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アニメ『見える子ちゃん』7~12話の感想

『見える子ちゃん』というアニメを見たので感想を書いていこうと思う。1~6話までは以下の記事。今回は7話から最終回までの感想を書こうと思う。

7話:見た?

ユリアとハナとミコの3人でバスに乗り僻地のトンネルへ行く。そこで悪霊との闘いが描かれる。基本的にはユリアの勘違いが面白いというコメディ回だった。最終的には神霊のような存在が助けてくれるという展開だが、指を意味深な感じで1本立て何かを伝えてきている様子。これが3回のうち1回目を使ったことを表しているのか、前回のを1回に含んで残り1回を表しているのかはわからないけど、こういう数字のリミットがどんどん減っていくのはちょっと怖い。今回もコメディとして面白い回だった。次回も期待。

8話:見えてるもの

試着中に幽霊が出てくるという展開。おそらく作者はエロいシーンが描けそうなところにホラーを持ってくるというところから着想を得てシーンを描いていることが多いんじゃないだろうか。エロと怖さってやはりどうしても相いれないというか、エロく見える対象自体(この場合はミコ自身)がホラー的な存在に変わらない限りは怖さが生まれないような気がする。この作品はそのあたりを上手く混在させないようにおそらく意図的にギャグに昇華しているから面白いと思う。

電車の中で座っている客に対して順番に斧を振り下ろす幽霊が出てくる。順番にというところがミソで、謎だけど明確なルールの下に危機感を作り出しているのが面白いと思う。急に驚かせるタイプのホラーも面白いけど、じわじわと法則性のある恐怖が迫ってくるタイプも面白いと思う。

ラストシーンでは新しい先生が来て終わる。次回からはこの先生に主題が当たりそうでまた展開が変わっていきそう。楽しみ。

9話:見たことある

新しい先生に憑いていると思われる幽霊から逃げトイレへ入り込むミコ。そこには便所飯をしているユリアがいて、一緒に昼食を食べることになる。

今回は一気に先生のエピソードになるかと思いきや、以外にも普通にお化け屋敷回だった。体育倉庫やトンネルの時と同じくユリアの勘違い描写が面白くコメディとして非常に楽しめた。

お化け屋敷の脅かしに、いつもと違って驚いていいんだと嬉しそうに声を出して走り回るミコがかわいかった。思えばホラー作品って叫び声がありがちなので本作みたいに耐える系は珍しいような気がする。なので本作にしては珍しいミコの叫び声は良かった。

10話:見るな

今回からは本格的に善先生の回が始まる。隣のおばちゃんが肉じゃがを差し入れてきても即捨てるという非情ぶり。自分も実際に食べたくないならそうするかもなとは思うけど、創作物でこういう演出が入るとやはり悪人に対するキャラづけに見える。現時点ではどちらかわからないけど、いかにも悪人風に描写されているので「そう思わせておいて実は良い人」というパターンもある気がする。

今さらだけどハナはやたらと食べる(普通の大食いキャラの3倍くらい)。先生の悪霊オーラがあるせいで生命オーラが削られお腹がすくという設定らしい。悪霊が見えるミコこそがおかしいと思っていたけど、その能力すらもハナの能力により間接的に付与されたという可能性もあるのかもしれない。

そして神霊の2回目の助けを子ども幽霊のトラップであっさりと使ってしまう。幽霊側にこんな巧妙なトラップされるといくら注意しても無視するのは無理だよなと思う。知らない人どころか知っている人に化けられる可能性もあるし、普通の人間をすべて無視しないと避けられなさそうである。

ここで神霊に助けられたけど仮に助けられなかったらどうなっていたんだろうか。結局生きてる者が幽霊に触れたところですり抜けてしまうわけだから今のところどうなるかはわからない気がする。意外と原作の最終回あたりで幽霊に襲われてもなんともないという展開もありそうだけどどうなんだろうか?全幽霊が悪霊というわけでもなさそうだしついてくるだけなのかもしれないという説。

11話:見る?

善先生の過去の話が描かれる。創作物においての毒親問題ってこのアニメの放送時(2021年)くらいはまだギリギリ旬だった感があるけど、2023年になってみると辟易するくらいに擦られている感じがする。だからと言って面白くないわけではないけど、最近は多すぎるので1つのテンプレと化したのかもしれない。

先生をストーキングして猫に何かをしようとしている現場を発見するミコ。そこで猫を助け逃げ出した後、猫が1匹で逃げ出してしまい車に轢かれそうになったところ、先生が猫を助け車に轢かれるという展開。

毒親でペットを飼っていたという題材が出てくると幼少期から動物虐待をしていたという連想をしてしまうが、それはミスリードで結局先生は良い人だったという展開。対して先生の母親は怖い。ひぐらしのレナと同じ声優である中原麻衣さんが母親役を演じている。中原麻衣さんは好きな声優だが、やはり迫力ある怖い演技がすごいと思う。

最終的に先生にとり憑いている母親らしき悪霊を退治するために神霊に力を借りるという決断をするミコ。そこで11話は終わる。3回分すべて使ってしまったが、どうなってしまうのだろうか。次回も気になる展開である。

12話:見える子ちゃん

ミコの意味深なセリフを機に隣のおばちゃんの肉じゃがを断ることに成功する善先生。結局隣のおばちゃんは肉じゃがに何かを仕込んでいたという気味が悪い意図があったようだ。こういう嫌さは日本のホラー映画っぽい。こういうのはよくありそうなイメージ。

猫の犯人は結局知らない成人男性だった様子。先生がスタンガンで対峙した後に指名手配所が流れているが、先生は犯人をどうしたんだろうか?もしかすると猫は殺さないが、人は殺すタイプの人ということか。そのあたりは描かれずにアニメが終了してしまったのでそれを知るには原作を読むしかないのかもしれない。

ミコは神霊の助けを3回すべて使い切ってしまったので元の神社へお礼参りに行くことに。そこでお礼として大量の三色団子と持っている小銭全てを供えるが神霊たちはむしろブチギレるという不気味な展開となる。やはりこの作品において神霊は怖い。悪霊はほとんどギャグだが、神霊に関しては何をしてくるかわからない大いなる力を感じる。結局ミコは気づくと家で寝ていて、「夢だったのか?」という疑惑とともに話は進むが、結局神霊は何を求めているんだろうか?そのあたりは明かされずアニメが終わってしまった。

最後に流れた映像の乱れた提供が本格的に怖かった。このための最終話冒頭の提供だったのか……本編がそこまで怖くないのでここで本気を出してきたのかもしれない。本筋と全く関係はないけど本作で一番怖かったと思う。

総評

基本コメディなのでそこまで続きは気にならないけど、コメディとしては面白かったのでそのうち原作を買ってみてもいいかもしれない。普通に楽しめるアニメだったしホラーとしてもほんの少しだけ怖くて面白かった。流石に放送時から2年くらい経ってるので2期はなさそうだけど続きが来たら見ると思う。次もホラーアニメを見てみようかなと思う(このアニメはホラーではないけど)。

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