エッセイ【社会人4年目】
始発の特急。
冷え込む早朝、誤って乗り込んだ車内で揺られ、ふとこの電車はまるで私ではないかと気付く。
社会人になってからの私の人生というのは、まるで意図せず乗ってしまった冬の末明の特急電車のようだ。
知らない土地で、宛の知れないスピーディーな電車に揺られ、これはどこに行くのだろう、どこで降りればいいのだろうと、慌てて必死に手元のスマホでGoogleの窓を叩くも、乗り換えに失敗したらどうしよう、この電車の行く先よりもっとよく分からないところに向かってしまったら?
と、きりもみす