなに住んでるところなんだ」と新発見しているので好意的なニュアンスとして言っているように思える。つまり「こんなだった」という言葉の捉え方がここでは噛み合っていないという風に自分は解釈する。


先ほどのシャニP側の街の光解釈をバスの後者ボタンに応用したのがこのセリフだと思う。


そしてノクチル自身も昼光っているけど周りが明るいと見えないユニットと言えるので、この透のセリフは本人が自覚しないまでも自分たちの良さを発見していると言えるのかもしれない(ただ現時点においては昼でも夜でもわかりやすく輝いているほど人気になってるけど)。


第3話:3こめ

これに関しては未だによくわかっていない気がする。本当は行きたいと思っている様子の男だけど女側が止めるから行かないという話っぽい。ただこれが何を示しているのかがわからない。

男側が去る側の透で女側が引き留める側のシャニPということなんだろうか?だとすればシャニPが引き留めているからこそ透はアイドルをやっているとも解釈できる。シャニPが直接強引に引き留めているというわけではないけど、シャニPに引き寄せられる形で透が283プロにとどめらえているということを示しているのだろうか?

単にキスシーンみて気まずいという話だからそこまで意味はないのかもしれないけど何か意味がある可能性もある。


第4話:4こめ

若干キレ気味のシャニP。こういう注意ってシャニPにしては珍しい気がする。キレ気味と言ってもマイルドすぎるので怒った範疇ではないけど。

経費なのに奢ってもらったと解釈している透。良すぎる。


奢ってもらったと透が勘違いしていると思ってたけど、もしかすると経費だということを知っていてそれに釣り合わないからこういったことを言ってる説もあるんだろうか?

と思ったけどワリカンでとか言ってるから普通に勘違いしてるだけっぽい。


この選択肢のシャニPが必死過ぎて面白い。ワリカンにするわけにはいかないしな……


ここのシャニPのセリフが印象的。「奢る」ということで何かしらのつながりを作り出しているということを示唆している。もしくはつながりがあるからこそ奢るという見方もできるかもしれない。

透が納得できそうな説だし、焦った後すぐさまこの理屈を持ってこれるシャニPは間違いなく有能。


第5話:いつか

星を見つけて走り出す透。ここでは「星=目標」と見立てて透の目標意識を示しているんだと思う。

透みたいな女の子に「行こ」とか言われて星を観に行くというのもロマンがある展開である。


「世界中が見える」というのは色々解釈できると思う。『夜はなにいろ』を見てからここを見ると『ベルリン天使の詩』で世界を見ている天使を想起してしまう面もある。


透の中で「誰かのもの」というのはどういった意味で使っているんだろうか?後のセリフで「誰かのものじゃないといいなって思っただけ」と言ってるので、透の中でなにかが誰かに所有されているとちょっと嫌だったりするんだろうか?

総評

読み直してみたがまだ咀嚼できないところも多いと感じた。特に所有の話は初期のコミュに顕著に出現すると思うが、読み直してみるとなにかしら文脈が浮き彫りになってきたりするんだろうか?とにかく何度読んでも読みごたえがあるコミュだと思う。

次は天檻か途方もない午後、もしくはWINGあたりを読み直そうと思っている。もしかすると他ユニットのアイドルか円香を挟むかもしれないが。

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