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【創作】大好きすぎる彼氏を瘦せさせたい女の奮闘記

その⑤ 要因を洗い出す

定時推奨日、仕事終わりに近所のカフェのカウンターでカフェラテを頼む。
本当はここのカフェはカヌレがおいしい。今日は我慢。

こじんまりした店内にはコーヒーとバターの匂いが漂い、ピアノ版のジブリメドレーがかすかな音で流れている。カフェラテを待つ間、ざっと店内を見渡す。
白を基調とした空間に、木目調の落ち着いたテーブルと椅子。間接照明の温かい光の中に、ドライフラワーがたくさん飾られている。

私の他には制服を着た1組の男女と、あとはカウンター席に年配の女性が一人。とても素敵な空間であることに加えて、少し見つけづらいところにあるからかいつ来ても混んでいないことがこのカフェ最大の魅力。
カフェラテを受け取って、窓側の席に着く。

財布、PC、小説に手帳に化粧ポーチ…様々なものが詰まった鞄から、メモ帳とペンケースをとりだす。
いつも彼から (だけでなく友達からも親からも) 荷物が多すぎる、何が入ってるの?と言われる鞄。でも真面目に真剣に、自分にとって必要最小限のものしか入っていない。
私にしてみれば世の人間はなぜあんなに小さい鞄で生きていけるの?という感じである。

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20XX年01月yy日
memo
・体質
遺伝要因→制御不可
基礎代謝→食事や運動により改善可能
・エネルギーの摂取サイド
食事の量、内容、タイミング
・エネルギーの消費サイド
運動の有無、姿勢 (骨盤の歪み他)、(体質)
・その他
環境 (飲み会が多い、周りの人間の食事模様等)→他者がコントロールできる領域ではない
…あとはストレスとか?
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私の知る限りはこんなところな気がする。

やはり食事と運動習慣の改善しかなさそうか。
正直本人がその気にならない限りどうしようもない気がするが、私側の太ってほしくないという感情もどうしようもないものであり、その感情と真剣味は恐らくうまく伝わっていないのであろうから、それでもできそうなことであがくしかない。

PCを開いて、理想の食事について調べてみる。
厚生労働省の推奨している理想の栄養バランスに、ダイエッター向けのサイト、筋トレ (ボディメイク) が趣味の人のブログ。
どのサイトも似たようなことを言っていて、正直そのどれも、まあまあ知ってる、という感じ。

そういえば数年前くらいに私の周りでは男女問わずプロテインが流行っていた。最近は美味しくて手軽にとれるプロテイン商品も増えているし、そういった商品を出している企業が、ボディメイクに焦点を当てたコラムや記事を多数出している。そういうのは割と読みやすい。

そうこうしているうちにまだ明るかったはずの外は暗くなっていて、残ったカフェラテを飲み干してPCを閉じる。
大学の時に (趣味で) 買った栄養学の本と東洋医学の本、帰ったら参考に出来ないか見てみよう。


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