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オタクの変移ー個人HPからSNSへ


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オタクの生きる場所はリアルに留まらず、むしろネットの方が居心地がいい。オタクである人であればうんうんと頷けることかと思います。
今ではオタクはTwitterでのコミュニケーションが主流ですが、Twitterがメジャーなツールになる以前はオタクたちはどのように活動していたのでしょうか。

オタクたちのコミュニティについて考えていきます。

インターネットとオタク


オタクといえばネット、というか、オタクにとってネットは命綱であるといえるほど、切っても切れないものです。
インターネット黎明期には2ちゃんねるを始めとする掲示板などで様々なジャンルのオタクたちがコミュニティを築き、現在ではSNSに移動しオタクたちのコミュニケーションは続いています。

それこそインターネット黎明期においては、オタクというものは嫌厭されがちで、どうしても普段のリアルのコミュニティでは出しにくい趣味でした。
そのため、オタク 同士の出会いというのはリアルに関わらないネット上に頼る形となりました。

現在は特に2次元コンテンツなどが日本文化として世界に認められていることもあり、オタクはオープンにしても良い趣味であるという認識が広がっています。それでも隠している人も多いですが、趣味を聞かれてアニメ鑑賞やゲームを挙げる人は増えましたね。

二次創作の場所

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オタクの中でも、鑑賞のみのオタクと二次創作を楽しむオタクがおり、今回取り上げるのは後者です。
二次創作をするオタクというのは、つまり公式のコンテンツの他、そのキャラクターや設定を借りて独自に制作を行う人の事です。
コミックマーケットや各ジャンルのオンリーイベントなどで頒布される同人誌や同人グッズ、はたまたネット上でのみ公開するなど、その活動場所は様々です。

今回は時系列に大きく分けて個人HPニコニコ動画SNS、そして長く二次創作の公開・閲覧の場として親しまれているpixivの4つを紹介します。

個人HP

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出典:DailyPotalZ

個人HPはいわゆる「古のオタク」の頭が痛くなる単語ですが、平成中期頃に流行ったものです。
無料で個人のホームページを作成できるサービスが流行り、そこで多くのオタクが個人の作品を公開したり、日記をつけたりしていました。
最近のHP制作ツールで作られるおしゃれなものではなく、文字色やリンク、バナーなどで構成された時代を感じさせるものです。
ガラケーで制作・閲覧できるものということで、ページの容量は相当軽かったと思います。

フォレストページ、占いツクール、エムペ!、リゼ、nano、モバスペ……有名どころではこのあたりでしょうか。

キャラクターと読者の恋愛を描いた小説=夢小説や、同性のキャラクター同士の絡みを描いた作品=腐向けなど、様々な趣向のサイト運営者が作品を制作・公開していた時代です。

この頃を生きたオタクで、かつ運営側だった人たちはHTMLやCSSを触ったことがあるのではないでしょうか。カラーコードなんかも自然と覚えたり、リンクタグなども覚えてましたよね。

個人HPは基本的には個々の活動でしたが、HP上に設置したBBS=掲示板でのやりとりから仲良しのオタクを見つけたり、メールアドレスや電話番号の交換などをして交流していました。
PCのあるオタク同士ではSkypeでの通話なども使われました。

ニコニコ動画

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出典:3年ぶりに復活した決闘者 【新】遊戯vs.遊戯(まるで実写)

ニコニコ動画はドワンゴ株式会社が運営する動画共有サービスです。画面上に流れるコメントが特徴ですね。

全盛期にはVOCALOIDの爆発的な人気の土台となり、同時にアニメMADやMMD、歌ってみた・踊ってみた・弾いてみたなどの二次創作動画作品も多くアップロードされていました。
東方関連作品でお世話になったオタクも多いのではないでしょうか?

現在もサービスは継続しているものの、世界的なYouTubeの流行により、多くのユーザーはそちらに流れて行ってしまいました。
生配信などではHappyElementsなどの企業が利用することも多く、アニメの公式配信もしているため、現在はそのあたりのコンテンツに支えられているような形になりつつある印象です。

ただし、米津玄師や八王子P、DECO*27などニコニコ動画出身のメジャーなアーティストも多いため、若い方はニコニコ動画を漁ってみるのも面白いかもしれません。

SNS

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平成後期からはスマートフォンが出始めたことも影響し、個人HPから離れ始めます。TwitterやLINE、Skypeが多く使われ出し、交流の場はSNSに移動します。

個人HPからSNSへの移動は、スマートフォンの普及の他に、情報や作品の共有の手軽さがあると思います。
個人HPは、先に書いたように個人どうしの比較的隔絶されたようなコミュニケーションがメインでした。
一方、TwitterのようなSNSでは多くのユーザーとのコミュニティを一気に持てること、サイト運営などの手間がないこと、リアルタイムな交流ができること、など多くのメリットがあります。

また、静止画、GIF、動画、テキストと、幅広いメディアに対応しているのもオタクにとって嬉しいポイントです。

公式からの情報と、二次創作を含む他のユーザーの発信とを同じ画面上でチェックできるのは、情報集めが基本ともいえるオタク趣味にとってはこの上なく便利なツールですよね。

個人HPからSNSへのオタクの移動は、スマートフォンの普及とSNSのユーザー増加によって進みました。

現在では個人HPの話は「古のオタク」と言われる文化です。

pixiv

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pixivは2007年からサービスを開始したwebサイトです。
内容は、イラストや小説という創作物をアップする場所。ブックマークやタグ、フォローといった機能が備わっており、好きな作品や作家を追いかけることができます。
また、コメントやメッセージの機能もあるため、直接その作品や作家へ感想などを伝えることもできます。

無料で会員登録でき、作品がなくとも閲覧のみで楽しめるのも人気のポイントです。

有料会員になると、ミュートや人気順検索などができるようになり、より快適なオタク活動ができるのでそちらを利用するユーザーも多いですね。

SNSよりも作品公表に特化した場所でありつつ、個人HPの運営のような手間をかけずに利用できるため、サービス開始から現在までに世界規模で人気を保っています。

また、派生サービスとしてアカウントを連携して利用できる通販サービスBOOTHや、pixivとリンクさせて用語を解説しているpixiv大百科などがあります。

比較としては同類サービスとしてピアプロがありますが、こちらはVOCALOIDに特化している上、VOCALOID全盛期を過ぎてからはユーザーはpixivへ移動しています。

まとめ


今回はオタクのインターネット利用の変移についてまとめてみましたが、懐かしい話はありましたか?
最近ではTwitterとYouTubeがオタクのメインツールですが、今後も更にオタクに特化したものが出てくるのかもしれませんね。

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