白河とこる

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エッセイ【坊主憎けりゃ】

二次創作界隈ではよく耳にする"解釈過激派"をやっている友人がいる。 と、言っても自ら直接他者を叩きにいくような層ではない。 基本的には表立って悪口を言うわけでもなく、解釈違いは先行ブロック自衛。鍵の中で俺の解釈が正しいよなあ!?と主張する…といった具合である。 友人のフォロワーさんもまあ似たり寄ったりで、彼女達は解釈違いの他者に排他的なつよつよコミュニティを築いていた。 友人とはジャンルが被ることもほとんどなく、コンテンツに体調を壊すほどの熱量を注ぐ様を対岸から半ば畏敬の

    • エッセイ【尊厳を、考える。】

      先日、友人二人と遊びに行く機会があった。 大学時代からの友人で、趣味も合い、社会人になってもずっと交流のある面子である。 この日もいつもと同じように楽しい時間を過ごしていたのだが、帰り道の電車で一人が、胃下垂で膨れた私の下腹部を触り「妊娠してるみたいだね」と揶揄った。 無遠慮な物言いだな、と苦笑いは浮かべたもののそこまで頓着することはなく、その場は有り体に言えば『流した』のだが、一日明けて、そういえば私も昔同じ事を他人に言ったことがあるなとふと思った。 自身が年長さんの

      • エッセイ【社会人4年目】

        始発の特急。 冷え込む早朝、誤って乗り込んだ車内で揺られ、ふとこの電車はまるで私ではないかと気付く。 社会人になってからの私の人生というのは、まるで意図せず乗ってしまった冬の末明の特急電車のようだ。 知らない土地で、宛の知れないスピーディーな電車に揺られ、これはどこに行くのだろう、どこで降りればいいのだろうと、慌てて必死に手元のスマホでGoogleの窓を叩くも、乗り換えに失敗したらどうしよう、この電車の行く先よりもっとよく分からないところに向かってしまったら? と、きりもみす

      エッセイ【坊主憎けりゃ】