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冷蔵庫のプリンは誰のもの?

冷蔵庫にプリンが2つ入っていた。
5歳の息子はプリンが好きじゃない。
ということは、夫とわたしの分だ。

その日夫がひとつ食べた。
わたしの分はいつ食べようかな。
まだ賞味期限はある。

次の日、夫がわたしのプリンを開けて食べようとしている。
え・・・・・・?

「それわたしのプリンじゃないの?」
「オレのだけど」

プリンを買ってきたのは夫。
同じプリンがふたつ、まさか両方が夫のプリンだったなんて!

「一個わたしのかと思ってた」
「食べてもいいよ?」
食べながら言う夫。
いらん。

思い込みとは恐ろしいものだ。


今日、夫がショッピングセンターの中の和菓子屋さんで、黒蜜きな粉だんご(串にささったやつ)を2本買っていた。
息子は食べないので1本はわたしの・・・・・・じゃないんだった!
あ、あぶなかった、また自分の分だと思い込んでしまうところだった!
ふ~

家に帰って、ティータイムが始まった。
息子は箱に入った知育菓子(粉に水を混ぜてグミを作るやつ)に夢中。
夫と私はインスタントコーヒーをいれた。
甘いものは・・・

「それ2本とも自分の分なんでしょ?」
「うん」
「前にもそういうことあったから学んだよ」
「食べてもいいよ?」

自分も食べたいならお店で買う時に1本追加してもらうべきだった。
食べたいなら食べたいと主張しなければ、わたしが食べたがっていることなんて誰にも伝わらない。
だけどわたしの分も買うなんて贅沢だからガマンしようとか、絶対食べたいってわけでもないしと思っているうちにお会計は終わってしまったのだ。
わたしの貧乏性がいけないのだ。
心が決まっていなかったのがいけないのだ。

持って帰ってくるうちにきなこが黒蜜を吸い込んでみためが少し残念になったけど、味は絶対美味しいに違いないだんごを夫は1本ぺろりと食べてしまった。
そして、2本目を「ん」と言ってわたしに差し出した。

「食べていいの?」
「うん」

どこか素直に受け取れないけど、素直に受け取った。
「ありがとう」

黒蜜きな粉だんごはやっぱりおいしかった。
プラスチックのフードパックにこぼれ落ちていたきな粉も、細い串でちびちびと食べた。
ちびちびと食べるのが似合うような気持ちだった。

今度から自分の分も買ってあげよう。
夫からもらわなくていいように。



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