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八冠達成

2023年10月11日、王座戦第四局にて、藤井竜王名人が永瀬王座を破り史上初の八冠が誕生した。この対局は終始永瀬王座が優勢で一時的に藤井竜王名人が逆転したものの上手く攻め切ることができずまた永瀬王座優勢、最後の最後で永瀬王座に明らかな失着があり藤井竜王名人の勝利となった。将棋としては中盤まで拮抗していたのでこの決着の仕方は本人としても悔しいと思うけど悔しがる姿はドラマチックだった。

八冠は藤井竜王名人がデビューした頃からもしかすると達成するんじゃないかと思っていたけどここまで早く達成するとは思わなかった。羽生さんが25歳の時に全冠制覇を成し遂げたらしいけどそれよりも若くして、さらに言えばタイトル戦の番勝負無敗というのがすごい。デビュー15連勝くらいの時から注目して見ていたので感慨深い。

ただ達成してみるとあっさりという感じがする。もちろん一局ごとに凄まじい戦いを勝ち抜いてようやく到達しえた結果だけど、終わってみるとあっさりだった。今後も永世称号という長期の目標があるにはあるけど「将棋の盛り上がりが冷めていくのでは?」という心配はある。

本人としては結果ではなく「将棋が強くなる」「面白い将棋をファンに見せる」というような目標を語っていて、結果への執着のなさはすごいと思うし本当にそう思っているんだろうなぁというのも伝わってくる。ただファン心理としては1つの山場を越えてしまって少し寂しい気もする。

これからも面白い番勝負があれば将棋を見るだろうけど、やっぱり中学生棋士や有望な新人が台頭してきて将棋界を盛り上げてほしいという気持ちもある。藤井聡太はAI云々関係ない史上最強の棋士だと思うけど、将棋界の歴史的にはAIの導入により若い棋士の方が実力が伸びやすくなっている可能性もあるので妥当藤井聡太の新人が何人かあらわれて群雄割拠になってほしいと思う。あと永瀬九段や豊島九段も番勝負で勝てる可能性はあると思うので1回くらいはタイトル奪取してほしい気持ちもある。

ただやっぱり八冠がどこまでも続きそうな気もする。絶対王者時代もそれはそれで面白い気はするので八冠を5年くらいは維持してほしい気持ちもある。先ほど群雄割拠がきてほしいと言ったけど5年くらいは絶対王者時代でもいいかもしれない。というか普通にそうなりそうだし、なんならもっと長くてもおかしくない。

4局目に関しては最後残念な終わり方だったけど番勝負を通してみると面白い対局が多かったと思う。藤井八冠は将棋の内容も面白いので自分としてはこれからも見ようと思う。

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