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ペアノの公理(2023/2/17の日記)

岩波文庫の『不完全性定理』を現在読んでいる(以下の本)。

この本は全2章という構成になっていて1章はゲーデルの不完全性定理の論文の翻訳、2章は時代背景や周辺知識の解説が載っている。

ぶっちゃけ1章は全然わからない。難しすぎて意味不明。なので飛ばして2章から読んでいる。2章は半分ほど読んだけど歴史背景とか簡単な説明が並べられているので比較的理解しやすい。こういう風に数学の基礎付けの部分を見ていくと面白い。

そしてこの本に触発されて以前買った数学ガールの不完全性定理の巻を少し読み進めた。以下の本である。

現在、3章の途中まで読み進めたけど普通に面白い。

一番面白いと思ったのが今回のタイトルにもあるようにペアノの公理である。ペアノの公理はズバっとしている。今まで数学を美しいと思ったことはなかったけどこういう感覚なのかな~といったことを思わされた感じがする。

どういった部分を美しいと感じるのかというと「後続数」という言葉を使っていなくても数式だけで「後続数」的な概念を示すことに成功しているところである。しかも一見関係なさそうな数式でそれを表しているから美しい。

ペアノの公理はぱっと見だと当たり前すぎて何を言っているかわからなかったりする。だけどよくよく解説を見てみると何気ない数式の中に意味が詰め込まれている。その意味を読み取ることによって面白さや美しさが発見される感じがある。文脈を掘り出す感覚だ。

この感覚は文学とも通じるものがある気がする。文学でも1つのなにげない文に言外の意味が多数含まれていることがあったりする。そういった文ほど美しいと感じるし面白いと感じる。文学の場合は他の文との連関でその1文が輝くという構造にはなっているけれどこの余白を楽しむ感じは似ていると思う。

普通の受験数学をやっている時は思わなかったけど数学基礎論をやると数学をやっているというよりも国語とか哲学に近い感じがする。というか不完全性定理に興味を持った理由も言語哲学とかそういった領域に近いからである。

自分が今まで数学をやらなかった理由はモチベが湧かなかったからだ。哲学は好きなので読みたくなるけど数学は全く興味がない。だけど興味を持つと意外とできるものだなーと思った。興味を持ったと言っても数学基礎論に近い領域だけだけど(一番日常生活で役に立たなさそう……)

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