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樋口円香STEPの感想

樋口円香STEPを読んでいこうと思う。せっかくなのでその都度感想を書いていく。ちなみに浅倉透STEPに関してはプレイ済みで以下の記事で感想を書いている。

まず読む前の感想だけど上記のようにSTEPコミュのサブタイトルを見るだけで重いコミュだということがわかる。すでに面白い。


第1話:水盤に落針

街中で透が出ている番組を見る円香。なんか映画みたいな始まり方だ。この後回想が挟まりコンビニに入っていくがそこも映像が浮かんでくる感じの質感がある。すでに雰囲気がめちゃくちゃ良い。


ここの回想のくだりってハシルウマであったやつな気がする。

雛菜は「円香先輩、食いしん坊~」というセリフを言わなそうなのでもしかすると実際はこの回想の円香って透なのか?


上の画像がハシルウマのスクショだけどこっちだとポテトを食べてない。もしかするとこの違いって何か意味あるんだろうか?


透コミュはさわやかな感じだったけど円香は1話目から湿度が高い。やっぱり透に対しての想いが中心に描かれるのだと思われる。

あと円香の母ってあんた呼びなのはなんか意外。


わざわざコンビニでおにぎりを買ったのに食べないという様子の円香。夕食も断っている。「回想の円香=透」だとすれば食いしん坊である透に焦がれているからおにぎりを買ったんだろうか?

透のコミュでよく出てくる捕食者というモチーフにもかかわってきている気がする。透は食べることができるけど円香はそこまで食べることができないという対比を描いているのかもしれない。


第2話:鏡の花、水の中の月

透の部屋で話すとおまど。口に入れてほしい透に対して入れてあげない円香。普段からこういう感じなんだろうか?透も円香には他の人よりも甘えている気がする。


今までにないくらいの分量で円香の独白が描かれる。やっぱり透への感情は激重。おむすび恐竜が持ってる千雪への感情よりも重いと思う(なんならおむ恐は若干軽薄そう)。

この時点で透からアイドルの話をいくつか聞くことでたびたび出てくるシャニPに対して嫌悪感を持っていたんだろうか?この時点ですでに警戒している様子が見える。


第3話:糖蜜と塩

これは笑った。そりゃこの時点の円香としてはこんな甘い言葉しか吐かない怪しい輩なんて嫌悪感しか抱かないだろう。ただあまりにもストレートな言葉で面白い。


ここ好きすぎる。雛菜のテンション上げた広告的な読み上げ方は新鮮で良い。

あと食べ物のモチーフがまた出てきた。『糖蜜と塩』というサブタイトルからして甘いものとしょっぱいものの対比なので、ハシルウマに出てきたポテトとアイスの対比も何らか物語に関係あるのかもしれない。

ここの部分で言うならシャニPの対応が甘さとしょっぱさの両面あって「今の段階では甘さしか見せてないから注意しよう」というような円香の現在の心理を表してたりするんだろうか?


第4話:胸に抱く鬼灯

シャニPのポエム連打で辟易する円香。円香の性格からするとこんな甘いことだけ言われても信用できないと思う。

最後の小声での「だから騙されるんですね」ってどういう意味なんだろうか?敬語だからシャニPに向けたものなんだろうけど円香に騙されたシャニPという構図なのだろうか?ここはちょっとわからないので後で読みなおしてみようと思う。


第5話:描く空は澄んでいた

透は「飛びたい」と思っているけど円香はそう言う気持ちがないらしい。円香はモノローグですら本当の気持ちとは反対のこと言ってるような部分が多いけどこの部分は本当なのだろうか?


第6話:歌声もきれぎれに

「瀝青って何……?」と思ったので調べてみた。どうやらアスファルトやコールタールなどの総称っぽい(wiki読んだけどよくわからんのでこの説明で正しいかは不明)。

でもこの表現ってなんか好き。よくわからない言葉でもかっこいい漢字と色合いを示す青という言葉があるだけでなんとなく美しいと思ってしまう。アスファルトに溶けた光という光景もイメージできて綺麗だと思う。


シャニPがこの前の場面のセリフで出会った頃のことを思い出していたと言っているので結構後のことだと思われるけど、この時点になっても円香は透のように「飛びたい」と思えてないということだろうか?

ただ、この後の「溺れてしまいそう」というセリフからすると現状アイドルをやっていること自体はそこまで不満はなさそうな気もする。円香の認識としては現状に甘んじている今を不服に思っている可能性もあるけど。


円香としては自分自身が瀝青のように黒く透明になれない存在だと思っているということだろうか?アスファルトはいくら光を受けても透明にならず固定的な色を見せ続けるという風に解釈したけど正直あまりしっくりこない。


透は空に向かって飛んでいくけど円香はどんどん沈み溺れていくというこの対比は面白いと思う。アイドルという同じことをやっているのに逆方向へ行ってしまうという特殊な状況。


全話読んだ感想

すごい終わらせ方だと感じた。いろいろ考えることがあったので何も言えないかも。透の「飛びたい」という想いと円香の「溺れる」という対比については今後も出てきそうな気がする。

個人的には透と円香の両方とも満足なコミュだった。

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