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ハワイの恋が終わり苦しみの先に、悟りへの道が開けた 48

第六章 48 ヒーラー松尾みどり先生の言う卒業の時が来た 


今朝は、ワイキキで朝早くミーティングがあって、めずらしくウェディングの仕事はその後に入っていなかった。ビーチウォークのカジュアルレディースウェアのMahinaで、買い求めたかった下着を見に行った。とても安く在庫も豊富な商品が手に入り、シェラトンホテルのガレージに戻ってポルシェを走らせた。

ちょうどガレージから出て右折し、ビーチウォークを右手に曲がり、山側に向かったところで、カラカウア通りから入ってきたトヨタ車のナンバープレートが目に入った。知っていた番号だった。そう、クリスの車に違いない。すぐに運転手の顔を見たら、サングラスをはめていたが、誰かと話しているような少しほほえんだ感じのクリスが見えた。一瞬だった。助手席に誰かがいたかもしれなかったが、見えなかった。クリスは髪が短かった。最近大きな礼拝があったのを知っている。それに併せて散髪に行ったのだろう。
車のナンバープレートを見た時から、おなかの辺が少し暖かくなった。車が通り過ぎてから、特徴のある車の後ろを見て、完全に彼だとわかってからも、そのお腹のあたりの暖かい、多分体温も血圧も上がった感じは続いた。でも、前に私を襲った胸の下の硬い部分がキューっとなるのとは違った。
それを感じた後に、すぐに私を悟りに導いてくれた彼に、ありがとうと感謝をしながらつぶやいた。

「あー、やっと終われた」

とっくに気持ちに整理はついていたし、たくさんの学びから、彼がしてくれたことに感謝の念を抱いていた。クリスと別れて誕生日のプレゼントの25ドルのギフトサティフィケートをもらって傷ついた日から、3年の月日が流れていた。クリスと別れた日に再開した龍一とは、その後1年で別れていた。

私は、一人になってから2年経ち、未だに恋人との出会いがないことがもどかしく感じていた頃だった。

去年の春に、ヒーラー松尾みどりさんに言われていた言葉を思い出した。

「最後は遠くにクリスさんを見る機会があります。あなたは、ああ、彼がいるなと彼を認識します。でもそこには、良いも悪いもなく、いるなと思うだけです。」

それがまさに、今日起こった。彼は私に気付いていない。私が彼を認識しただけ。

「神様、宇宙神、そして、私自身、本当にありがとうございました。やっと卒業を迎えられました。」 

つい、私を支えてくれたみんなに伝えたくなり、友人に電話をした。おめでとうと言われて、心から嬉しかった。


 

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