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ネット上の姿を作り出すーバーチャルモデルを取り入れる道

バーチャルの進歩


ここ数年で一気に進歩したバーチャルという技術。バーチャルとは仮想という意味で、仮想通貨やバーチャルYouTuberなどという言葉では馴染みがあるのではないでしょうか。
現実には存在しない空間や物を、そこにあるかのように・いるかのように体験できるバーチャル技術は日々進歩し、より現実に近い世界を仮想上に作り出しています。

技術の進歩とともに、日常から専門的な分野まで、様々なシーンに応用されている仮想世界。
今回は、そのバーチャル技術を自らの活動に取り入れる道と、そのメリットやデメリットについて考えてみます。

配信スタイルの変化


今現在、配信者といって思いつくのはYoutuberではないでしょうか?
2007年にYouTubeが導入したパートナープログラムにより、動画再生数の多い投稿者へ報酬が分配されるようになり、それによってYouTuberというものが一つの職業として成り立つまでに至りました。
そのスタイルは様々で、Vlog・料理・美容・チャレンジ・キャンプ……あらゆる趣味や知識が動画配信という形で活かされています。

バーチャルYouTuberの登場


そして2016年、バーチャルモデルにモーションキャプチャと声を導入したYouTuber「キズナアイ」の登場をきっかけに、バーチャルYouTuberというスタイルが確立されていきます。

2021年現在でも多くのバーチャルYouTuberが活動し、企業も参入するなど新たな文化として馴染みつつあります。
キャラクターとしての存在でありながら、リアルなリアクションをそのまま映し出す姿から、二次創作なども含め絶大な人気を誇るバーチャルYouTuberたちとその界隈。
トークを始め、ゲーム実況や美容なども人気があるようです。

また、ファンアート用のハッシュタグのある活動者も多く、ファンとの距離感が近いことも人気の要因と考えられます。

バーチャルモデルを取り入れた活動者


最初からバーチャルYouTuberとして活動しているスタイルも多いですが、中には今までの活動に追加してバーチャルモデルを導入したという活動者もいます。
今回は具体例としてP丸様。とリロ氏の2名をご紹介します。

P丸様。


P丸様。はTwitter・YouTubeを中心に活動している人物です。
投稿動画は本人作画のイラストアニメに、本人が声を当てたアニメ作品が中心で、画力と内容、そして何よりも独特な声にハマる人が続出しました。

YouTubeチャンネル登録者数は200万人を突破し、シリーズ「ゆるふわ」はTwitter・YouTube共に人気となり、初回投稿「【アニメ】僕は友達になりたいだけなのに!!!」は2021年12月現在で800万回再生を突破しています。

中性的とも言える声と、様々な声真似という特技も持っているP丸様。の活動の中には「歌ってみた」動画もいくつかありましたが、2020年にシングル「ガチやべぇじゃん」をリリースし、本格的にオリジナル曲を展開し始めます。

その後、2021年9月に3Dバーチャルモデルを起用しバーチャルライブを開催、バーチャルモデルの本格的な導入が始まりました。

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出典:P丸様。公式HP

声優などの側面も持つP丸様。ですが、今後も手描きアニメ作品の投稿も継続しつつ、MMDバーチャルモデルを用いたMVでオリジナル曲の配信なども行っていくようです。

多彩なP丸様。ですが、つらかった過去から一新、3Dモデルの導入は「バーチャルの世界に帰ってこれた」ととても嬉しかったようです。
これからもいきいきと両立していってほしいですね。


リロ氏


次にご紹介するのは男性活動者・リロ氏。
リロ氏はYouTubeを中心に人気の料理系配信者ですが、その他ゲーム配信などを行っています。
Twitterでは猟師としてのツイートも多く、「料理系は!?」とギャップを感じる人も多いですが、彼はきちんと免許を得ている日本の猟師です。

人気の毎日更新シリーズでは、ホットサンドメーカーを用いたご飯を無言で用意し、お酒を煽るだけの1分~2分程度の動画を公開しています。

猟師ということもあり、ソロキャンプの能力に長けているリロ氏はホットサンドメーカーの料理をまとめた本「リロ氏のソロキャンレシピ」「リロ氏のホントにとてもくわしいホットサンドメーカーレシピ」を出版しています。

そんなリロ氏は2021年1月にバーチャルYouTuber活動を宣言。その後、無事Live2Dモデルを利用した活動を開始し、他のバーチャルYouTuberとのコラボや、Live2Dを用いたゲーム配信なども行っています。

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出典:リロ氏Twitter

女の子のような見た目の可愛いキャラクターモデルですが、その声はしっかり成人男性。
男の娘・バ美肉(バーチャル美少女受肉)としてキャラクターを確立しています。

変わらず、ホットサンドメーカーの動画を毎日更新し続けつつ、バーチャルYouTuberとしても活動しているリロ氏の今後がますます楽しみです。

バーチャルモデルを利用するメリット・デメリット


バーチャルモデルを活動に導入する具体例として2つの活動者をあげましたが、そのメリットとデメリットを整理しておきましょう。

メリット
まずメリットとして、両者が共通してあげているのは「活動の幅が広がる」という点。
P丸様。は過去の活動に加え、本人が出ずとも音楽ライブという場を設けられました。
また、リロ氏も過去の活動に加えて顔を出さないまま、なおかつリアルタイムのリアクションなどを視聴者に届けたり、他の活動者とのコラボがしやすくなりました。

リアルの容姿を出さないまま、活動の幅を大きく広げられるバーチャル技術を取り入れるのは、顔出しせずに活動をしている人々にとっても導入しやすく、大きなメリットであると言えます。

また、リロ氏のようにアニメを作るという手段を持たずとも、モデルに動きや表情を反映させることで動画配信としての見栄えは格段とあがるうえ、好きな容姿に設定できるのもメリットですね。

デメリット
次にデメリットですが、金銭面があげられるでしょう。
3DモデルやLive2Dモデルの作成・導入には、個人で安く済ませても20万円、更に外注などでクオリティを高めていくとなると青天井といった感じで、数百万かかる場合もあるようです。

なかなか軽い気持ちで支払える値段ではありませんよね。

加えて、その費用を用立てしますよという形で企業と組むと、それがまた転じて悪い方向へ進むこともあります。
具体的には、所属企業やスポンサーの都合で自由度が低くなったり、酷い時には金銭の支払いが正規に行われなかったりします。

バーチャル技術の導入そのものにかかる金銭と、そこをカバーするための企業入りには事前の調査などを入念に行った方が良いでしょう。

まとめ

今回の記事では既存の活動者がバーチャル技術を導入することで、ネット上の姿を作り出すことについて具体例と共に考えてみました。
メリット・デメリットがそれぞれ大きいため、活動にバーチャル技術を導入する事を検討している人はぜひしっかりと事前調査を行ってください。

様々な活動者が、いきいきと活動し続けられるためにバーチャル技術を利用していけるといいですね。

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