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わたしの好きなお店①

あなたには好きな応援したいお店はありますか?
私にはそんなお店があります。

ある日、お仕事が18時に終わりました。
その後、20時から外勤先のでの別のお仕事のを予定でした。

私がひよっこの頃に住んでいた町に、その外勤先はあります。
Voicyを聴きながら運転していた私はふと思いました。


”そうだ。あそこに寄ろう。”

あそことは、私がひよっこの頃によくいっていた洋服のセレクトショップです。
アンティークの家具に囲まれて、イタリアからオーナーが買い付けたデパートにはあまり無いブランドの洋服や靴や鞄がディスプレイされており、モザイクタイルが敷き詰められた床のこじんまりとしているけれども、とってもセンスのいいお店です。

そのお店は19時閉店なので、私はそのお店の近くにある外勤先で仕事がある時に、いつも寄りたいと思いつつ、ぎりぎりの時間に仕事を切り上げる事が多く外勤先に向かうので、すでに閉店して薄暗くなった店内の横を眺めながら、車で通過してばかりでした。

その外勤先の理事長先生と奥様は、そのお店のオーナーの女性と親しくされており、よく一緒にお食事をしたり、弾丸の旅行に行ったりされているようです。

外勤先の理事長先生は、ご自身の好きな、頑張って欲しいお店や人にお金を使うことをポリシーとされてみえます。
私もそんな姿勢には共感し、刺激を受けています。
その理事長先生も、誰よりも働き者でオンオフははっきりされてみえ、常にいろいろな人に感謝の気持ちを表してくださる、素敵な方です。

そのお洒落なセレクトショップは、私が仕事を始めて1年目の頃、当時の自宅の近くにできました。
その頃、お店にドキドキしながら、足を踏み入れたことを、思い出します。
そのお店ができた頃と私が働き始めた頃は、ほぼ同時期なので、なんとなく同期という感覚でいました。

そのお店のオーナーは、私より10歳ほど年上の女性です。
パーソナルカラーはオータムで、骨格はナチュラルでないかと推察します。
海が似合う、日焼けした肌に海外の日差しや空気がマッチする、品もあり、自立されている大人な女性です。

当時からそのお店には、仕事に疲れた時にふらっと言っていました。
そこにいくと、その女性とまずは30分ほどいろんな身の上話をしていました。

その方にはパートナーの男性がいて、結婚はされずに、お互い仕事をしながら一緒に過ごしておられました。
同じファッションのお仕事をされてみえて、起業された時に、このお店の内装も家具も一緒に探されて、作られたそうです。
そのオーナーの彼が、癌にかかった時もいろんなお話を聞いたりしていました。

買い付けに行く時のイタリアのお話、起業のお話、彼の話、インテリアのお話、健康のお話、女性としての生き方のお話など、をいつも聞いて、素敵だなと背伸びした気持ちになり、満足した後にそのお店で買い物をしたり、話だけしてそのまま帰ったりしていました。

当時は自分もパーソナルカラーや骨格診断などの知識もなかったので、オーナー女性は私が好きそうなものや似合いそうなものを出してくれていました。
なので、私の着る物は、みんなと同じブランドものを着るのでなく、一点ものという感じでした。

その後、私が転勤してその街を離れてからは、年に1回の年賀状のやり取りや、LINEのやり取りをたまにして、時にお店に寄ったりはしていたものの、ここ3年ほどそのお店には行けていませんでした。

なので、適応性の私は運転中にふと行ってみたくなり、寄り道をしたのです。

久しぶりにお店のドアをあけると、その懐かしいインテリアは私の五感を刺激しました。

中はラッキーな事に誰も人はいなくて、奥のカーテンから見覚えのある女性が顔を出しました。

”わあ、とこまきさん!!!”

女性は明るい笑顔で迎えいれてくださいました。

店内は相変わらず、オーナーのセンスの光っていました。
その空間にいるだけで癒されました。
そこで、久しぶりすぎて、また30分ほど、いろんなお話をしました。

オーナーの彼が3年前に亡くなられたこと。
その時は本当に辛くて廃人になっていたこと。
お店をその時にはやめようと思ったこと。
さらに、お店のタイルを貼ってくれた友人の男性も最近永眠されたこと。
今は、回復して、犬を買って暮らしていること。
コロナ下で買い付けにいけなくなって、お店を試行錯誤したこと。

”このお店をつくった人たちが次々にいなくなり、遺作のようなお店になってしまったんです”

”だから、その思いを受け継ぎながら、なんとか今続けています”

そう、彼女はいっていました。

自分自身も話を聴きながらこの15年ほどの年月が相馬等のように駆け巡りました。
私自身もこの15年で色々が変わったように思います。

その後、なんだかこの女性のお店で何か買いたいという気持ちになり、洋服を見ながら、知らぬ間に服を選んでいる自分がいました。

そして自分で選んだものを試着しました。
オーナーの方がもってきてくれるものには

”自分は今はこの服は必要ない”
”ワンピースは今はいい”
”逆に、こんな色やデザインのものがあれば欲しい”

断ったり、質問したり、意見を聞いたりしていました。

私が選んだものには
”トコマキさんは肌の色が白いからこの色は似合うと思う”
など的確なアドバイスをくれました。

オーナーの女性もそんな私の成長を感じてくださったようで、
”トコマキさんは、雰囲気などは全く変わりませんが、なんだかさらに大人になられましたね”
と言ってくださいました。

帰りに、オーナーの犬と戯れながら、2人と名残惜しく、お店を後にしました。


帰り道、オーナーの気持ちが続いたならば、
いつまでもこの素敵なお店があり続けて欲しいなと思いました。

私も、自分の好きな人や応援したい人に還元できる人間になりたいし、そんな人の思いやお店を大事にできたらいいなと感じています。

また、私が好きなお店とは、を考えながら、自分の好きなもの、好きなことについて見つめていけたらいいなと思います。


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