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ライトノベル『週に一度クラスメイトを買う話』1巻の感想

「kindle unlimited」で何か良い本はないかと探していたら『週に一度クラスメイトを買う話』というキャッチーなタイトルの本を見つけた。読んでみたらあまりにもディープな作風で面白かったので今回はその感想を書いていこうと思う。

本作はタイトルにもある通り定期的にクラスメイトに5000円を払って時間を買うという話になっている。途中から3年生に進級しクラスが別れクラスメイトではなくなるのでタイトル的には違うかもしれないが、買うという関係性は変わらず維持される。

「学校内だけで友達を演じてくれるように金で頼む」という話は実際にあるかどうかはともかくとして聞いたことはあるが、本作は「放課後の時間を買って家に行き何かを命令をする」という内容になっている。さらに言えばスクールカーストもひとつのテーマとなっており、スクールカースト下位者(下の上)である宮城がスクールカースト上位者(上の下)の仙台に命令をするという内容になっている(余談だが、宮城に仙台という名前は同系統の地を想起させるのでどちらのキャラかわかりづらい時がある)。

宮城の命令はだんだんエスカレートしていき、宮城はだんだんと命令する快感に酔いしれていく。命令される仙台の側もただ命令に従うだけでなくその特別な関係にどこか魅力を感じて宮城の家に通ってしまうという展開である。命令の内容としても噛みついたり体をまさぐったりとディープな絡みが多く、人を選ぶ作品だと思うが個人的には結構好きな部類。2人にはそれぞれ別グループの友達がいるけど、どこか寂しさを感じておりその寂しさがこの特殊な関係性だからこそ埋められている面があるという点も良いと思う。

漫画の『きたない君がいちばんかわいい』が好きな人だったら好きになる作品だと思う。行為のディープさが似ている。現時点だと『きたかわ』の方がディープだと思うが、本作もだんだんとエスカレートしていきそうなのでそういう系の作品が好きな人は要注目である。

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