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WEBサイトのバリアフリーについて~スマートフォン編

みなさんこんにちは。パラアスリート 兼 広告代理店 株式会社トーコンで働く日向賢です。

前回の投稿で視覚障碍者(全盲)にとって読みやすいWEBページ、読みにくい(あるいはこれをされると困る)WEBページについて紹介しました。

そこでは画面読み上げソフト(スクリーンリーダー)を利用してパソコンでWEB閲覧をすることを前提に紹介しました。

今回はスマートフォンでの場合はどうなのかということについて紹介してみようと思います。

視覚障害(全盲)のユーザーとスマートフォンでのWEBサイトの閲覧

結論を先に書くと、

’基本的にはパソコンの場合と変わりません’

とはいえ、細かな部分は違いますし、利用シーンによってはパソコンで利用するよりもスマートフォンのほうがわかりやすい場合などもあるのでそのあたりについて簡単に紹介します。

私たち視覚障碍者がどのようにスマートフォンを利用しているかについては以前別の記事を投稿していますので、そちらをご覧ください。

まず、スマートフォンの場合も見出しジャンプ機能などを利用することができますので、基本的にパソコンでWEBページを閲覧するのと同様にそのような機能を駆使してWEBページの閲覧を行います。
スマートフォンの場合タッチパネルを触って操作をするので、よく閲覧するページでページの構造がわかっている場合などはこの辺かな?というところをタップしてカーソルを合わせてから閲覧する方が早い場合もあります。
※ニュースの本文は画面の上部3分の1ぐらいの真ん中あたりなど

また画面をスクロールさせて文章のヨミ初めの位置を調整することなどもできます。

パソコンとスマホ、それぞれの使い分け

ただ、スクリーンリーダーの種類にもよりますが、私の場合は普段パソコンで利用しているスクリーンリーダーのほうが様々な機能があるので、スマートフォンよりパソコンのほうが効率的にWEB閲覧が行えるという場合も多いです。
申し込みページのようにいろいろな項目を入力しなければいけないページであったり、1ページの情報量の多いページ、数字の羅列が多いページ(Googleアナリティクスのページなど)についてはパソコンの方がやはり効率的です。

逆に入力の必要があってもアンケートページのように選択肢を選ぶ比率が多い場合や、FacebookやTwitter、ニュースサイト、WEBメールの閲覧などについてはスマートフォンで行う方が効率的です。
SNSやニュースなどについてはスマートフォンの場合アプリを使うという選択肢も出てきますので、スマートフォンのほうがより便利に利用できます。
私も出先ではもちろんですが、オフィスや自宅で仕事をするときも作業内容によってはあえてスマートフォンで確認や作業を行うということも多いです。

当然スマートフォンの場合も読みにくいWEBページというものはあります。原因については基本的にはパソコンの場合と同様ですので前回の投稿をご覧いただければと思います。
補足をするとスマートフォンのほうがよりCAPTCHA(キャプチャ)認証がユーザ認証に利用されている頻度が高いように感じます。

スマートフォン独自の表示

スマートフォンでWEB閲覧をしていて同じページなのに表示のされ方が違うな?と感じたことのある方もいるのではないでしょうか。
実はサイトによってはパソコン用とモバイル(スマートフォン)用のページを分けて公開している場合があります。
スマートフォンのような小さな画面に必要な情報を見やすく表示する必要があるためだと思います(もちろん違う理由もあると思いますが)
ここで書いている見やすくというのは我々視覚障碍者の話ではなくみなさんがスマートフォンでWEBページを見やすいという意味です。

多くの場合パソコン版のWEBページよりもモバイル版のWEBページのほうがページが簡易版になることが多いです。

結果構造や表示がシンプルになり、私たちがスクリーンリーダーを利用して閲覧しても見やすいということに繋がっています。

パソコン版以上にページ内リンク(同一ページ内の見出しにジャンプできるショートカット)が設定されていることも多いです。
WordPressなどでもモバイル版の表示が設定できるので、最近はnoteのようなブログサイトや企業のWEBサイトでも普及していると思います。

おまけ

実は昔から一部の視覚障碍者の間でモバイル版のWEBページの方が読みやすいという話が広がって、スマートフォンなどが普及する以前もパソコンのブラウザの設定を無理やり変更してモバイルサイトを閲覧するという裏技を使っていました(笑)

前回の投稿がボリューム感のあるものになったので今回は軽くしようと思ったのですが結果結構ボリュームがあるものになってしまいました(汗)

何かご不明な点や質問等ありましたら、お気軽にコメントなどでお問い合わせいただければと思います。

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