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不安になること勿れ

VUCAとは、volatility(変動性)、uncertainty(不確実性)、complexity(複雑性)、ambiguity(曖昧性)の頭文字を並べた言葉ですが、Wikipediaによると、1990年代後半にアメリカで軍事用語として発生した言葉とか。
その背景は、当時同時多発テロに対応したアメリカ軍が指揮命令系がよくわからない相手に対し、新しい戦い方を模索する言葉として、発生した言葉のようです。
翻って、
今のビジネスシーンでは、デフレからのインフレマインドの変化、急激な円安、労働人口の減少など、先行き不透明な状況をみて、「VUCA変化に対応するためには」「VUCA時代を生き抜くためには」などとVUCAをテーマにした記事をよく目にします。
(正確には、「しました。」ですね。今年に入ってVUCAというワードはトレンドではなくなってきたのかなと思います)
ところで、
こういった記事を見ると、
今後、自分のビジネスを展開するためには、どういったことに気を付けるのがいいか、のような指南するないようであればいいのですが、
先行き不透明の時代を暗に不安がらせるような記事も多く見かけられます。そういった不安をあおって利益誘導するのでしょう。
しかしながら、
一般的にVUCAなんで言われる少し前には、リーマンショックがあったし、さらに、急激な円高とデフレ、低経済成長期、それ以前の時代には高度経済成長期がありました。それらのイベントの前には、誰もそう経済が変化するとは思っていなかったし、先行き不透明感はいつの時代も常にあるのかとも思います。
今年に入って、VUCAという言葉が使われなくなったところを見ると、ビジネスパーソンがそれに気づいたということも言えなくもありません。
先行き不透明感を表現するのにことさらVUCAなんて言葉を使う必要もないということであり、特段、不安をあおるような概念でもなさそうかなと思う今日この頃です。

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