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「SNSは物理的な幸福から、精神的な幸福へ」

このnoteでは「SNSの台頭は大量の情報を利用者に与え、従来持っていた幸福の質が変質し始め、物理的な幸福から精神的な幸福を求めるようになっているため、我々はSNSを通してより多層化した幸福の形を掴んでいくんじゃないのかな?」というタイプの記事を書きます。

ちなみに、定義として
物理的な幸福=暖衣飽食な状態
精神的な幸福=一人一人異なる心の満足感

です。

    ——本編——

SNS黎明期・私達の幸福感


皆さん、スマホが登場した約15年前、当時の気持ちを覚えていますか?日記をずっと付けている人でなければ、なかなか思い出す事も難しいと思います。僕も細かい点などは、記憶の中に転々としていて、はっきりは思い出せません。ただ、その中でも一つ言えることは、情報を得る事よりも、モノを得たことの喜びの方がまだ大きかったという事を鮮明に覚えています。

確かに当時でさえ、Twittermixi等は、存在はしており、デジタル市場の動きが遅い日本でも、これら類の単語は耳にしていた、もしくは使用していた人も中にはいたのでは?とも考えられます。しかし、まだ大部分の方は使用頻度も低く、今ほどの認知度には明らかに至っていないと言えると思います。

さて、当時の世の中はどのような様相だったでしょうか。バブル崩壊後不況が続く世の中を生きている人たちにとって、普通の生活事態得る事が幸せであり、その後の2006年以降からは格差社会の存在が顕在化し、社会の中で中間層が多数を占め、物理的な幸福が皆似たようなモノになり各人に渡るようになりました。つまり、どこを見ても似ている物、種類が違うだけで同じ商品を手に取り扱っていました。幸いなことに、この出来事さえ喜びだったと思います。

しかし、今思えば飽和状態に近い状況であったように感じます。要するに、物理的な幸福はある程度の限度があり、一旦満たされてしまうと消耗品であれば新たに使う・買うの連続です。絶対的な価値を見出す事が難しく、相対的に幸福を感じるため、お金や商品の様な崩れそうなモノでしか満足できません。

この状態は日本に限らず、他の国でもおそらく同様な現象が漂っていたと言えると思います。物理的な幸福は基本中の基本であるため、人間だれしもこの幸福は手に入れようと考えます。

ではその状況が叶った場合、我々は何を考え出すのかという事を考えると、より特別視される無二で上質なものを求めようとしていきます。これは、物質的な幸福を越えより「高度な次元への欲」を目指し始める事です。

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高度な次元への欲

高度な次元への欲」とは一体何を指すのかと、様々な層と交流してきた中で、特にZ世代とそれよりも上の世代との認識の差にある種の答えが見いだせると考えています。

まず始めに改めてZ世代の定義説明を補足すると


Z世代は概ね1990年代中盤から2000年代終盤までに生まれた世代を指し、身の回りでは常々インターネット上から情報を仕入れることに慣れ、使ってきた人達です。

Z世代は、幼い頃には既に一つではなく、二つの幸福が傍にありました。それが従来的な物理的幸福精神的幸福です。このうち高度な次元への欲が満たせるのは精神的幸福です。


簡単に言えば、僕達にとっての高度な次元への欲というのは、社会に敷かれていた既存のレールを当たり前と思って育っていないという経験から、周りの人と同じであるという状態を異様なまでに避ける傾向にあり、自分はこうなりたい、発信していきたい、みんなに認められたい、唯一無二でありたいと願う意識が非常に高いと思います。


そして上の世代は、物理的幸福が根底としてあり、平均であることが生活に支障がない事の現れを指すため、僕の世代よりも世の中の様子を見ながら、物理的幸福から精神的幸福へと、スマートフォンを新たな母体としつつ参入してきたという流れが存在していると思われます。


またこの二つの世代で共通しているのはスマートフォンですが、SNSを経由した世界の捉え方が異なっているのではないかと、ふと感じます。というのも、SNSが登場した際のユーザーのほとんどが、Z世代向けにコンテンツを製作しているわけではなく、従来の価値観を持ち合わせている層に充てる形で回していました。


しかし現在の下地となるようなSNS、例えばInstagramYoutubeTikTok等、が盛んに騒がれるようになったのは、明らかに世代の転換期をクリエイターが設定し直したため、起こった出来事と言えると考えています。


この時期こそが、精神的幸福が物理的幸福を多くの若い層の熱狂を浴びながら、颯爽と抜いていった証拠になるのではないかと、具体的な時期を特定は出来ませんが、理解できます。


一人一人に焦点が当たるようになり、自分の言いたい事を多くの人に向けて発信し、それが認められ精神的な満足感を得る事が出来る、これはSNSの台頭により旧来の社会的影響を跳ね飛ばして、本来皆が持っていたであろう内なる想いが共感を付けて、外へ出られたため精神的な幸福が推進されていったと、状況から見て判断できます。

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今後は、&まとめ


まとめとしては、

物理的幸福はSNS登場以前では通常の事であり、むしろ精神を補う事よりも平均を守り切る事が大事であった。
Z世代以降は、従来の方法では精神的幸せは手に入れられない事を上の世代を見て学び、SNSの台頭に乗じて、自らの価値を世に広め多くの機会を得て物質的幸福の向上に加え、精神的幸福を得る様になった。

という流れです。

今後としては、精神的幸福自体が属人的なものであるため、多様性がより溢れる状況が展開されると予想しています。しかし、SNSの形態は変化していくと思っています。理由としては精神的幸福のバリエーションは各人あるものの、SNSにおいて幸福を満たす表現方法が割と形式化してしまっていると考えたからです。


例としては、1対多数になっている状況を多数同士で交わえる場を作り出せる事が、より多くの人の精神的幸福を効率的に生み出せると考えています。上手く構想を言語化出来ていませんが、今後の20年代ではメタバースの発展に伴い、相互に影響を与えていく仕組みが、新たな表現方法となり今の状況を打開できると思っています。


まぁ、僕もここに書き残し、色々な人に見てもらう事で精神的幸福を満たすことを生業にしているため、確実に幸福の形が変化していると言えると思います。物理的な幸福から、精神的な幸福への流れは一層加速し、勢いは止まらないでしょう。



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