いまさら『アナと雪の女王』を見た人間の感想

あれだけ話題になっていたのに見てなかった『アナと雪の女王』を今さら見た。

思ってたより王道じゃなかったなぁという印象。まぁ基本的には王道なんだけど適度に裏切りのある展開がある。王道作品はある程度予定調和で「どうせこういう感じになるんでしょ?」と読める場合が多い。

しかしこの作品は王道であるにもかかわらず結構裏切ってくる。味方だと思っていたハンス王子が実は国家を手中に収めようとアナに近づいてきたとかそういう感じの裏切り。

ラストシーンなんかはやたらとクリストフ押しが強くクリストフの愛でアナの氷が解けるんだろうなぁと思っていたら、まさかのギリギリのところでエルサが氷を解かすという展開に。

しかもそのあとクリストフが活躍するわけでもないので別に来なくてもエルサたちの問題は解決しただろう。もしかするとアナとまだ会って間もないクリストフが真実の愛で解決するのは物語的に微妙だという脚本家の判断でこういう結果になったのかもしれない。

序盤のあたりで1日でハンス王子との結婚を決めたアナを批判しておいたにもかかわらず、同じくらい短い時間しか過ごしてないクリストフが最後に真実の愛で解決するのは確かにちょっと不自然にも見える気はする。なのでそういう判断となったのかも。そう考えると結構納得のいく解決策だったのかもしれない。


『アナと雪の女王』のテーマ考察

この作品のテーマは他人に迷惑をかける可能性があるほどの強烈な個性とか能力持った人間がどう他者と向き合うかというような感じに読み取れた。

エルサの持っている氷の能力が尖った個性とか能力の象徴で、他人に迷惑をかけてしまうその力とどう向き合うかという話。もちろん自分が勝手にこういうテーマだと思っているだけなので見当はずれの可能性もある。ただ自分としてはそういうテーマなんじゃないかなぁと見ていて思った。

そしてこのテーマを据えてみたときどうしても「真実の愛」という便利な概念でごまかされた感があるなぁと感じた。

なんかこのあたりが雑というかもっとエルサの内面描写が欲しかった感じがする。他者を傷つけてしまう悲しみとか1人でしかいきれない寂しさとかそういう感情の描写が少なかったので急に「真実の愛」で解決と言われてもなんか納得できないように思えた。

映像と音楽は凄かったけど物語としてはそんなに響かなかった。もちろん好きな人は多いと思うので単に自分がひねくれてるor読み取れてない文脈があるだけかもしれないけど(その可能性の方が大きいと思う…)。


締め

酷評っぽくなってしまったけど音楽と映像はとても良かったし普通に楽しめた。アナが楽天的な感じで見ていて楽しいし他のキャラクターも魅力的である。ただ自分はどうしても物語を筋を過剰に気にしてしまう性質なので上記のような感じの感想になってしまったのかもしれない。

実は前に知り合いの付き添いで2だけは見たことがある。これを機に見返してみても面白いかもしれない(どうするか迷い中)。

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