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にわかの果てに。

夫が出張で数日家を空けると
にわか一人暮らしがはじまる。

一番変化があるのが
やっぱり食事。
夫がいると
(昨日はお肉食べたから今日はお魚と野菜多めで〜)
とか
色々と考えるのだけれど、
ひとりだと
(肉、肉!)
と迷いがない。
そう、わたしは(夫と比べると)肉食だ。

といっても
どかどか量を
食べるわけではないし、
毎日食べるわけでもない。
買う場合は
お肉もできるだけ
育てている環境や人がわかるもの。
そんなお肉が少し
はいったおかずを週に何度か、
という感じ。

一時期、夫がなんちゃってベジ、
タンパク質は豆類メインで、
みたいな時期があって、
みるみる体調を崩した。
わたしが。


夫は元々、
炭水化物メインで
豆腐と納豆とキムチみたいな食生活の人だったから
なんともなかったのだけれど、
わたしは
きっと亜鉛とか、
鉄とかが不足しやすい体質。


周りの友人がベジだったり
ヴィーガンだったりして、
すっかり感化された夫の押しに負けて
(お肉が食卓に出るとエ〜〜と言われたりして)
わたし自身はお肉が必要だと感じていながらも、
もう随分前のことだけれど、
数ヶ月間、にわかベジ生活になったことがあった。

わたしは豆腐が元々あまり好きではなく、
湯豆腐くらいしか食べたいと
思わない食材だったので
(体も冷えるし)
凍らして解凍してからベジミート風に使った。
大豆を加工したベジミートにも
一時期お世話になったけれど、
(便利だった、ありがとう!)
でも
(相当加工されているよね?!)
となんだか萎えてしまって、やめた。
家での食事はシンプルがいい。
豆腐を凍らせて解凍して、
絞ってちぎって挽肉の代わりに使う。

そんな生活をしていたら
自然栽培の大豆をつくってるのにも関わらず、
豆腐を日常的に買うのがバカらしくなって、
(地域のお豆腐屋さんが
週に2回配達に来てくれていたのも
ありがたかったが)
ニガリを買って豆腐を作り始めた。
豆乳もできるし、いーやん。
と思ったけれど
なんか失敗する。
失敗すると嫌になる。

そしておからだらけになる。
おからも食べれるし、いーやん。
と思っていたけれど、
やっぱり、そんなに好きじゃないのだ。
日常的に食べられない。
冷凍庫がおからだらけになるから
乾燥おからにして
お菓子に入れたりしてたけど、減らない。
はあ〜〜〜。

すきではないものに
場所をジャックされている感じに
気が滅入る。
たいしたことじゃないかもしれないけれど、
なんかじわじわくるのだ。
この違和を無視することは、できない。
無理。


心身ともに参ってしまって、
ギブアップ。
気持ちもなんだか上がらなくて
もう無理。
台所に立つのが嫌になってしまった。
夫が悪いとかではなくって、
ここまでなってしまう前に
言えるようになりなさいよ、わたし。
修行体質が抜けないよなあ。

ベジやヴィーガンの人たちのように
知識も勉強も足りていないし、
そもそもわたしがそういう体質じゃない。
お肉好きだし。
もう無理です、と夫に告げて、
わたしはお肉食べるけど
あなたは食べなくていいです宣言。
(でも夫も食べてる)
あ〜、すっとした。

体調もすっかり元通り。

お肉抜きの日は週に
何度か普通にあるけど、
わたしは毎日ベジは無理だな〜。


というわけで、
にわかひとり暮らしは
猪肉入りの煮物とか
鹿肉のすき焼き風とか、
お山のお肉を中心に
お肉料理を嗜んでいます。

美味しいなあ。
ありがたいなあ。

にわか一人暮らしの
気楽さも寂しさも味わいつつも、
新たな癖?がここにきて。

いかんせん
立ち食いをしてしまうのだ。

(わーい、できた〜。
お腹空いた〜、味見しよ〜)って
パクッと一口、
(美味し〜、ご飯と合わせて食べてみよ〜)
ってご飯よそっておかずを乗せて一口、
二口、三口、、、、


なんだか満たされて、
ごはん終了。

えー、また
立ち食いで(ごはん)終わった。
(ボーゼン)

この、
すごく、
ナチュラルに、
立ち食いで、
終わる。

というのを
何度か繰り返していると、
食卓までが遠く感じる。

更には
洗い物減るし、と思って
平皿にワンプレートで
盛った時の既視感よ。
(立食の食事会ってこんな平皿ワンプレートに盛るね、そういえば)
まんまと更に食卓が遠い。


一人暮らしの人って
もしかして、結構立ち食い?
食卓とか使わなかったり?

と、思って
周りの一人暮らしの友人達に
訊ねてみたけれど、
「あー、わかる」と同意は得るものの、
「でも座って食べるよ」。
そうか、そうだよね、やっぱりね。

なにを食べるかも
大事だけれど、
どうやって食べるのかも然り、と
にわかひとり暮らしで再確認。

わたしにとって
人と食卓をともにすることって
こういうことが
自然と付随していたのね。

一緒にごはんを
食べてくれる夫よ、ありがとう。


座ってたべよ。


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