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蘿蔔糕(ローボゥガァオ)《詩》

大根の月を千切りにして
混ぜる回るステンレスボウル
昔どこかの創作居酒屋で知った
香りと食感 摩訶不思議な記憶

どこか懐かしいわけでもなく
ほっとするわけでもない
すりおろしでは 気づかなかった
大根の変貌 酒の肴という味がした

うちでウィンナー入れてみたら
無国籍と多国籍の混沌で
支配者なき 理想郷の住民による
家庭料理という味がした

昔 エマルジョン先生と
親しまれる先生がいた
「乳化」は 相反する世界を
ひとつにまとめあげる と

小さなフライパンの出来事が
そのまま具現化すること
異色材が混ざり合い
素晴らしく化学反応する

これは喜劇のひとつなのだと
プロペラ換気扇から 五香たつ














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